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学校説明会に具体例はどこまで必要か?

中3はこれから進路に迷う時期に入ります。
塾で進路相談をさせていただくことも多いこの時期、
「どこかおすすめの学校はありますか?」
と聞かれることも多くあります。

生徒さんの日ごろの様子や本人の希望、
ご家庭の考えや各学校の特色、
そういったものを踏まえながら、
「この学校見てきてごらん」と言いやすい学校はどこか。

言わずもがな、私も知っている学校となるわけですが、
生徒・保護者の皆さんにとっては初耳というケースも多くあります。
そんな時に、学校説明会で具体例を聞いていると生徒・保護者の皆さんにも具体的な例を示せるので、お勧めしやすいと感じます。
「こんな先輩もいたみたいだよ」と、その子と似たようなイメージの子を例に出すことで、親近感を持ってもらえるようになり、その高校に入ったらどんな生活が待っているのかがイメージできる。
そうすると「ちょっと行ってみようか」となるケースも多いなあと感じます。

塾対象も含めた学校説明会では「具体例」を出して説明することが大切なのかなとも思います。
どんな生徒さんが入学して、どんな学びをして、どのように成長をしていったのか、
そのストーリーを見聞きすることで、具体的なイメージを作ることができる。
自分がこの高校に入ったら、もしうちの塾の生徒がここに来たら…
そういうイメージを持ってもらえると、入学への希望やおすすめの候補には上がってきやすいのではないかなと思います。

一方で具体例が足かせになる場合もあるかなと思います。
頑張って成績を上げたなどの例の場合、
中には「自分には無理」と思ってしまう人もいます。
以前であれば、「そんな先輩もいたなら、自分も頑張って上を目指すぞ!」という気概のある中学生も多くいたように思いますが、
最近の中学生を見ていて思うのは、向上心はあるけれど”無理”ができないという生徒さんが多いということ。
頑張りの極端な例を出すと、「無理をしてまでやりたくない」「自分やうちの子には難しいかも」となり、
足かせになる可能性もあるかなと思います。

私も塾でよく卒業生たちの話をします。
これからの高校受験、だれもが初めての体験です。
それを先輩たちはどう乗り越えていったのか、そういった具体例を出すことで、迷い悩んでいた受験生たちの表情がパッと明るく変わるときがあります。
これは学校説明会などから帰ってきた生徒さんたちにもみられる表情で、聞いてみると、やはり具体的なイメージを描けていることが多いように感じます。

これから当地区では入試ファーストなどの進学相談会があります。
例年そのあとに簡単な面談を行っているのですが、
その時に「どの学校が印象に残った?」と聞くと、
やはり高校入学後のイメージをつかむことができた学校が多いように思います。

各学校には在籍する生徒の分だけ”物語”があるかと思います。
その物語の一部を受験生やその保護者の皆さんに、
そして塾対象説明会の場で、私たち塾の関係者にもおすそ分けをしていただけたら、とても嬉しく思います。

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根岸孝之
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