見出し画像

撮って出し派だった私がレタッチの勉強始めた話

まずはこちらの写真をご覧いただきたい。

カメラを買って半年くらい経った頃の写真。設定がアカンくて今見ると酷い仕上がり。ノイズ取ってないし色温度高すぎるしコントラスト弱いし…
しかし当時の自分は「これが自分の持ち味だ!!!」と言わんばかりに撮って出し(JPGで撮影したままTwitter投稿)してました。お恥ずかしい限り。。。
今回は「撮って出ししてこそ写真だ!」と息巻いていた小僧がレタッチ技術を磨くに至る過程と雑感を残してみたい。

「加工されていない写真」ってなんだ

技術の伸び悩みが出始めたころに、色々勉強のためにと見て回ったページの一つ。「スマホや一眼に限らず、現代で『加工』されていない写真など存在しない」という観点は非常に新鮮だった記憶がある。
デジタルカメラは「センサーで感知した光を電気信号に変換し、画像処理エンジンで加工する」という工程を経て画像にしており、JPG画像であれば「すべての写真は加工された写真」と考えて問題ないことになる。

こういうなんとなくの認識を産んだのって「写真」という字面だと思うんですよね。「真実を写す」という言葉がウソなんです。そうではなくて、目の前で起きている光学的な事象を二次元に一度化学や電子工学の力で写し取って、それを撮影者の手によっていかに印象的なものに加工して他人に見せるかというプロセス。
これが「フォトグラフ」なのです。光の画。光画。画なんです。真実じゃない。ホンモノじゃない。(引用)

ホンモノでも真実でもなくていい、他人に見せるというプロセスである、という観点は非常に大きな影響を受けた。

ちょうどこの時、Twitterで添付する画像を選択しようとすると、時系列でも名前順でもない順番で画像が表示されてしまうという仕様に改変されていた。プロレス1興行で2000枚以上撮影する自分にとっては画像を選ぶだけで苦行に近く、「いっそ編集して別フォルダに入れたほうが早いのでは」という結論にたどり着いた。さっそく編集アプリを探すことに。

編集してみて気が付いたこと

いざ編集をやってみて気づいたのは、「カメラの設定を追い込めば良くとれていた写真」と「カメラの設定だけではできない演出」の二つが存在するということ。具体的には、

○カメラの設定で追い込めるところ
 ・色温度やコントラスト
 ・明るさ調整
 ・手振れの防止 etc...
○カメラの設定ではできないこと
 ・肌のシミ、シワ消し
 ・現実にはあり得ない色味に変える
 ・特定の色だけいじる etc...

といったところ。「カメラの設定で追い込めるところ」は、編集してみた過程から「この場面ではこういう設定にすれば良くできた」という気づきを得られ、次回の撮影時に実践して検証するネタにした。これで経験値が貯まっていき、どのパラメータをどう調整すればいいのかが自然と浮かぶようにできた。

大事だと思うこと

撮って出しこそが至高と考えて始めた写真の中で、編集・加工するに至ったものの、最終的には「現場で撮って出しできるレベルに追い込んで、編集で仕上げる」くらいが良いのではという点に落ち着いた。編集でどうにかできるからと設定を疎かにする、撮影時の設定を過信して確認せず撮って出しする、といった本来必要な作業を怠ると、反省点を認識できずに「ただ撮るだけ」で過ごしてしまう。

また、多くのカメラマンの写真を見て回ることも重要と感じた。気に入った構図、自分のレパートリーにない加工、普段と違ったロケーション、などなど「自力でやるにはリソースが足りない」ことを提示してくれている。この知識はいざという時に「アレやってみよう」という引き出しに転化できるので、力量アップの近道だったと感じる。

で、どの程度マシになったのって話

この話題をまとめようと思い至った一枚。

会場の都合で少々難しかったものの、冒頭の救済の余地がない写真に比べたらBeforeでもマシになったと思っている。
編集に関しては、肌の美しさや髪形を強調できるよう、少々トバし気味にしトリミングすることで「自分なりの、この1枚に対する主張」を表現できるよう心掛けた。結果的にこの1枚はこの日1番評価を頂けたので、客観的な視点でもレベルアップはしていると認識している。

まとめ

・「加工されていない写真」なんてない。
・撮った写真を編集することで、反省と次回の改善点を洗い出すことができる。
・改善点を次回の撮影でトライすることで上達させる。
・慣れてきたら写真のコンセプトや主張に沿った編集・加工をしてみる。

カメラマンさんとあーでもないこーでもないと議論してみたい今日この頃でした。

いいなと思ったら応援しよう!

たかはしあさぎ
ご覧いただきありがとうございます! サポート頂きましたら、役者さんのコーヒー代、撮影機材への投資、資料購入費として使わせていただきます🙏