達増拓也

岩手県知事の達増(たっそ)拓也です。個人としての立場で書いていきますので、岩手県の正式見解とは異なる場合があります。

達増拓也

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最近の記事

東日本大震災津波・復興1年目(最初の1ヵ月)

災害対策本部の設置  2011(平成23)年3月11日、岩手県議会の予算特別委員会が開かれていました。知事の出番は無い日だったので、私は知事公舎にいました。  知事公舎の書斎で、デスクに向かって資料を読んだりしていました。付けていたテレビでは、NHKの国会中継をしていました。  午後2時46分、部屋が大きく揺れ始めました。かなり強い地震です。しばらくして、揺れがさらに大きくなり、部屋全体が船のように揺れました。なかなか収まりません。経験したことが無い地震です。  私は、

    • 日本に「民党」による政権を~「大正デモクラシー」原敬内閣に学ぶ~

       目次  序  1.原敬が首相になるまで (1) 首相を決めるのに、民意や世論の影響、政党の影響が強まっていく (2)政党の役割が「政権の支持」から「政権の担当」に 2.原敬内閣の政策 (1)四大政策:教育振興、交通インフラ整備、国防充実、産業貿易振興 (2)積極主義=地域振興、内需拡大 (3)積極主義と国際協調主義 (4)社会政策 4.原敬の政治手法 (1)イギリス型議院内閣制 (2)政党政治の確立 (3)民主化~選挙の大切さ 5.民意や世論を尊重する近代日本の伝

      • 原敬首相の願い、日本国民の願い(エッセイ版)

        原敬首相の願い、日本国民の願い(エッセイ版)  2022年6月19日に盛岡市で行われた「原敬を想う会」講演会で、私は「原敬首相の願い、日本国民の願い」と題する講演を行いました。2021年の原敬没後100年を記念しての講演です。  その講演の内容を、準備した講演ノートを頼りに、エッセイ風に再現しました。講演ノートには、時間の関係で実際の講演では紹介できなかった部分もあり、そこも含めた、「エッセイ版」です。ディレクターズカットです。  目次  1.原敬首相就任の背景 (

        • 「原敬首相の願い、日本国民の願い」ノート

          原敬さんは、「初の本格的政党内閣」を樹立したことがスゴイと言われているが、その、どこがスゴイのか →それは、原敬内閣の成立は、国民の願いと政治家の願いが合致して、「大正デモクラシー」の花を開かせた、というところがスゴイことで、近代日本の快挙と言っていい そもそも 政治で大事なのは、「願い」   国民の願いと政治家の願いの相互作用で、国民と政治家それぞれの運命は決まる   ・日本では、結構、国民の願いが積極的に示され、結構、政治家がそれを尊重する政治が、戦前に発達していた →劣

          「『県』の来し方行く末」目次

           1月17日に、県の部課長研修の「知事講話」で、「『県』の来し方行く末」という題の講演を行いました。  今年、2022年は、「岩手県」という名称が定まって150周年。そして、2026年は、岩手県の現在の県域が定まって150周年。この間の5年間を、「県政150周年記念期間」として、様々な記念事業を行いますが、そのスタート、というか予告編が「『県』の来し方行く末」講演です。  この講演録は、近日中に岩手県公式ホームページに掲載されますが、45分間だったので、話し足りないことがあ

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