停滞の中でこそ
信仰度★★☆☆☆
河津桜(カワヅザクラ)をご存知でしょうか。
静岡県の河津町発祥の桜の一種で、2月から3月にかけて咲く早咲きの桜として名が知れています。
http://www.kawazu-onsen.com/sakura/
河津町では毎年この時期に河津桜まつりが開催されていて、観光客が一足早い春を楽しんでいます。この時期伊豆半島の道路はギチギチです。
ところが、今年の祭は残念ながら中止になってしまったようです。どころか、祭の開催側が花見を自粛するよう呼びかけする始末です。
このような話はここ一年でたくさん聞かされましたね。また聞かせちゃってすんません。
先日、所用で伊豆半島の真ん中らへんの国道を車で走っていました。狩野川の河川敷の脇を通る時、今を盛りと咲く見事な河津桜が目に飛び込んで来ました。やがて、ソメイヨシノと比べてもなお濃いピンク色が、僅か数秒、車窓を覆いました。
お祭りは中止となってしまいましたが、そのメインである河津桜の開花そのものが中止になったわけではありませんね。そんな当たり前のことを、数秒の光景が教えてくれたのです。
人間の都合や思いの上に成り立つ、行事やイベントは軒並み停止しました。
ですが考えるまでもなく、卒業式が中止になっても、卒業するという事実は変わりません。一年たてば子どもが一年分の成長を見せてくれます。結婚式ができなくても、縁あって新たに夫婦となった二人が家庭を築き始めます。今年も新芽が冬を耐え、きっともうすぐ春が訪れます。祭りがなくとも桜が咲くのと同じです。
このような人間社会の停滞の中にも関わらず、季節の巡りは変わらず、作物が実り、生命活動が成り立っている。人間の領分の外側の力を感じます。
いえ、停滞の中だからこそ、それでもなお世界を進めている存在を、鈍感なうっかり屋であっても感じやすい今なのかもしれません。
いかなる社会状況であっても、人間の生命活動は根本的な所では変わらず続いていくわけですし、「下さい」と告げずとも与えられている一つひとつを見つめて生きるならば、特に何が足りないってわけでもないかもですね。
こういうことを感じられると、信仰のある環境で育ててもらって良かったな、なーんて思います。
までも、もっともっと磨いていきたいです。