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BTS:『My Universe』のMVについて物語風に書いてみました💫
2021年9月30日、ColdplayとBTSのコラボ曲のMusic Videoが解禁されました↓
宇宙を舞台にまるで映画のようなすごい映像(語彙力)ですよね✨
タイトル画像ではスペースの関係でBTSしか掲載できませんでしたが、Music Videoのサムネにも使用されているイメージ画像も豪華です✨
『スターウォーズ』を彷彿とさせるように冒頭でそこへ至るまでの設定が語られ、最初から最後まで一大叙事詩のような物語となっています。
展開が早かったりしてどういうことかな?という場面も多かったので、今回の記事では『My Universe』から切り取った画像とともに、場面やキーワードの補足、自分なりの解釈を交えながら全体をストーリー風に書いていきたいと思います。
勝手にセリフなども追加しておりますが、生温かい目で見てくださると幸いです。
『My Universe』
時はいにしえ、はるか彼方昔のこと。
全宇宙において音楽は禁止されていた。
3つの異なる惑星に異なる3つのバンドが存在し、音楽禁止令に抵抗していた。
DJラフリキは、ラジオシップに乗り込み宇宙へ飛び立ち、彼らをホロバンドで結束させる。
その間も制圧部隊は彼らをずっと追跡してた。
宇宙の墓場と言われる場所。
DJラフリキのラジオシップは宇宙船や衛星の残骸に隠れて密かに準備を重ね、3つのバンドが動き出す時を待っていた。
そして、時はきた。
ホログラムのステージには3つのバンドが映し出され、彼らをラジオシップにつなげることに成功した。
禁止されている「音楽」が始まる。
3つのバンドの名前は、COLDPLAY、BTS、SUPERNOVA7。
住んでいる惑星も違えば、容姿も異なり、言語も違っていたが、何よりも音楽を深く愛することは一緒だった。
住んでいる世界、見た目や言葉は関係ない。
音楽を取り戻すためにはお互いの音楽をつなぎ合わせ、音楽を奪った者たちから世界を取り戻すため、彼らは歌い始める。
「音楽が、力を与えてくれる…」
DJラフリキは彼らの音楽をラジオシップに取り込み、次なる作戦に移る。
星の座標や音楽の反響などあらゆるデータを集約し、ついに敵陣の本拠地を突き止めることができた。
「音楽が止まない限り、私たちは決して負けない」
ラジオシップは目的地に向けてハイパースペースへと飛び込んだ。
COLDPLAYがいる惑星はFLORIS(フローリス)。
花という意味を持つ惑星だ。
本来はその名の通り花や緑の溢れる美しい星だったが、音楽を失い、すっかり景色は様変わりしてしまった。
音楽は惑星のあちこちで厳しい取り締まりを受けた。
いつしか人々も音楽のすべてを忌まわしいものであるとして、音楽を楽しむことを忘れていった。
しかし、COLDPLAYは違った。
彼らは音楽を決して止めなかった。
音楽が世界そのもので、音楽があるからこそ世界が輝くことを知っていたからだ。
ラジオシップに音楽がよく届くように、彼らはあえて見渡しの良い場所で音楽を奏でた。
当然ながら、制圧部隊の偵察機はすぐさま彼らを発見する。
それでもCOLDPLAYは決してひるむことなく音楽を続けた。
危険を伴うのは百も承知だ。
彼らは決して演奏を止めない。
DJラフリキは心地良い音楽に身を揺らしながら、次なる段階に作業を進める。
COLDPLAYとBTSのホロバンドを結び付けるため、ゆっくりと握ったレバーを押し進めた。
COLDPLAYのもとに、そこにいるはずもないBTSのメンバーのひとりが歌声とともに現れる。
驚きとともに、喜びがあふれる。
彼らも同じ音楽を奏で、歌っている。
遠く離れている人物が今目の前にいる不思議。
しかし、その不思議もお互いの歌を重ねることで、昔からよく知っているような「自然」となる。
音楽の力で他の仲間もつながり、COLDPLAYと同じ舞台に全員が集まった。
こんなに声を張り上げ、仲間とともに歌い、身体を揺らしたのはいつぶりだろう。
これが音楽。
これが世界=宇宙だ。
音楽の力はさらに大きく鳴り響く。
そして、次はCOLDPLAYがBTSのいる地につながる番だ。
BTSのいるの惑星CALYPSO(カリプソ)。
カリプソは海の女神の名でもある。
その名の通り、青く美しい海が広がる輝く惑星だったが、音楽を失ったことで、人々の笑顔も消え去り、惑星の輝きも失われていた。
しかし、BTSはやはり音楽の力を信じ、立ち向かうことを恐れなかった。
カリプソにも偵察隊はやってきた。
投げた小石は、見事に制圧部隊のモニタに命中する。
これでしばらく監視の目を避けられる。
だから、もっと歌おう。
もっと、笑おう。
もっと、揺れよう。
もっと、楽しもう。
僕らは音楽でつながっている。
僕らの音楽はつながっている。
COLDPLAYとBTSは一体となり、音楽の力はさらに大きくなっていった。
「さぁ、最後はあなたたちよ」
DJラフリキは振り返り、ラジオシップにつないだその惑星の状態を確認する。
最後につなげるのはSUPERSOLIS(スーパーソリス)。
巨大な太陽を表す惑星だ。
すでに一体となり大きな力を得たCOLDPLAYとBTSをつなぐのはたやすく、すぐに全員がスーパーソリスの舞台で一緒になった。
偵察機にはホログラムである仲間たちは感知されない。
とはいえ、監視されるのは心地よいものではない、とSUPERNOVA7のメンバーのひとりが砲弾を放つ。
「ボクタチの音楽は強い!」
SUPERNOVA7は実に多様なメンバーが集まっている。
そして、実に音楽を楽しんでいる。
SUPERNOVA7の太陽のように明るい力を得て、BTSもさらにその音楽の声を張り上げる。
音楽の力が合わさると、なぜこんなにも力がみなぎり、満ち足りた世界を感じるのだろう。
やはり決して彼らに奪われてはならない。
必ず僕らの宇宙を取り返す。
カリプソのBTS。
スーパーソリスのSUPERNOVA7。
そして、フローリスのCOLDPLAY。
全員がつながった。
準備は整った。
これで、敵に立ち向かうことができる。
…はずだった。
DJラフリキは、警戒音にモニタを振り返る。
そこにはふいに現れた巨大な影。
「光が、消えた?」
フローリスが突然闇に覆われた。
一筋の光に空を見上げると、巨大な影。
スーパーソリスから仲間が消えていく。
カリプソからも仲間が消えていき、誰もいなくなった。
コネクションが次々と途絶えていく。
ラジオシップは、不気味な触手を持つ巨大なウイルスのような敵の本陣と間近に対峙していた。
やはり音楽は世界から消えてしまうのだろうか。
我々には力が足りなかったのだろうか。
フローリスに一筋の光が差し込む。
カリプソ、スーパーソリスも同様に光が差した。
DJラフリキはたじろぐことなく真っすぐに赤い闇を見つめていた。
彼女は知っていた。
もう彼女の力は必要ないことを。
大きく手を振りかざし、振り下ろされたのを合図に再び音楽が始まる。
宇宙の隅々まで音楽は鳴り響き、世界は音楽があふれる。
「大丈夫、まだハイパードライブは使える」
音楽の力は美しく、偉大で、我々が生きゆく宇宙そのものだ。
音楽禁止?
巨大なウイルスに行く手を阻まれても、我々は決して歩みを止めない。
音楽を止めない。
ラジオシップは今にも飲み込まれそうだった。
まさか、このままハイパースペースに向かう速度でこの赤い闇の中へ飛び込むつもりだろうか。
DJラフリキが振り返り笑みを浮かべる。
ラジオシップは踵を返し、ハイパースペースへと消えた。
我々は皆同じ宇宙の住人
解説
いかがだったでしょうか。
同じ印象の場面はありましたか?
全然異なるイメージの場面もあったかと思います。
最後の場面、右半分がよく見えず残念で、もしかしたら肝心なことが隠れているのでは?と思いますが、このラストは完結ではなくて、まだまだ続きがありますよね?
終わりでしょうか?
結局のところ、敵は倒せないままで、最後ラジオシップはハイパースペースに消え、トゲトゲの本陣はそのまま存在しているわけなので「完」とは書けない気がしています。
とはいえ、敵を完全に物質的な意味で倒す、というわけではなく、あくまでも音楽が禁止されても決してやめず、謎のウイルスみたいな巨大なヤツに何を言われようが音楽の力を見せてやる、と言ったメッセージにも思えます。
つまりは敵との共存ですね。
固有名詞がいくつか出てきましたが、それぞれ意味がありそうですね。
DJラフリキは「L'AFRIQUE」でフランス語でアフリカの意味があり、そのままカナにしてみました。
それぞれの星の名前は偵察隊の画面上に出ているようです。
ラジオシップに書かれていた3番目の惑星「SUPERSOLIS」と、偵察隊のモニタに映っていた「SUPERSOLIS」が一致するため、それぞれの惑星を映す監視モニタに記載されていてるのが惑星の名前だろうと思いました。
COLDPLAYがいるフローリス(FROLIS)はFLOWERと同じラテンルーツの「FLOR」=花からくる派生語のようです。
BTSのいるカリプソですが、悩ましいところでは二つ意味があって、一つには海の女神の英語名なんです。
背景が思いっきり海なので、意味合い的にはこちらだろうと思い取り入れました。
一方でレゲエのルーツである音楽の名前でもあるようです。
Wikipedia先生先生によれば「奴隷たちがお互いに言葉が通じず、音楽でコミュニケーションをしたのが始まり」と言われているそうなんですよね。
YouTube先生にお尋ねするとたくさんのカリプソ音楽に出会えると思いますが、イメージはディズニー映画の『リトルマーメイド』という感じです。
SUPERSOLISのSolisとはスペイン語で太陽のことのようですね。
それで、この惑星のことを調べていましたら、Wikipedia先生ならぬ「Coldpedia」というサイトに出会いまして、新たな情報を得ました。
冒頭部分、私があいまいにしたものがあります。
それが「The Spheres」(スフェア)という箇所なんですが、これはColdplayが創った架空の太陽系を意味するそうで、『My Universe』に登場する3つの惑星も含まれております。
『Music Of The Spheres』というのは2021年10月15日に発売予定の新しいアルバムのタイトルです。
Music Of The Spheres album launch show // London Shepherd's Bush Empire, October 12, 2021 // UK fans who order (or have ordered) the album from https://t.co/67HhtIPslf before 11.59pm on October 4th get exclusive access to the ticket sale. All ticket proceeds to @ClientEarth. pic.twitter.com/eyVJ4TCvK5
— Coldplay (@coldplay) October 1, 2021
『My Universe』も収録されていますし、それぞれの惑星に関する曲も収録されています。
つまりは『My Universe』はこれ一つでの一大叙事詩ではなくて、さらに大きな一大叙事詩の一部だということですね。
これはいかんです。
BTSにも花様年華という美しいストーリー群があり、なかなか手をこまねいているところに、宇宙が加わったらT_Crownもさすがにパンクする…かもしれませんが、どこかでワクワクしている自分がおります。
花様年華についてはマガジンにしておりますので良ければご覧ください↓
『Music Of The Spheres』のほかのMVなどを拝見して紐解いていったらもしかしたら、『My Universe』の新たな部分がわかるかもしれませんが、またそれは別のお話といたしましょう。
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※『My Universe』関連の記事を他にも書いていますのでご紹介しますね💫
Coldplayについてをメインに書いています。『My Universe』のいろいろなリリース情報も掲載しています。
『My Universe』の制作に関するドキュメンタリーについて書いています。今回のMVにもつながる要素があると思います。
こちらは最初にこの曲を聴いた印象でお絵かきしたよ、という記事です。