見出し画像

22.タスキ

信仰度★☆☆☆☆

正月の駅伝競走は、毎年日本のお茶の間を賑わしますね。

駅伝の魅力といえば、やはりタスキリレー。スタートからゴールまでを一人が走るのでなく、任された区間を走り切って次の仲間にタスキを託すところに、見る人の心を動かすドラマが生まれます。


よく人生をマラソンに例える話は聞きますが、人ひとりの人生は、むしろ駅伝の一区間とする方がこの際適当かと思うのです。

日頃の私たちの心身の行い、その元となる主義主張や、信念、信仰は、私一人の力で獲得したものではないはずです。

そういったものは、よくよくそのルーツをたどると、かつて誰かから譲り受けたものがほとんどです。
例えばそれは父母から受け継いだものかもしれないし、
例えばそれは実に多くの人々からちょっとずつ集めたものであるかもしれない。

いずれにせよ、今の自分を動かす源は、かつて誰かによって託され、教わり、受け継いでいるタスキであり、自分に馴染むようほんの少し姿を変えているだけのものです。

ひとつの区間を走るランナーは一人です。その区間で起こることは、それが山坂や崖道であれ、ランナーの責任で対処せねばなりません。だから孤独も感じやすい。人の寿命ひと区間は、ランナー本人からすると、一見孤独で長い一人旅です。

ですが時々思い出してほしい。なぜ今走っているのかを。

それはかつて渡されたタスキを前に進め、次のランナーに確かに伝えるため。

個人の目的地はどこかの中継所であり、ゴールではないかもしれない。ですが確実に走った分だけは進んでいます。

今日も一日ちびりちびりと。

#エッセイ #毎日投稿 #宗教 #天理教 #駅伝 #タスキ #世界の誰かへ

【タスキ:襷】
1 和服の袖やたもとがじゃまにならないようにたくし上げるためのひも。背中で斜め十文字に交差させ両肩にまわして結ぶ。
2 一方の肩から他方の腰のあたりに斜めにかける、輪にした細長いひも。「次走者に―を渡す」
3 ひもや線などを斜めに交差させること。また、そのような形や模様。
4 漢字で、「戈」などの「ノ」の部分。
5 古代、神事に奉仕するための物忌みのしるしとして肩にかけるひも。
『デジタル大辞泉』より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?