茶品種 さえみどり
清々しく上品な香りと豊かな甘み
冴えたみどり色をした魅力の品種
人気の品種「さえみどり」
「さえみどり」は、早生品種の中では抜群に優れた品質により、栽培面積が拡大中です。1969年に茶業試験場枕崎支場(現野菜茶業研究所)で「やぶきた」を母親に、「あさつゆ」を父親に交配した中から選抜されました。名前のとおり、冴えたみどり色と、甘みと旨み、後味はすっきりと最後まで品があり、弱点が少ない魅力的な品種と言われています。
茶農家さんは、「さえみどりの一番茶は、芽ぞろいが良い(目がそろって生えてくる)から、収穫日の判断がしやすい。その分、製茶にも力が入るよ。」と言います。他の品種とブレンドすることで、色や香り、味をより引き立たせるため、様々な日本茶のブレンドに用いられることがありますが、上品な香り、渋みが少なく甘みのある品種として、ブレンドせずに単品でも販売されています。
品種の楽しみに触れてみたいという方に、まずはお試しいただきたい品種かもしれません。
丁寧にいれて、「やぶきた」とは異なる味わいをぜひ楽しんでみてください。
丁寧にいれてみましょう
<茶器の準備>
先に、湯呑みにお湯を注ぎ、温めておきます。湯のみが温まることで、茶葉の香りが引き立ちやすくなります。温まった湯呑みのお湯は捨て、適温のお湯を準備します。
<湯の温度>
「さえみどり」の甘みと香りを引き出すためには、お湯の温度が重要です。
高すぎる温度は渋みを強く出してしまうので、注意が必要です。
<茶葉の量>
急須に茶葉を5g(約大さじ1杯)入れます。茶葉の量はお好みで調整できますが、少なすぎると味が薄くなるので、適量を守るとよいでしょう。
<抽出時間>
まろやかな味わいを引き出すために、急須に70℃の湯をゆっくり注ぎます。60秒が目安です。長すぎると渋みが強くなることがあるので、味を見ながら調整してください。
<注ぎ分け>
茶碗に均等に注ぎ分けます。一度に全部を注がず、少しずつ回し注ぎすることで、味のバランスが均一になります。
<二煎目以降>
二煎目、三煎目も楽しめます。二煎目以降は少しお湯の温度を上げ(80℃程度)、10秒ほどでさっといれます。
「さえみどり」とお茶うけ
丁寧にいれた「さえみどり」におすすめなお茶うけはどんなものが良いでしょう?お茶うけは、「さえみどり」の繊細な風味を損なわないように、強すぎない味わいのものがおすすめです。季節に合わせたお茶うけを選ぶことで、さらに豊かな時間を楽しめます。
「さえみどり」には、果物もよく合います。
羊羹
こしあんの羊羹や栗入り羊羹が良く合います。羊羹の滑らかな甘さが「さえみどり」の甘みを引き立てます。
練り切り
季節感を感じさせる美しい練り切りは、その上品な甘さが「さえみどり」との相性抜群です。
わらび餅
もちもちした食感と、きな粉や黒蜜の甘さが、さえみどりのまろやかさとよく調和します。
軽い塩味のせんべい
軽い塩味が「さえみどり」の甘みを引き立てます。
バタークッキー
バター風味と適度な甘さが、さえみどりの甘みと渋みのバランスを引き立てます。
フルーツタルト
フルーツの自然な甘酸っぱさが「さえみどり」の清涼感と合います。特に、柑橘系やベリー系のタルトがおすすめです。
季節の果物
旬の果物が、「さえみどり」の爽やかさを引き立てます。これからの季節、みかん、梨、柿などいかがでしょうか。
大切にしたいお茶の時間
お茶の時間は、単なる飲食の一環にとどまらず、心と体を整えるための特別な時間です。現代社会では、私たちは忙しい日常に追われ、常に何かに追い立てられていることが多いですが、お茶の時間はその喧騒から一歩引いて、心を落ち着ける貴重なひとときを提供してくれます。
まず、お茶をいれる過程自体が、心を静める効果を持っています。茶葉を選び、湯を沸かし、適切な温度で丁寧にお茶をいれる一連の動作は、まるで瞑想のようです。この作業に集中することで、自然と心が落ち着き、ストレスから解放されます。また、お茶を淹れる過程で生まれる香りは、リラックス効果を高め、心地よい空間を作り出します。
お茶の時間はまた、自分と向き合う時間でもあります。ゆっくりとお茶を味わいながら、自分の内面と対話し、心の整理をすることができます。普段の忙しさの中ではなかなか得られない、自己を見つめ直す時間がここにあります。また、この時間を利用して、本を読んだり、日記をつけたりするのも有意義です。これにより、日々の生活を振り返り、今後の方向性を見直すことができるでしょう。
さらに、お茶の時間は、家族や友人との絆を深める機会でもあります。共にお茶を楽しむことで、自然と会話が生まれ、親しい人々とのコミュニケーションが深まります。特に日本の文化では、お茶はおもてなしの心を表す象徴でもあります。お茶を通じて相手をもてなし、心を通わせることで、人間関係が豊かになります。
お茶の時間には、季節を感じる楽しみもあります。季節ごとの茶葉やお茶菓子を選ぶことで、自然の移ろいを感じ取り、日常の中に季節感を取り入れることができます。このように、お茶の時間は四季折々の変化を楽しむ機会でもあり、私たちに豊かな感性を育む場を提供してくれます。
総じて、お茶の時間は単なる飲食ではなく、心身の健康を保つための大切な習慣です。自己との対話、他者との交流、季節の感じ方など、多くの価値が詰まったこの時間を大切にすることで、より豊かで充実した生活が送れるようになるでしょう。
プラス、お茶うけの楽しみもちょっとした豊かさですね!