股関節が硬い時は背骨も動かそう
前回の記事は、感覚的な側面からの柔軟性をお伝えしましたが、今回は純粋な身体の硬さに関してお伝えしていきます。
股関節が硬い人は要チェックです。(私もとても硬いです・・・)
股関節は関節の形状では、球関節という種類に分類されています。この球関節は名前の通り「球」の形で関節面を形成しており、多平面にわたって大きな自由度を持つことが特徴です。
とはいっても、股関節にも限界はあります。実際、股関節の純粋な屈曲可動域は約90度程度であり、それ以上の動きは腰椎の動きを伴います。(外旋と外転を加えると、軸回旋が生じますので、もっと動きます)
このように、人間の体は「単関節の動きを隣接関節で分散し、協調的に動いている」という特徴を持ちます。
これは、「肩甲上腕リズム」「腰椎骨盤リズム」といった人間の運動特性で表されます。
背骨(以下:脊柱)が動かないとどうなるか。
基本的に、人間は身体を動かすときは「安全性」を最優先します。股関節のみの可動では負荷が股関節に集中するため、脊柱も動かします。
このとき、脊柱が動かないとどうなるでしょうか。股関節に負荷が集中します。そうすると、股関節の筋緊張を高くして股関節を守ろうとします(ここは人間の意志とは関係なく、メカノレセプターという受容器からの反応で生じます)。それが余計な硬さを作ってしまうわけです。
ここからは実践してみましょう。ハムストリングスの柔軟性でチェックしていきます。
①テスト
このような長座体前屈でハムストリングスの柔軟性をチェックします。
②エクササイズ
しっかり脊柱を動かしたあと、再度①の長座体前屈をしてみてください。先ほどよりも動かしやすいと思います。
これが、関節の安全性が確保された状態でのハムストリングスの柔軟性です。この状態からストレッチを開始した方が、効率的かと思います。
ウォーミングアップも、脊柱から動かしていくことが非常に重要では無いかと考えています。
脊柱の硬さがあることで余計な筋緊張が生まれやすいため、あくまでもその余剰分を取り除くための方法です。ハムストリングスが硬いならば、この脊柱の運動にハムストリングスのストレッチを追加する必要はあります。
ぜひ試してみてください。