17.コンバート
信仰度★★★☆☆
【コンバート:convert】
①変換すること。転換すること。
②野球などで,専門とする守備位置を変えること。 「外野から三塁に-する」
③ラグビーで,ゴール-キックに成功すること。
④コンピューターで,データを異なる形式に変換すること。
『大辞林』より
3月、卒業シーズンですね。
ふと「卒」という漢字が気になりました。結構いろいろな意味がありそうですよね。
卒
音 ソツ
訓 しもべ・おわる・おえる・にわかに・ついに
①下級の兵士。「兵卒」
②しもべ。めしつかい。「従卒」
③おわる。おえる。「卒業」「高卒」
④にわか。突然に。「卒然」「卒倒」
⑤死ぬ。亡くなる。「卒去」「卒年」
⑥ついに。
漢字ペディア「卒」より
成り立ちを調べてみますと、大きく二つの意味が出てきました。
①兵卒の象徴
古代中国で、はっぴのような衣服を、10人一隊で率いられる雑兵達が身につけていたことから、歩兵やしもべの意味になって「兵卒」などの言葉があるようです。
②死者に着せる衣
大昔は人が死んだ時に、死者の霊が外に出ないように、または悪霊が死体に入り込まないように、「衣」の襟(えり)を重ね合わせ、結び留めるしきたりがありました。「卒」はその様子を表している文字だそうです。
そこから「卒」は「しぬ」「おわり」などの意味となったようですね。
切る、切れるというご守護
「卒」…なにやら死のにおいがしますね。
小学校を卒業する時、小学生の私は死にます。
中学校を卒業…以下同文です。
人間の死は人間の卒業でしょうかね。
死ぬことや終わることには悲しみがついてまわります。仕方のないことですね。
しかし、終わりが来なければいつまでも小学生のままで次に進めません。
何事も一区切りがあるので、次の一歩が踏み出せます。切れること、終わることは同時に次に向かっての出発なんですね。
以前ご紹介した、天理教の神さまの十全のご守護を見ると、「切る」に関するはたらきに、一つの神名がつけられています。
たいしょくてんのみこと出産の時、親と子の胎縁を切り、出直しの時息を引き取る世話。世界では切ること一切の守護の理
すなわち、人間の生き死にのお世話と、人生における節目や区切りはこの神さまのおはたらきです。
一人の人間が母胎より生まれ出る時、実体としてはへその緒が切られて、この世に生を受けます。
人の寿命は自分では決められませんので、息を引き取ってもらうことで、人間の切れ目=死が成立します。
また同じようにこの神さまは、金、縁、ものごとの切れ目、区切りのタイミングで、人の人生をちょきん!と切ってくれます。
「切れる」の先にある変化や転換
切れる時とは、また同時に変化する時です。人間の一生には転換や節目がつきものです。
転職して次の一歩を踏み出すとき、引っ越して新たな土地に住むとき、最愛の方と死に別れするとき、
それぞれ悲しみも漂います。ですが転換があるから次の道が続いていきます。
この春卒業の皆さま、またそれぞれに立場や居場所を変える皆さま、良い切れ目となりますよう。良い変化や転換がありますよう。