【おとな女子旅】ちょこっと倉敷
両親共に代々が関東圏内の家系、自身もずっと関東在住という身だと、西日本、特に山陽山陰エリアはあまり身近じゃないところのひとつじゃないでしょうか?私自身、50余年の人生で一度しか訪れたことがなく(出雲大社あたり)。今年の夏以降、岡山に関するご縁がダダダっと続いたことに便乗し、ちょこっと倉敷へ行ってみました。【ちょこっと旅】なので、倉敷美観地区ピンポイント。ここだけに2日掛けることで、ゆったりたっぷり楽しめました。
午前中に現地入りがベター
新幹線でも飛行機でも、11時台に美観地区へ着くようなタイムスケジュールが◎でしょう。12時前にはランチ処に入れる感じで。都内から行く場合、全体の移動時間+移動に伴う体力消費も考えると、50代以上のおとな女子には、やっぱり新幹線が楽かな~?搭乗までの所要時間やら空港から街中までのアクセスを考えると、トントンじゃないでしょうか。ということで、新幹線でいざ。
歩いて土地勘(街感)を掴む
ホテルに荷物を預けたら、まずは街歩きへ。倉敷美観地区は、江戸時代の白壁の街並みに赤レンガの工場跡、そこにネオ・ルネサンス様式の洋風建築も加わっていて、和洋文化が混ざり合ったクラシカルな町。そんなに大きな町ではないので、普段歩き慣れていない人でも十分歩けると思います(ただし、靴選びは大事!毎回言っていますが)。主な見所は、倉敷川沿いと本町通り沿いに集中しています。まずはぐるっと歩いて、街の様子を掴んでみるべし。ついでにランチ処の場所チェックもね。
まずは名物を食す
ランチにきびそばを食べてみました。倉敷川に面した通りの一本裏手にある冨來屋本舗は、地元産のタカキビ(吉備団子の原料)で作ったオリジナル麺が人気とのこと。関東甲信越は蕎麦文化ですが、蕎麦粉以外のソバは初めてかも?これまたせっかくなので、ままかり寿司3貫とお惣菜が付いた御膳をオーダー。
赤色のきびそばは、見かけはソバですが、もちもちっとした食感はうどんに近いかも?ちょっと甘めのそばつゆに良く合います。ままかり寿司は、想像通りの味(酢で〆た魚ですから)。もちろん 地ビールも頂きました。シャンパングラスが付いてきて、ビールをフルートグラスで飲むのも初でした!ビールはね、普通のグラスの方が美味しいと思いますよ~。いわゆるコップで十分!この場で冨來屋さんにお伝えしておきます!
センスの良い品が見つかる
このエリアのランドマークとなっている『林源十郎商店』は、“豊かな暮らし”をテーマにした複合施設で、敷地内に衣・食・住のハイセンスなセレクトショップが10店以上集まっているユニークな場所。どのお店もお洒落です。
本町通り沿いにある木造3階建ての本館は、江戸時代から続く薬種問屋をそのまま活かしているそう。本館の店内は撮影NGなのですが、3Fのカフェから続く屋上デッキはOKとのこと。こちらからは、美観地区が一望できます。白壁の蔵がずらりと並ぶ様子が良く見えますよ。
本館2Fにある記念室も、ぜひじっくり見るべき。こちらは林源十郎商店の歴史館とも言え、壁一面にある薬箪笥は、江戸時代からのもの。時代劇のセット小物じゃないんですよ。ホンモノ。なんとこちらは撮影OKなんですよ。薬種問屋から始まって、林家の倉敷への尽力は大変大きかったことが良く解ります。ペリー来航時のスケッチや、ペリー総督の似顔絵もあります。
3Fにある三宅商店は、地元倉敷や岡山県産の食品雑貨のセレクトショップ。見た目もお洒落な新しい倉敷(岡山)土産が、ズラリと並んでいます。マスキングテープも厳選されたデザインのモノばかり(倉敷はマスキングテープ発祥の地)。何かしら欲しい品が見つかり、ついつい買っちゃうと思うので危険なお店かも。私は倉敷産の果物を使った板チョコレート全種類、大人買いしてしまいました。どのフレーバーも美味しそうで、選べなかったから仕方なし。
倉敷のギリシャ神殿?
レトロな街並みに突然現れるギリシャ神殿風の大原美術館は、この町のシンボルでしょう。驚くほど、世界的巨匠の絵画や彫刻のオンパレードです。言葉が悪いかもしれませんが、地方の私設美術館であるというのに、ちょっとした公立の美術館よりもスゴイ所蔵品数!しかも有名処ばかり!いやいや、モネの睡蓮にエル・グレコの受胎告知が倉敷にあるって、本当にスゴイこと!入口から、ロダンの彫刻がお出迎えしてくれますからね!
個人的に一番興味を惹かれたのは、パリなどで絵画を買い付けた際の手書きの売買成約書(兼領収書)。値段がちゃんと記載されていて、こういう資料も貴重でしょう。
ここまで大規模な私設美術館は珍しいのでは?当時の大原さんの財力がどれほどだったのか。倉敷の発展にどれほど貢献したことか。日本史の教科書では掘り下げられていない偉人は日本各地に沢山いるのだろうなーと、そういう思いも湧いてくるのでは。
フルーツ王国に来たからには!
岡山と言えば果物、特に桃とマスカットは食べ忘れてはいけない品だと、ツーリズムEXPOで出会った岡山県観光課の方から聞いていたので、倉敷で食べる品リストに入れていました。いろいろなお店で旬の果物を使ったパフェを出していますが、今回は美観地区で5店舗展開しているくらしき桃子へ。
シャインマスカットのパフェをオーダー(2970円)。こんなに多くのシャインマスカットを、一度に食べるのは初かも?中のジェラートもシャインマスカットを使用したモノ。食べ応え十分です。
パフェは美味しいし、場所も良いのですが(倉敷川沿いの店舗)、そこそこ高額な品が多いのに対し、キャッシュオンリーというのは頂けないかも。コーヒーなどドリンクをプラスすれば、3000円は超しますから。クレジットカードか電子マネーか、どちらか1つでも良いので、キャッシュレス決済は導入すべき。このご時世、普段から多額の現金を持ち歩かない人が多くなってきていますよね?実際に、会計の際に困惑しているお客さんが結構いましたよ。海外からの観光客の方も。食品を扱うお店だからこそ、衛生面でもキャッシュレスを導入すべきだと思います。レジ係と、作ってサーブする人が一緒でしたから。ビニール手袋を付けていれば良いって訳じゃぁない。
ということで、くらしき桃子の美味しいパフェを食べたいと思う方は、現金多めに持って行かないとダメです。
蔦が絡まる工場跡は映えスポット
明治時代に紡績業が発展した倉敷。倉敷紡績所の本社工場を再開発したのが倉敷アイビースクエアです。当時の工場跡地を上手く活かした赤レンガが印象的な複合施設。広い敷地内に、ホテル、レストラン、記念館、ショップ、イベントスペースなどが集まっています。敷地内をブラブラしても楽しめます。
川舟流しで揺られてみる
倉敷名物のひとつでもある川舟流し。せっかく倉敷来たからにはと、こちらもマストリストに入れておいたもの。ただ、初日は曇天で、午後から雨予報となっていたのもあって、2日目の朝イチに乗り込もうと。一応、前日のうちに観光案内所で諸々確認しておいて良かった!
チケットは予約が出来ず、当日販売のみ。しかも、午前9時から当日分の全ての出発時間のチケットを、先着順で販売するとのこと。1艘の定員は6名なので、日によっては直ぐ売り切れてしまうこともあるのだとか。
ということで、2日目は朝8時半に行ってみたら、一番乗り(笑)。でも、5分後くらいには、30人ほど後ろに並んでいましたので。待ち時間中、川向いには準備中の船頭さん達の姿が。昨晩はかなり降ったので、船の中から水を掻き出していました。大丈夫かな、とちょっと思ったり。
予定通り、一番最初の船の1番乗りをGET!すげ笠を貸してくれます。昔ながらの手漕ぎ舟に乗り込んで、約20分のアクティビティです。船頭さんの歴史解説を聞きながら しばしゆったり気分。低い目線から眺める風景は、昨日歩いてみた世界とは、また別モノ。川面に柳に白壁と、風情がありますね~。天気が良い日は実に気持ちが良いので、おススメです。
おまけに、チケット売り場のある観光案内所の2Fは、無料休憩所になっています。自販機があるだけですが、あまり知られていないのか、ガラ空き。船乗り場の反対側にあるので、窓際の席に座れば眺めは抜群です。こちらの御手洗いもキレイです。
人力車で疾走
こちらも初日にお声掛け頂いたのですが、せっかく乗るなら天気の良い明日がイイなと、ゆる~く予約を入れておいてもらいました(川舟流しの朝イチのチケットが取れる確定が無かったので)。ちょうど船から降りる時間にスタンバイしてくれていて、時間制限のあるちょこっとTRIPPERには有難い。
初めての人力車体験、スピードが速くてビックリ!こんなに速いとは!俥夫さんは立派なアスリートですねー!今度は徒歩よりも目線が高いので、町並みが俯瞰で良く見渡せます。特に、私のように身長が低めの方ほど、普段は見ることが出来ない高い目線からの世界が見えるので、おススメしたい!いやはや、人力車というものは、海外からの観光客が楽しむモノだと思っていましたが、撤回します!
何より、俥夫の皆さんは観光ガイドとしてもプロフェッショナル。ガイドブック等には記載されていない歴史など、詳しく解説してくれるのは◎。倉敷についてのページって、私が見たガイドブック中にホンの数ページしか無かったですから。
倉敷は海だったって ご存じでした?遠浅の海に島が点在していた場所で、江戸時代から干拓で埋め立てられて今の姿になったそう。そして、倉敷にはお城が無いということも、俥夫さんの話で初めて気づいたこと。だから、城下町ではないんですね。江戸幕府の直轄地:天領だったので、代官所があった町なんですね。
人力車のコースは、時間と人数によっていろいろ選べます。私は、メインの観光地から少し離れた東町エリアも回ってもらえる30分コースをお願いしました。地元の方が生活する町屋の景色も見ることが出来て良かったです。
隠れ家グルメで舌鼓
1泊2日の限られた食事回数で、何を食べるかは事前に念入りに考えないとダメ。五十路後半の胃袋は、かなり小さくなってきている上、消化力も相当弱まっているのでね。おとな女子旅、旅先の食事処は、厳選して選ぶ必要があるのです。
今回、地元名物からきびそば+ままかり寿司、もうひとつは地元の食通で話題のお店にしようと思ってリサーチしたところ、ビビビっと来たのがコチラ。築100年の古民家を再生した美観地区で初のイノベーティブ・フュージョン料理で、今年7月に再オープンしたばかり。瀬戸内の素材を活かしたコースのみ、ランチは12時着席で一斉スタート、などなど、興味深い点が沢山あったもので。
しかし、入り口が分からない!Google Mapはココだと言ってるのだけれど?でも看板が出てるので、おとな1人が通れるほどの細い通路(“ひさやい”と言うそう)を進んでいってみると…。突然、空間が開けた!町屋造りは面白い構造ですよね~。
『陰翳礼賛』をコンセプトに、古民家をリノベーションした店内は、窓からの自然光を第一にした“明る過ぎない”ちょうど良さ。そのお陰か、時代も国籍も曖昧な、なんとも不思議な空間になっています。テーブルフラワーなどのちょっとしたインテリアの設えも、お洒落。
初めて&ひとりなので、ランチA:Hermēsを予約していきました。ヘルメスは、ギリシャ神話に出てくる旅人の守護神ですね。おとな女子旅のひとりグルメには、ぴったりじゃないですか?
ワインを飲む気満々で行ったのですが、ノンアルコールのドリンクメニューが豊富で気になるモノ多し。結局は、ワイン3種のペアリングをオーダーしましたが。こちらはほぼ全てBIOワインだそうです。BIOのスパークリングは初めて飲みました。
実は、BIOワインは苦手だったのですが、こちらで飲んだ3種は全て美味しかった!過去に飲んだことのあるBIOは、相当クセ強めのモノだった故の、拒絶反応だったということが判明。今回フロア担当でBIOワインについても詳しく教えてくれたスタッフさんは、なんと少し前まで表参道ヒルズの某人気店でソムリエをされていた方。倉敷には、UターンやIターンで移住してくる30代40代が多いらしいですよ。新鮮な野菜や果物が美味しいし、時間がゆっくり流れているし、気候も良いし。解る気がする。
直接会ったことのある生産者からのみ仕入れているという、旬の食材を生かしたお料理の数々は、素晴らしいのひと言。ビジュアルはぜひYouTubeでご覧ください!本を開くとコースが始まる、という演出からもうドラマティック。おおおーっ!と声が出たのは言うまでも無く。
満腹満足でいう事なし。地元のグルマンが集う隠れ家レストラン、倉敷のマストリストにおススメします。お支払いは予約時のTable Checkで自動的にスマート決済されます◎!
味は美味しいパン屋さん
行列ができるベーカリーと聞いて、朝食用に買おうと行ってみた天然酵母パン屋。午後を回った時間だったので、人気商品というハード系パンはほぼ売り切れてしまっていました。
残っていたソフト系パンも、どれもこれも味の組み合わせが絶妙に美味しそうで、こちらを購入。ホワイトチョコ&無花果など、味は確かに美味しかった!でもソフトパンの生地自体が…ひと晩たったらパサパサ。パン好きな上、自分でもパンを焼くので、パン生地にはウルサイのですが、このパサパサっぷりはちょっと…。ハード系が人気のお店で、今回はそちらを味わえなかったので総評は難しいところですが、フィリングやトッピングの具材の組み合わせのセンスはどれも素晴らしく、味も良かったので、余計に残念かも。
気になったことはもう一点。こちらも、キャッシュオンリーだったこと。確かに、ひとつ、ふたつしか購入しない方は1000円以下でしょうから、手数料の方が高く付くのかもしれません。でも、人気観光地のメイン通りにある上、少なくともお客の半数以上が観光客である以上、やはりキャッシュレス決済は必要かと。特に、食物販売店であればこそ、このご時世はやはり導入をして頂きたいし、大声上げて観光誘致に協力したいので、ぜひとも改善して頂きたいなぁと心から思います。
ホテルについて
今回の倉敷、宿泊したホテルは残念ながらこちらでも、YouTubeでもご紹介できません。何故なら、ホテルの部屋について、一番あってはならないことがあったため。国内外でいろいろなホテル/宿に泊まってきましたが、こんなに残念なことは、初めて遭遇しました。美観地区のランドマークとも言えるホテルのひとつだったので、まさかそんな状況だとは予想だにせず。決してお安い宿ではなかった、ということはお伝えしておきます。
TravellinGorgeous®に於いては、毎回実費で宿泊していますので、トラベリンゴージャス®で紹介するに値しないと判断した場合は、これまでもスルーしてきております(2024年春の大阪でもあったのだ)。ということで、残念ながら今回は、ホテルのご紹介無し。次に倉敷に泊まる際には、狙いを付けている処があるので、次回はそちらを紹介出来ると良いなぁ(当たりだとイイな!)、と思っています。
倉敷観光局にお願い!
キャッシュレス化が進むこのご時世、人気観光地なのに、キャッシュオンリーのお店が多いという問題。この件については、各店舗だけではなく、倉敷観光局、観光ビューロー、岡山県観光課など、行政が主導して進めて行くべき問題だと思います。本気で観光誘致をしているのであれば、海外からのインバウンドを増やしたいのであれば、必須事項のトップじゃないでしょうか?導入の際の補助金を出すとか。もちろん、これは各地方の観光地で言えることですけれど。ちょうど今、観光客が京都や大阪など大都市集中から、地方へ分散しだした好機じゃないですか?導入するのは、今じゃないですか?