9.プライオリティ
信仰度★★☆☆☆
【プライオリティ:priority】優先順位。優先順。また、優先権。先取権。『デジタル大辞泉』より
レベル10の屋敷の住人
時々ニュースを賑わす「ゴミ屋敷」
人が見ればゴミとしか思えないような物でも捨てられずに家に溜め込んでしまいます。
いつしか近隣にも衛生的な被害が出て、社会問題化してしまうケースもあるそうです。
厄介なことに、一般に「ゴミ」とされる物でも法律的には居住者の所有物とされるので、外部から介入するのは難しいそうです。
私の友人にも一人「屋敷の住人」がいます。メディアで放送されるレベル100の住人ではありませんが、まぁレベル10くらいの方で、時々片付けの手伝いに行きます。
ゴミが野積みなると、生活に必要なものまでそれらと混ざってしまいます。
結果失くし物が増えます。通帳、印鑑、鍵、重要書類、財布...それらが必要な時にこそ見つからず、その度に諦めて再発行や買い直しをして損をします。
片付けをしても、一体どれが大事で、どれが不要なのか。しまいにはその区別が本人の中でさえつかなくなってしまいます。
なかなか経済的にもお困りなのに、1時間片付けをすればあちこちから小銭が出てきます。それこそ、その日1日は凌げそうな額が出てきます。
その度に「100円玉泣いてますよ〜」「迷子の10円見つかりました〜」と渡していきます。
そんなことをしていると強く感じます。この姿は心の反映なんじゃないかと。
家の状態が示す心の状態
家屋敷がゴミにまみれ、大切な物まで埋もれている状態。
これは彼の心がどこか整理がつかず、ものごとの優先順位がごちゃごちゃになってしまっているメタファーなのでは?そう感じたのでした。
金銭的に四苦八苦しているようで、億劫さからか目の前の小銭をないがしろにして見失う。
節約のために安価で高カロリーを求めて、結果最も大切な身体を痛める。
おおよそこのような状態です。
馬鹿げていると笑いますか?
私たちだって心の整理がつかなければ、場面は違えどきっと同じことをしてしまいます。
私にできること
彼は若くして両親を亡くしました。そして自分自身も社会を上手に渡り歩くには難しいものを持っています。
彼のバックグラウンドは未だ少ししか見えてきていません。少なくとも経済的な困窮や、物が片付けられない性質は、苦しみのトンネルの入り口に過ぎず、苦しみの根っこはもっと奥側にあるのかもしれません。
要するにまだわからないのです。
私に今できているのは、たわいの無い話をしながら、時々一緒に部屋を片付けることくらいです。
-すまんなぁ、までも少しずつやってこうや。
そう心の中で呟きました。
この家が片付く頃に、彼の心の整理も進めばと願います。