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おとな女子旅:高齢母との旅の注意点

自分が更年期に突入しているということは、親は相当老いているんだということを、すっかり忘れていた私。TravellinGorgeous®世代の両親世代なのですから、後期高齢者真っただ中ですものね。先日の母との2人旅で気付いた注意点というか反省点ですが、あくまでも我が家の事例です。意外と気付かなかった&見落としていた点もあったので、こんなことでも困るモノなのかと、おとな女子の皆さんが今後、高齢の母親(父親でも当てはまるかと)と旅をする際のご参考になれば幸いです。

親の老化は想像以上

コロナ期間の引きこもりによる体力低下は、こちらの想像以上に大変なことになっていました。出歩かなくなった(約3年間、長距離を歩いていない)→ 脚の筋肉の衰えがかなり激しい状態。しかも、歩かなくなったことで、脳の海馬の衰えに繋がってしまった感じもありあり。パワーダウンに加えてスローダウンもしてしまっていました。

こちらのNoteでも書かせてもらっていますが、旅行好きな人は認知症になりにくいという医学的エビデンスがあります。普段と違う場所を歩くことで、空間認識に必要な場所細胞とグリッド細胞が刺激を受けることになり、脳の海馬は鍛えられるのだそうです。例え遠くへ行かなくても、いつもと1本違う道を通るだけでも効果あるため、TravellinGorgeous®でも推奨している『非日常のススメ』や『ちょこっとTRIP』でも十分OKな訳です。

それまで年に3~4回は旅行に行っていた母ですが、コロナで一切遠出をしなくなってしまいました。持病をいくつか抱えていることもあって、慎重になったのはやむを得ないことでしたが、その一方で、出歩くことによって鍛えられる海馬への刺激が全くない状態が3年も続いたことは、母自身にとってはとても大きな損害となってしまった様子。脳への影響よりも、筋力の衰えによる問題は明らかで、歩く速度がかなり遅くなっているし、歩幅も狭くなっており、一歩が20cmもない。よって、こちらの想像以上に、移動するのに時間がかかる。

こんなに老化が進んでいるのにあまり気付かなかったのは、‟遠くに住んでいない”から故のこと。お正月など、折々に顔を出してはいるものの、1時間程度で行ける距離だから常に日帰り。泊まることはありません。24時間一緒に過ごしてみて、初めて見えてくる母の姿があった訳です。

いつもの日帰り訪問では、滞在時間は長くても5時間ほど。この程度だと、今の母は気を張り続けることが出来るのです。私たち夫婦が帰るまでは、割とシャンとしていられるのでしょう。ただし、24時間それは続かないので、泊りで旅行に行った今回、ボロが出たというか、母の本当の姿を見ることになった訳です。

旅の準備段階(荷造り)からチェック

今回は部屋着もアメニティも全部フルで揃っているお宿だったので、『持って行くものはコレだけで良いから』と、口頭と、紙面でも伝えていました。必要なものだけ、荷物は軽く、と念を押したにも関らず、あれこれ心配して余計な荷物を持ってきてしまっていました。旅慣れているはずの母、おまけに今回の鬼怒川は何度も来ている土地なのに、3年のブランクで旅勘も衰えてしまった感じ。

散策の帰りに『暑い暑い』と訴えるので、背中をちょっとめくってみたら、
冬の素材の下着を着ているじゃないですか。ヒートなんちゃら系の吸湿発熱繊維。おまけに、その上に着ているTシャツまでも、暖か素材のもの。『もう夏なのに!』と言うと、『だって山だから寒かったら困ると思って』という返事。

持ち物の指示は、Tシャツ何枚、下着何枚、靴下何枚では足りなくて、どういう素材の品を何個かまで、細かく指示する必要があるのかな、と思った次第。

朝の着替えで何を着たかをチェック

散策から帰って来て、大浴場へ行こうと館内着に着替えた時に気付いたのは、母がハイソックスの上にレッグウォーマーをして散策に出ていたということ。そりゃぁ、暑いでしょうよ!どうやら無意識に履いていたらしいです。先の項目でも書きましたが、鬼怒川は山間だから寒かろうと、レッグウォーマーも持ってきた。持ってきたから、履いた。母にすると、そういうシンプルな理由だった様子。

朝の身繕い、何を着たのかもチェックすべきなのかな~?と。

水分補給のタイミング

‟高齢者はのどの渇きに鈍感になる”ということは、ニュース等で知っていたので、外出中は気をつけて声掛けしていましたが、宿内や部屋の中で過ごしている時も、こまめに観察する必要があると思いました。

部屋でのんびりお喋りしていた2時間ほど、母は一切水分を取っていなかったのです。自分がお替わりするタイミングでふと見たら、母の湯飲みはお茶が全然減っていないじゃありませんか。気をつけるべきは、室内も同じで、お茶やお水を飲むよう、こちらから声を掛けるべきだと実感。

外出の時は、途中でトイレに行くことを気にしていて、だからお水は飲まないようにするという話をするので、それはダメだと。Googleマップで目的地までの道中にこれだけコンビニがあるよ、と示したら安心していました。それでも暑い中を30分くらい歩いているのに、ひと口も飲んでいなかったので、気付いた時に慌てて飲ませることが何度か。

飲み始めると、やはり身体が水分を欲していたらしく、結構な量をごくごく一気に飲んでいました。5分~10分置きにひと口飲むなど、強制的に水分補給させる必要性も感じました。

あれどこやった?問題

帰る時に荷物に入れ忘れることを心配し過ぎて、一度使った品は直ぐしまい込みたがりました。この動作が何かをするたびに続くのですが、しまったことを忘れていて、『さっき使ったアレがないんだけど』ということが多発。

これは、部屋の片隅に風呂敷などを広げて、母専用の荷物を広げる場所を作り、そこに全て並べてしまうのが良いですね。ひと目見て、何がどこにあるのか判るし、使ったらまたここに戻すということで、解決。

連泊であってもお掃除不要の選択をすることで(宿によっては部屋食を選ばないこともプラス要素)、チェックアウトまで自分たち以外の人は部屋に入ってこない確約となり、これも母にとっては、荷物出しっぱなしでいるための安心要素となった様でした。

大浴場に思わぬ危険あり

やはり、温泉旅館へ行ったならば、大浴場に入りたいのは人の常。まさか大浴場に危ない場面があるとは、これは本当に意外な落とし穴でした。大浴場の浴槽内で、溺れそうになった母!

脚の筋力が落ちて体重も軽くなっているので、他の人が動いた際にできるお湯の波に身体が持って行かれて、さらわれてしまったのです。母は驚き慌ててバタバタしてしまい、膝程度の深さなのですが、危うく溺れかけたという。

この事態は全く想定していなかったため、私はちょっと焦りましたし、その場にいた他の宿泊客の方々もプチパニック状態に。ご迷惑をお掛けして申し訳なかったです。母自身にとっても意外だったらしく、『もしパパ(父)と来ていたら男女のお風呂が別々だし、溺れてたかもねぇ~』などと、しみじみ言っていましたが。

まとめ

何にもないくらいのガラガラスケジュールで、母が体力を持て余して自ら動くくらいでちょうど良いのが、TravellinGorgeous®世代のおとな女子と高齢母との旅プランではないでしょうか。

観光目的ではなく、温泉とお料理が良いところ。温泉養生に向いている場所。ファミリー向けではない宿。小さなお子さんが走り回っている賑やかな景色が少ない所。そういう旅先が好ましいのかな、というのが実感です。

フルサービスがある宿(最低でも1泊2食付き)で、館内・敷地内だけでも十分楽しめるところだと、天候や母の体調によっては宿に留まれるので良いですね。

また、部屋食ではない方が良いとも思います。部屋にスタッフの人など、、他人の出入りが無い方が、母自身が安心できる様でした。チェックアウトまで、部屋にずっと籠ってもいられますし。

旅先も、親が住んでいる場所から乗り換えが少ない場所で、可能な限り乗り換えなしで行ける場所の方が、母も同行するこちらも楽です。

全ての移動時間、行動時間に余裕を持つことはマスト。ガイドブックや地図で示されている移動時間や所要時間は、2倍くらいに見繕っておく方が安心です。

そして、高齢母の体調管理、特に水分補給をきちんとしているかの確認は、本当に大事です。

旅行に行き、24時間以上一緒に過ごして初めて判った、親の体力の衰えの実像。こちらの想像以上だったことに、ちょっと反省しました。これから‟先輩おとな女子”と旅を考えている方、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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