Reconditioning×減速動作
今回は、アスレティックルハビリテーションを進めて行く上で必要な動作作りの一つである(減速動作)についてまとめておきます。
減速動作の重要性
普段の仕事において、OKCからSEMIを経てCKC。または、両足から片足へとリハビリメニューをProgression(段階的負荷の向上)していきいますが、最終的にそれらのリハビリ動作が、競技の中のどの動作につながっていくのか。
そんなことを最近よく考えます。
例えば、スクワットを例に挙げると、(すごくざっくりですが)ジャンプを再開する際に用いる、事前のチェック動作に用いることができます。
また、フロントランジは、ステップ系メニュー開始の足掛かりとして、多くのバリエーションの元、再獲得したい動作に似せたメニュー立案が必要になります。
では、減速(または止まる)という動きを再獲得し、より専門的な競技特性に応じた動作を再獲得する為にはどの様に段階を踏むか。また、何を意識するか。
減速動作に、少し意味合いを含ませ考えると(加速動作とも対比して)捕らえやすくなると思います。
減速動作=(力を)溜める
加速動作=(力を)放つ
更に
溜める=遠心性収縮が主な収縮様式
放つ=求心性収縮が主な収縮様式
だとすると、筋肉に対して最も負担の生じる遠心性収縮について、どの様に捉え、動きの中でキューイングさせるか。
減速できる(=吸収できる)ことも、動作上は大事ですが、出来ているか否かと言うその形だけでは無く、動きの(質)的な部分についても拘っていく必要がある様に感じました。
減速の仕方(意識の持ち方)
今回の核となる部分。上述の減速できればいい。又は、止まれればいい。からもう少し掘り下げて、どんな止まり方が出来れば良いか。に着いてまとめておきます。
・どこで踏ん張るか
・どんな姿勢がいいのか
どこで踏ん張るか。
同じ加速がすでに生じており、その速度を減速させる際に要する時間が短時間であれば短時間であるほど、その動作を完成させる際に大きな力が必要となる。
これは周知の通りです。
では、この大きな力を要する動作でどこで(どこを使って)踏ん張るか。
意識を置くことは、COGとCOPの位置関係です。
COGがCOPより前方にある際、身体は前方に傾き、位置関係がその逆の際には身体は後方に傾くとあります。*1
又、COPが前方に偏位すれば、COGも前方へ誘導される。と捉えることができます。
ここまでの話を整理すると、
加速後の減速動作が短時間であればある程、慣性力が大きく作用し、COPに対するCOGの位置関係で、体が前方又は後方へとシフトする。
となり、急減速+COPに対してCOGが前方の位置関係である時に、減速しようとする動きに反して身体は力を受けることになります。
上記を踏まえ。ACL罹患選手であれば。ハムストリングスに度重なる損傷がある選手であれば、Reconditioningをプログレッションする際に、どの様に進めていくかが少し明確になります。
*1 立位姿勢の足底圧中心位置の違いが着座動作の姿勢制御に与える
影響について 藤井ら 関西理学8:85-94 2008
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Reconditioning×○△□
負傷した選手を段階的競技復帰へと導くHow toについて、実例をふまえ共有していきます。
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