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多摩地名の由来 檜原街道

 檜原街道は正確には東京都道206号、東京都道33号の一部、奥多摩周遊道路と接続する檜原村数馬から、JR武蔵五日市駅前の一つ東側、秋川街道と合流する「東町」交差点までを指します。
 日本各地には「檜」のつく地名が多くありますが、これは代表的な植林樹木であるヒノキにちなむもので、檜原もまた山村特有の地名といえます。その檜原で採れるスギやヒノキを運んだ街道が檜原街道。律令のころから武蔵から甲斐へ抜ける重要な交通路とされ、江戸時代には五日ごとに材木の市がたち、街道沿いには炭問屋が並んだと言われています。これこそが五日市の名前の由来であり、8月最終土曜日に開かれるお祭り「ヨルイチ」のメイン会場にあたります。
 現在は道が整備されており青梅方面、上野原方面との行き来も難しくはありませんが、それでも奥多摩周遊道路や、上野原からの33号線は冬季凍結による通行止めになることも。先人たちの「国越え」の労苦がしのばれます。
(『よみうりSunTAMArea』2013年8月号)

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