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Chiamami col tuo nome (1)
今日からChiamami col tuo nome / André Aciman (traduzione di Valeria Bastia, Guanda, 2018, 271ページ)を読みます。今日は40ページまで。
この本が原作になった映画は見ているので、どうしても読みながら演じた俳優さんや背景が頭に浮かんでしまいます。私の今のイタリア語力・読解力では意味が判らないはずのところも、映画を見ているおかげで、自分の能力の足りなさにも気づかすに読み進めているような気も・・・。
小説の舞台は、イタリアの「B」という海の近くの街(どこだろう?)。主人公のElio一家が夏を過ごす家のすぐ下には海があるみたい。Elioのお父さんは大学教授で、毎年夏に学生の助手を受け入れてお父さんの研究の下働きをさせています。
Elioの17歳の夏にやってきたのはOliverというユダヤ人の24歳の青年。Elio一家もユダヤ人なのですが、ユダヤ人の学生を受け入れるのは初めてだし、ましてこの家にElioの家族以外のユダヤ人が足を踏み入れることもそれまでありませんでした。Oliverの行動には自分の出自に対する隠さなきゃという感情や恥ずかしさは全くありません。一方、カトリックの国でユダヤ人として生きることの複雑な胸の内がElioからは語られました。
In paese cercavo di ostentare le mie origine ebraiche con la silenziosa boria che nasce più dalla vergogna repressa che dall'arroganza.
映画の冒頭でもOliverの六芒星のネックレスにElioが気づくシーンがあるけれど、そこにこんな意味が込められていたとは気づかなかったなぁ。
あと、映画では出会った当初、ElioはOliverに対して「不遜な人」という印象を持っていたように見えたのですが、小説では初っ端からElioのOliverに対する恋愛感情が溢れています。Oliverが滞在するのは6週間とタイムリミットもあるし、気持ちも伝えられないし、でも気持ちはバレてそうだし・・・とめっちゃ切ない冒頭の40ページでした。