![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83166099/rectangle_large_type_2_bcd004b1af7f2e05bf5947222a806d4b.png?width=1200)
フラフラ咲いてカラカラ鳴いた
その男の眼光は鋭かった。
まるで観客に喧嘩をふっかけるように。
そこから放たれるサウンドは強烈だった。
全身にロックが宿っていた。
男はアベフトシといった。
ミッシェル・ガン・エレファントというバンドのギタリストだった。
彼のギターサウンドは誰とも違っていた。
それまでギタリストと云えば普通は左手で聴かせる方が常であった。
フィーリング溢れるフレーズを奏でたり別の界隈なら速弾きであったり。
しかし彼は逆の右手で聴かせるタイプだった。
いや、言い方は悪いが殺しにかかるという表現が正しいかもしれない。
超高速カッティングは当時のシーンで強烈なインパクトを持って迎えられた。
そして冒頭に記したような弾く姿勢。
特に98年〜00年あたりは特に正に鬼だった。
その姿がめちゃくちゃカッコ良かった。
そんな彼は13年前の今日亡くなった。
突然の事だった。ショックだった。
ミッシェルが解散してそんなに経ってなかったので余計に。
再結成という夢も完全に断たれてしまった。
未だに彼のようなギタリストは世に現れていない。
フォロワー的な人はいるし近いサウンドを奏でる者はちらほらいるが根本的な何かが違ったりするのだ。
それ程稀有な存在だったのだ。日本国内だけでなく世界的に見ても、だ。
彼が生きていたらどうなっていただろう。
叶わぬ願いだがそう思う。
心優しきロックンロールの鬼。
今日一日はアベフトシのギターサウンドを聴く事にする。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83165974/picture_pc_7e5464f5fd3f499900629f23cb72c5f1.png?width=1200)