エンタメマーケティング11 悪女時代に見る差別化
商品を展開する上で、差別化は色々なものに影響を与える。
・宣伝をするとき
・お客様が選ぶとき
・流通の方法を決めるとき
どこに差別化を発揮するかも商品による
・顧客ターゲットを中心にした差別化
・機能や性能を中心にした差別化
・デザインを中心とした差別化
etc…
残念なほど差別化されず、右に倣えで同じような商品戦略をするのがエンタメ業界である。
ソロ歌手が流行れば歌姫がわんさか、カバー曲が流行ればわんさか、R&B的な人たちは顔まで一緒かよ!という具合だ。
中でも昨今のアイドルブームは凄いものがある。流行っているからと、そこそこ売れていた子役出身の女優を売れていない新人と抱き合わせでアイドルにして、売れていた子も活躍しなくなったり。
意識していたかは解らないが、ももいろクローバーZのアイドル市場での圧倒的な差別化は素晴らしい。
そんなアイドル市場に、遅ればせながら異色のアイドルが参入してきたので紹介したい。
「悪女時代」
この冗談みたいな名前のアイドルは広島を中心に活動するアイドルグループで、これまで出したシングルはタワーレコード広島の月間売り上げランキング1位を獲得するなどの活躍である。
どこが差別化なのか、であるが。広島にはアクターズスクールがあるため、小さなアイドルグループはあるが、ずば抜けた存在はいない。あえてずば抜けていると言われると、Perfume?と答えるほど広島はアイドルや音楽に興味が薄い地域である。(理由などはそのうち)
そんな広島で、ここまでの活躍するアイドル「悪女時代」の正体は
「アラフォーアイドル」
平均年齢43歳、募集も35歳からという徹底ぶり。
さて、このアイドル達、これで緩い曲、緩いパフォーマンスなら何もヒットはしなかっただろう。しかし、作詞作曲は元Bivattcheeの堤晋一さん( https://twitter.com/shintsutsumi/ )が書き、パフォーマンスは本人も悪女時代の一員でありアクターズスタジオで講師を務めるELI先生( https://twitter.com/elielieli3835/ )が振付とダンス指導を担当している。
歌はパフォーマンス時のメンバーにより異なるが、ダンスは平均43歳とは思えない、むしろ平均43歳を生かした息もダンスもキレッキレ、そして平均年齢43歳の彼女達だからこそ歌える歌詞が彼女たちの魅力である。
ただ、年齢だけを売りにしたアイドルはいくらでも作れるだろう。
そえだけでは差別化は無い。
彼女達、悪女時代はアイドルとしての「コア機能」としての実力が十分にあるのだ。
身近なもので例えるなら洗剤だ。
アイドルとして、パフォーマーとしての「コア機能」である「お客様を楽しませる能力」が彼女たちには十分あるのだ。
それは洗剤での汚れが落ちるかどうかである。
では洗剤を購入するときに何を基準に買っているか。洗えるのは当然として、多くの人は「付随機能」とよばれる香り、柔軟剤入り、漂白剤入り、肌には優しいか、を気にして洗剤を購入していないだろうか。
「付随機能」が洗剤においては香りや柔軟剤入りであったものが、悪女時代では「アラフォー」「戸籍についたバツの数」「主婦」という他のアイドルにはない変わった付随機能だったのだ。その付随機能が人々の目に止まり、選択される購入のきっかけになる。
アイドル、歌手、パフォーマンス、役者、たくさん定義はあるが、コア機能は基本的に同じである。エンターテイメントを提供して楽しませることである。
それにおいて、コア機能の充実は最低限のラインを超えていれば「付随機能」をどれだけ活かせるかが、売ることができるかのマーケティングの鍵になるだろう。
実力があるのに、モノはいいのにと思う人や商品がある時は是非一度考えてみてください。
「付随機能」
のことを。
これを読んで「キャラのことか」「イメージか」と思ったかもしれません。違います「付随機能」です。商品に付随するサービスです。お客様に喜んでいただけるサービスとして、機能するのか。悪女時代では、アラフォーであるから歌える歌詞、バツが付いている逞しさ、主婦としての日常が見えながら行うアイドル活動への頑張り、それが付随するサービスとして、お客様を楽しませるエンターテイメントに繋がっているのだ。
抱えている商品の「付随機能」を考えてみてください。
それが見つけれない時は、私にお声かけください。
それでは、悪女時代で「悪女ジェネレーション」を是非お聞きください。
私はB面のアラフォースーパーガールズが好きなのですが、iTunesにないので皆さんCDご購入ください。
Youtube
http://youtu.be/7OlSdF1lBmI
iTunes
悪女時代「悪女ネレーション/桜の花が散る前に - Single」
https://itun.es/jp/sGbkZ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?