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5mmの事など・・昔聴いてた音楽(5)

10代の頃聴いていた音楽・・先ずはビートルズ(5)

アルバム毎に好きな曲、思い出深い曲をあげていきます。
音楽用語など専門的な表現にならざるを得ない部分、ご了承下さい。

・The Beatles(The White Albun)

ジャケットのせいもあるかもだけど、全体的にモノトーンでザラっとしたイメージのアルバム。ビートルズ的にはメンバー間が1番まとまっていない頃のアルバムのようですが、最もロックバンドっぽい音のアルバムかも知れません。雑多に放り込まれた曲ばかりの、ビートルズとしてはどこか投げやりなアルバム。殴り書きの墨絵(?)みたいな感触。以前のような、メンバー4人で1つの目標に向かっている様な感じでは無くメンバーそれぞれが好き勝手に曲をレコーディングし、ジョージマーティンやスタッフ達が振り回されている感じ。そんな異色のアルバムですが、内容は素晴らしいのです。S.G.T~辺りから漂っていたどこか不気味な空気が全体にあり、それが決して作為的でないところが個人的に好きなのです。

・Dear Prudence

やはりジョンの曲は「これぞビートルズ!」と言う感じです。
Lucy in the sky with diamond辺りから増えてきたジョンの“低音下降ソング”(他にはCry baby cryなど)。意味ありげです。歌詞は極めてシンプルなのにすごく意味ありげ。ジョージのE.Gは非常にストレートに残響少なく1968年頃の雰囲気の音。ポールのBassは恐らくだけど、前半~中盤は指弾きで、後半の盛り上がるところ(ドラムが暴れるところ)ではピック弾きになっています。このアルバムは全体的に各楽器の音が近い、と言うかエコー成分が少なく感じるところもまたザラ付いた感触の原因(デモテープっぽい)かも知れません。ドラムの音もすごく近い。ハイハットが耳の横でなってるみたい。スネアもスナッピーがしっかり混ざった音、ギターもアンプのスピーカーに耳をくっつけて聴いてるかの様な音。時代の音、と言う事なのでしょうか?

・Glass Onion

ラジオのビートルズ特集で初めて聴いたのですが、その時から惹きつけられた曲です。When I Get Home辺りに共通するジョン独特のコード進行が素晴らしいです。難しい和音は一切使っていないけどその組み合わせが絶妙。ポールのBassにしても理論的なものに縛られていると出てこない自由さがいいですね。(ビートルズ全般そうですが)
Bassは以前のアルバムでは聴けなかったようなトレブリーな音(このアルバム全体、Bassはこの音)は、ジャズベっぽいけどどうなんでしょう。
そしてなんと言ってもジョージマーティンによる弦。これまたロックなストリングスです。7th(♭9)コードが上下するエンディングが不気味でたまりません。

・Happiness Is A Warm Gun

ビートルズの中でも最も好きな部類の曲です。ロック的な演奏にはブルースフィーリングが必要だと言われますが、自分にはどうも3コードや12小節や所謂ブルースの常套フレーズなどと言うものには一切ピンと来なかったのですが、この曲を聴いた時「これか!」と思いました。タイトルは非常に意味深で怖いですが、英語がわからない自分にとってはそれが幸いして、歌を含む“音”に集中できたのでしょうか?3分にも満たない曲ですが、組曲的な構成が凄いです。大変影響を受けました。終盤の、3拍子なのにドラムは強引に4拍子のままなのも凄いですね。しかし、ジョンはどう言う経路でこの曲に辿り着いたのでしょうか?終盤はジョンの好きなアメリカンポップスだし、他の部分も突拍子もないものではないけど何故ここでこうなる?的な自由さ。凄いです。

・Martha My Dear

ポールの真骨頂のひとつですね。ディープなジョンと好対照です。イントロ~Aメロのピアノ、シンプルだけどなかなか思いつくものでは無いですね。これもジョン同様の自由さです。し、ひたすらオシャレです。明るい日差しが差し込んで来ます。その日差しの下でポールの愛犬マーサが日向ぼっこしている感じ。このアルバムは全体的にモノトーンだと最初に言いましたがポールの曲の時にはややカラフルになりますね。

・Blackbird

このギターが弾けたらかっこいいな、と10代の頃考えてトライしたら意外にあっさり弾けてしまい、すっかりその気になってしまう(どの気?)、若者を悪い道にどんどん誘い込む悪い曲です。・・勿論冗談ですが。それだけ、音だけ聞くと何やら難しそうに聞こえるのに、実際はそうでも無い(勿論、弾くだけなら、ですが)ビートルズにはそんな曲も多いのですが、この曲はその代表格かも知れません。ギターと歌のみで曲が成立し、他には基本的に何もいらない。ジョンは3フィンガー奏法をしっかり身につけた様ですが、ポールは自己流の2フィンガーで、よりシンプルに弾きやすく、しかもカッコよくしてしまっています。

・Julia

こちらはジョンの3フィンガーによる優しい優しいバラード。これもラジオで初めて聴きましたが、最初から大好きになった曲です。2capoのCポジション(Key D)1弦のA音をキープして、コードが変わるたびにそのA音の表情が変わる。”Julia seashell eyes windy smil,calls me”(D-Bm7-Am7-Am9-B7-Gm9-Gm7)この部分、めちゃくちゃ美しいですね。シンプルだけどとても芳醇な曲です。

・Mother Nature`s Son

ビートルズ後期のポールは、ベースラインはI(1)でコードがIとIV(4)を行ったり来たりする部分を持つタイプの曲で、良い曲をたくさん作っているのだけど、この曲もそのひとつ。
ベーシストだからなのかどうかはわからないけど。ひょっとしたらインド音楽の影響かも知れないですね。ジョンやジョージは割とその影響をストレートにインドっぽく又はサイケに出してますが、ポールは単に音楽の手法として多用する様になった、のかもです。この曲は特にスキャット部分はベースがDのまま美しくドラマチックに展開しています。
管楽器がとても効果的で、広ーい草原に沈む夕陽、そんな風景を思い浮かべてしまいます。最後のコードが7thなのは、次の曲に続く感じを出しているのか、それともチラリとバンドのメンバー間不和を表しているのか、それとも単にこのコードを使いたかっただけなのか?

・Everbody`s Got Something To Hide Except Me And My Monkey

ジョンの「賑やかソング」にハズレなしですね。文句無しに惹きつけられる。
とてもシンプルで、楽しい曲です。歌詞の言葉も少なく英語がわからない自分でもタイトルの意味さえわかれば(Exceptさえわかれば)理解できる明快なものです。この曲をライブで聴きたかった。そう言えば、ビートルズ後期からソロ期にかけてジョンの歌詞はどんどんシンプルになっていきますね。言葉少なければ、聴いている方が「何か意味があるのでは?」と考えてしまうのでしょう。ジョンの曲はそう言う、カリスマとも言える魅力と言うか性格と言うか、があります。この曲はポールのベースも良いですね。ミュートの効いた音で、所謂黒人ベーシスト的なノリの良さとは全く違い、どこかユーモラスでもあるのだけど、ウキウキしてきます。エンディング前のL.Rに振られたベース、素晴らしくカッコいいです。

・Sexy Sadie

ショートディレイのかかったピアノは解散後のジョンの曲でちょくちょく聴けますね。I(1)のトニックコードが鳴ったらすぐに半音下に逃げる、常に安定しません。他のコードでは割とノーマルな動きなのにIの時だけすぐに半音下がって次へと急ぐ。これはこの曲のモデルになった人へのジョンが持つ疑惑を表してるのでしょうか。まあ、歌詞を理解していない若い頃の自分には単にそのコードの面白さで気に入った曲ではあります。リンゴの“タカタカッ”と言うスネアのフィルや時たま入る4拍目の“バシッ”(キックとハイハットの)がなんだか病みつきになります。

・Helter Skelter

「とにかくうるさいのをやろう!」という事で作った曲らしいですね。ビートルズ後期のポールはボーカルが絶好調で自由自在な感じ。この曲にしてもボーカルのスタイルのおかげでラウドさが決定的になっていると思います。演奏は賑やかですが、恐らくだけど、録音物は、スタジオでの馬鹿騒ぎが再現されているのかどうか微妙なのでは?と思います。
この曲がヘヴィメタルの元祖なのかどうかはわからないですが、個人的にはHRやHMに対する抵抗感を和らげてくれた曲ではあります。確かに、ビートルズはいろんなジャンルの音楽への道標みたいなところもありますね。自分の場合、ロック的では無い音楽を耳にした時「あ、このコードの使い方がビートルズっぽい」・・の様にいろんな音楽にビートルズ的な部分を見つけてそこに入っていっていました。この曲、間奏のギターが目の前耳元で弾いているかの様なミックス、ユニークです。

・Good Night

「ホワイトアルバム」と言うドタバタ映画の最後、エンドロールで流れる穏やかな曲。そんな感じがします。ジョージマーティンによる豪華なオーケストレーション、素晴らしいです。ジョンの曲ですが、本当に美しい曲。そしてリードボーカルがリンゴ、と言うのも丁度良いですね。シンガーとしては限りなく“リスナー目線”のリンゴの声がこの曲の温かさ、親しみやすさにぴったりはまっています。オーケストラ含め、いろんな意味で超贅沢な曲。素晴らしいエンドロールです。

・・10代の頃聴いていた音楽・・まずはビートルズ(6)に続く

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