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23.ポイント

信仰度★★★★☆

「当店のポイントカードはお持ちですか?」

顧客を囲い込むためのポイントカード。コンビニや薬局で、会計の度にこのセリフを聞きますね。

実際にポイントがたまると嬉しいものです。しばらく気にせずにいて、ある時、気づいたらなかなかにたまっていたパターンは特にです。得した気分になりますね。

このポイント制がわれわれ人間と神さまの関係においても存在している。今日はそんな話です。

天の帳面

天の帳面という話があります。

理は見えねど、皆帳面に付けてあるのも同じ事、月々年々余れば返やす、足らねば貰う。平均勘定はちゃんと付く。これ聞き分け。
明治25年1月13日 神さまのお言葉『おさしづ』より

ものすごく単純化して言うならば、善い心づかいをすれば、天の帳面にはプラスのポイントとして勘定され、ある時そのポイントが執行されて「ラッキー」ということになります。

反対に、悪い心づかいをすれば、マイナスポイントとして勘定されて、ともすれば「アンラッキー」な事態として、身に及んできます。

これぞ「余れば返やす、足らねば貰う」の世界でして、至極当然な摂理と思えます。

以前、心の自由というものが人間には与えられているという話がありました。
16.ツール③

見抜き見通しの神の目を意識する

これに加えての話になりますが、人間の自由な心の動きに対して、神さまは介入こそしないものの、それ自体を「見抜き見通し」ておられます。ですから、いかに人が見てなかろうと、陰で積んだ善い心づかい、善い行いはしっかりと神さまの目に届いています。逆もまた然りです。

ですから、誰も伺い知らない陰徳も、神さまはちゃんと見ていて、帳面につけてますから、やり損という事は決してなく、安心していいのです。

逆に人の目を盗んで働く悪事も、帳面にはしっかりついていますので、油断はできないわけです。


こういった話をすると、一つの反発を頂きます。
それは、現にこの世に、正直者が馬鹿を見る場面や、悪事を隠し通して繁栄している者が存在し、天の帳面の説明がつかない、とする言説です。

これには人間が観察可能な時間のスパンと、神さまの見渡す時間のスパンの違いが関係します。

すなわち、人間に比べて神さまは非常に長い目でものごとを見、長いスパンで平均勘定を調整しているので、人間の観察範囲では、不均衡に思えるということです。

今世積んだ善悪が、来世に持ち越されることもあるし、身に覚えのない前世の悪事が、今世わが身に難儀をもたらすこともあります。

この話は「いんねんの教理」につながる話です。今回はあまり踏み込まずにおきます。とにかく、天の理合いはいつでも恐ろしいほどに厳然としています。

なお、これまで、「善」や「悪」ということに何度も言及していますが、善悪の判断は神さまがなさることです。
人間社会における善悪は、その時、その社会によって異なります。非常に相対的で流動的なものが人間社会の善悪なので、それとは分ける必要があります。
(では神さま基準で何が善で、何が悪なのか。これについてもまたの機会にいたします。いずれ。)

めいめいに我が身思案は要らんもの
神がそれぞれ見分けするぞや 五-4
これを見ていかな者でも得心せ
善と悪とを分けてみせるで 五-6
『おふでさき』より


さて、少し重い話が続いてしまいました。では私たちが生きるうえで、この話のどこが要点なのか(ポイントだけに)、ということです。

それは、「神が見ている」ことにどれほど自覚的であるか。すなわち、私たち自らの日々の心の行いに、神さまの視点をどれほど持つことができているかということです。

人がなにごと言おうとも 神が見ている気をしずめ
『みかぐらうた』より

100%神さまの思いに従って生きるのは難しいですよね。気ままな心があるからこその人間です。でもそれが0%でもやはり具合が悪い。私たちの日々の歩みが、そのパーセンテージを少しでも上げるものであればと思うのです。

人間に生まれた以上、天の帳面のポイントカードは誰しも持っているのですから。

#エッセイ #毎日投稿 #宗教 #天理教 #ポイントカード #天の帳面 #善と悪 #世界の誰かへ

【ポイント:point】
① 点。地点。箇所。
② 要点。重要な箇所。
③ 得点。点数。
④ 転轍機てんてつき。
⑤ 小数点。コンマ。
⑥ 二つの指数の差違を表す単位。
⑦ トランプの一点札。エース。
⑧ 活字・込め物などの大きさを表す単位。
⑨ 「尖頭器せんとうき」に同じ。
『大辞林』より

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