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ベトナム料理への愛
私はベトナム料理が大好きだ。初めて食べたのは高校時代、ベトナム系オーストラリア人の友人のホームパーティーにて。揚げ春巻き、下味のついた豚肉や手羽先のグリル、人参と大根のベトナムなますなどが山盛りに置かれていた。こんなに大量の料理を自宅のキッチンで作るなんて、と驚いた。友人のお母さんや親戚のおばさんたちがどんどん作って出してくれた料理の数々。「遠慮しちゃダメよ!たくさん食べなさい!」と。どれもとても美味しかったし、友人やその暖かい家族のおもてなしに感動した。
オーストラリアはベトナム戦争の後、多数のボート難民を受け入れてきた。そのためシドニーやメルボルンにはかなり大規模なベトナム人コミュニティがある。彼らは数ある移民グループの中でも、オーストラリアの社会に溶け込み、貢献し、受け入れられているグループだ。特にベトナム料理の人気は高く、地元民からも愛されている。ヘルシーでお値段も良心的なベトナム料理は都市部で暮らす多くの人々が親しみを持って手軽に食べる食事の一つといっても過言じゃない。
私が暮らしていた都市にも、ベトナム人街と呼ばれるエリアがいくつかあり、本格的な料理を提供するレストランや食材店、そして市場もあり、いつも活気で溢れていた。そこにいる8割がアジア系で、オーストラリアにいるのに、まるでベトナム!(行ったことないけど)。少なくとも私が暮らしていた2009年までは、そんな感じのベトナム人街が存在していた。
私には仲良しのベトナム系オーストラリア人のグループがいて、彼らの家どころか、その実家や兄弟姉妹の家でのホームパーティなどにまで招かれることが度々あった。だから、ベトナム生まれのお母さんたちが作る家庭料理の数々を長期に渡りご馳走になってきたし、ベトナム人が本当に美味しい!と通うレストランにも通ってきた。そんなこともあり、私はベトナムに行ったことがないにも関わらず、ベトナム料理にはちょっとうるさい。
日本に帰国して何が恋しいって、美味しいベトナム料理が食べられないことだった。人気店と呼ばれる都内のおしゃれなベトナム料理レストランにも何度か行ったが、全く美味しいと思わなかった。。。これはまあベトナム料理に限らず、都内の東南アジア料理レストラン全般的な話だが、かなり落胆した覚えがある。もちろん当時から探せば美味しいお店はあったけど、近所には存在しなかったし、決して手軽に食べられる料理ではなかった。
嬉しいことに、近年はかなり本格的で美味しいベトナム料理を提供するレストランが増えてきた!昔はフォーと生春巻きばっかりフォーカスされていたのに、最近はバインミーの美味しいお店や、私が大好きなフーティウ、ブンボーフエなども確実に知られてきて本当に嬉しい!
だから、ここで満足すればいいのに、なんだかんだ、やっぱり自分でも作りたくなってしまう凝り性が顔を出す。もちろん今までも、比較的簡単なベトナム料理は作ってきた。ベトナム風に味付けしたお肉料理、揚げ春巻き、生春巻き、ベトナムなます、バインセオなどは日本で入手できる食材で作れた。でも、数年前からどうしても麺類を自分で作りたくなってきてしまった。ベトナム麺料理のあのスープのコクは自分では出せないだろうと、作ることを長年躊躇していた私だが、外食を控えていたコロナ禍最中のある日、無性にフォーが食べたくなった。。。
次回、ベトナム麺料理への挑戦、に続く。。。