忘れられないホテル:奈良ホテル (Nara / Japan)
クラシックホテル好き、という方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?私もそのひとり。そもそも建築好きというのもありますが、特に歴史を感じる建築物って、何とも言えない、抗い難い魅力がありますよね。
国内にあるクラシックホテルのうち、宿泊したことのある数少ないひとつが奈良ホテル。平城遷都1300年の記念行事で奈良が大変なことになっていた時期に、両親と1泊だけ奮発して泊ったことがあるのです。
1909年(明治42年)のオープン当時、『関西の迎賓館』と呼ばれていたことが納得できる立派な建物は、クラシックでありながらとても優美。歴史あるホテルにありがちな‟妙な圧”は感じられず、良い意味で重厚さを感じさせない雰囲気だったことを覚えています。
この何ともエレガントな本館は、東京駅や日本銀行本店を手掛けた建築家の作品だと聞き、更に納得する感じ。隣接している奈良公園とも素晴らしい一体感を持つ建物は内装ももちろん素晴らしく、本館に入ってすぐの吹抜けは圧巻(約9メートルの高さ)。目を引く独特の天井の造りなど、ロビーの美しいインテリアは‟桃山風”と言うそうです。豪奢な、という言葉がぴったりの、あの感じ。
大正時代の暖炉など、あちらこちらに歴史のある調度品があり、クラシックな香り漂うホテル。私たちが泊った部屋は、伝統的な和洋折衷のインテリアがまさにTRIPを誘うものでした。
代々の皇族方を筆頭に、チャーリー・チャップリンやヘレン・ケラー、オードリー・ヘプバーンなど、世界中の名だたる著名人が宿泊し、絶賛したというコチラ。日本が世界に誇れるホテルのひとつに間違いないと思います。
新館もありますが、おとな女子におススメするのは絶対的に本館!創業当時の雰囲気がそのまま残されています。非日常感とタイムスリップ感を、十分に満喫できるステイになりますよ。
宿泊時は、両親の希望でディナーは和食のフルコースを頂きましたが、お料理も全て素晴らしかった記憶しかありません。何故か写真が1枚も見つからない…?どこに保存したのやら。
もちろん、日本クラシックホテルの会会員でもある奈良ホテル。久しく訪れておりませんが、奈良もオーバーツーリズムの余波を受けているのでしょうか?京都だけじゃなく、むしろインバウンドで混みあっている京都を避けて、ピンポイントで奈良を目指すのが良いのかもしれません。忘れられないホテルであり、もう一度泊まりたいホテルでもあります。