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In altre parole (1)

Jhumpa LahiriのIn altre parole(Guanda, 168ページ)を読みました。

著者のジュンパ・ラヒリにとってイタリア語は生活に必要な言葉でも仕事に必要な言葉でもないのに恋をするかのようにのめりこみ、ローマに移住しイタリア語での創作活動を始める日々を綴ったエッセイ集。

彼女のイタリア語と格闘する日々を読んでいて自分も似たような道を通ってきたなと思い出しました。分からない単語をメモ帳に集めていき、イタリア語で日記を書き、前置詞の使い方、半過去と近過去の使い分けに苦闘し(私も今でもよくわかっていなくて、こういう類の文法問題が苦手です)、イタリア語で書いた作文は語学教師から文法や言葉の選択の違いをたくさん指摘されて。

イタリア語は母語ではなく、生まれてきた時からずっと身近にあった言語ではないから、どんなに語彙が増えてもイタリア語で書くときにチグハグさを取り除けないのは、私も常に感じているところ。彼女はそれをファッションコーディネートに例えて、「エレガントな時代遅れのマキシ丈のスカートに、スポーティなトップス、麦わら帽子、スリッパを合わせているようなもの」と表現しています。これは、多少謙遜が入った表現だとは思うけれど。

Ho ormai un vocabolario ampio, ma rimane qualcosa di strampalato. Mi sento vestita in modo strambo, come se portassi una lunga gonna elegante di un'altra epoca, una maglietta sportiva, un cappello di paglia e un paio di ciabatte.

Jhumpa Lahiri, In altre parole, Guanda, 2016, 131

ローマに移住する半年前から英語での読書を一切やめて(エッセイの後半ではさらに、3年間イタリア語でしか読書をしなかったと書いてあり)、もう英語での創作はせずイタリア語のみで創作したいとまで思って、とにかくイタリア語への向き合い方がストイック。最近ゆるーく読書くらいでしかイタリア語に触れていない私には、もう一度ガッツリとイタリア語の勉強に専念しようかなと思わせてくれる本でした。


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