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メイ英首相の辞任でハードブレグジットは加速するか?

※こちらはオンラインセミナー「マネトレ」の講演内容をベースにしています。

欧州議会選挙でEU懐疑派が躍進!今後ユーロ相場に影響は?

5月26日に投票が終了した欧州議会選挙ですが、これまでEUを主導してきた中道右派・左派の2大会派は退潮が鮮明となる反面、確かにEU懐疑派は勢力を伸ばしています。

しかし、親EU派であるリベラル派や環境保護を訴える緑の党も大きく躍進しているため、親EU派全体では踏みとどまり、総議席の3分の2を確保しました。

EU懐疑派は議席こそ増やしたものの、事前予想ほど伸びなかった事もあり、今時点ではそこまで大きな影響はないと見ています。

ただ、全体で三分の一を占めると発言権が強まると言われており、このあたりが焦点になるかもしれません。

なお、投票率は51%と過去20年で最高水準にも関わらず、EU懐疑派が伸び悩んだ背景としては、ポピュリズム政党に対する一定の警戒感が有権者の間で強まった事の表れと判断出来ます。

これはユーロ相場にとってポジティブな材料と言えるでしょう。

反面、南欧財政不安の再燃のほか、要職ポストを巡る争いという、ネガティブ材料も揃っています。

10月には欧州委員会の委員長が、そして11月にはEU大統領がそれぞれ任期満了を迎えますが、これらのポストとECB総裁という3主要人事は、EU域内の異なる国の出身者で分担される慣例があります。

ポストを誰が手に入れるかが今後の金融政策運営等にも影響してくる事から、人選が難航する事が予測されます。

ユーロ相場が大きく動く可能性もあるため、留意が必要でしょう。

メイ首相の辞任でブレグジットは合意なき離脱の可能性が高まる?

7月末頃までに保守党の党首選が行われ、次のリーダーが選出される予定です。

知名度の高いジョンソン氏が最有力候補と目されていますが、議員投票を勝ち抜けるかが焦点となるでしょう。

保守党の党首選は2段階で行われますが、まず下院議員の繰り返し投票で最下位が脱落していく形で候補者を2人に絞り、その後に全国の党員による決選投票で最終的に決定します。

そのため下院議員の人気度がカギとなります。

ジョンソン氏は「合意なき離脱」を辞さない構えを示している事から、彼の首相就任が確実視されれば、大きく混乱することが予測されます。

なお、5月28日時点で11名が立候補しており、ジョンソン氏を含む5名がハードブレグジット派です。

ハードブレグジット派のメンバーが首相に就任すればポンドは売られ、ソフトブレグジット派のメンバーが就任すればポンドは買われやすくなるでしょう。

10月末の離脱期限前に英国とEUが何らかの形で衝突する展開が予想されますが、現時点においては10月末の離脱期限は再延期される公算が大きいのではないでしょうか。

引き続きブレグジット関連のニュースは目を配っておきたいところです。

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