ポアソン分布を用いた試合予想
<概要>
ポアソン分布と過去のデータを組み合わせる。
サッカーの試合における予想スコアを簡単かつ確実に計算し、ベッティングに役立てる。
ポアソン分布とは
「滅多に起こらない出来事が任意の時間(面積や回数でも可)当たりに起こる回数」を表す確率分布。
参考:
ポアソン分布
λ(ラムダ):平均値「一定の値」
X(=k):確率変数
例)
Manchester Cityの1試合平均ゴール数が1.7ゴールだとした場合、この情報をポアソン分布の方程式に当てはめると、Manchester Cityが0ゴールになる確率は18.3%、1ゴールは31%、2ゴールは26.4%、3ゴールは15%になる。
スコアラインの計算
例)
Manchester Cityの1試合平均ゴール数が1.7ゴールだとした場合、この情報をポアソン分布の方程式に当てはめると、Manchester Cityが0ゴールになる確率は18.3%、1ゴールは31%、2ゴールは26.4%、3ゴールは15%になる。
計算する前に平均ゴール数を計算する必要がある。
各チームの「攻撃力」と「守備力」を求めて比較することで計算できる。
「攻撃力」の計算方法
あるチームの1ホームゲーム、および1アウェイゲームあたりで獲得した平均ゴール数を求める。
昨シーズンに獲得した合計ゴール数をプレーした試合数で割ることで計算できる。
ホームで獲得したシーズンゴール/試合数(シーズン中)
アウェイで獲得したシーズンゴール/試合数(シーズン中)
リーグの平均
2015/16年のEnglish Premier Leagueシーズンでは、ホームで567ゴール/380試合、アウェイで459ゴール/380試合で、1試合あたりの平均がホームで1.492ゴール、アウェイで1.207ゴール。
ホームで得点した平均ゴール数:1.492
アウェイで得点した平均ゴール数:1.207
チームの平均とリーグの平均との比率が、「攻撃力」。
「守備力」の計算方法
また平均的なチームが得点を許した平均ゴール数も必要になります。これは、上記の数字の逆数。(ホームチームが得点するゴール数はアウェイチームが得点を許した数と同じであるため)
リーグの平均
ホームで得点を許した平均ゴール数:1.207
アウェイで得点を許した平均ゴール数:1.492
チームの平均とリーグの平均との比率が、「防御力」。
例)
Tottenham HotspurとEvertonの2017年3月1日現在の攻撃力と守備力を計算
Tottenham Hotspurの予想ゴール数
Tottenhamの攻撃力の計算:
ステップ1:ホームチームが昨シーズンにホームで獲得したゴール数(Tottenhamは35)をホームゲーム数で割ります(35/19):1.842。
ステップ2:この値をシーズンの1ホームゲームあたりに得点した平均ゴール数で割り(1.842/1.492)、「攻撃力」を求めます: 1.235。
(35/19) / (567/380) = 1.235
Evertonの守備力の計算:
ステップ1:昨シーズン、アウェイチームが許したゴール数を(Everton: 25)をアウェイ試合数で割ります(25/19):1.315
ステップ2:これを1試合あたりにアウェイチームが得点を許したシーズンの平均ゴール数で割って(1.315/1.492)、「防御力」0.881を求めます。
(25/19) / (567/380) = 0.881
下記の方程式を使って、Tottenhamの予想ゴール数を計算できます(Tottenhamの攻撃力にEvertonの守備力とPremier Leagueのホームチームの平均ゴール数をかける):
1.235 × 0.881 × 1.492 = 1.623
Evertonの予想ゴール数
Evertonの予想ゴール数を計算するには上記の方程式を使いますが、ホームチームの平均ゴール数をアウェイチームの平均ゴール数に置き換えてください。
Evertonの攻撃力:
(24/19) / (459/380) = 1.046
Tottenhamの守備力:
(15/19) / (459/380) = 0.653
Tottenhamの予想ゴール数を算出したのと同じ方法で、Everton の予想ゴール数を計算できます(Evertonの攻撃力にTottenhamの守備 力とPremierLeagueのアウェイチームの平均ゴール数をかける):
1.046 × 0.653 × 1.207 = 0.824
算出した平均をポアソン分布の方程式に使用
(算出した平均はλ)
以下の表が計算結果。
Tottenhamが19.73%の確率で得点しないことを示している。32.02%の確率で彼らは1ゴールを獲得し、25.99%の確率で2ゴールを獲得。
一方、Evertonは43.86%の確率で得点せず、36.14%の確率で1ゴールを獲得し、14.89%の確率で2ゴールを獲得。
どちらの得点も(数学的な観点からは)独立しているので、予想得点は1–0(各チームにとって最も可能性の高い結果の組み合わせ)。
2つの確率を掛け合わせると、1-0の結果の確率が出ます。(0.3202*0.4386) =0.1404、つまり14.04%です。
ポアソン分布の限界
ポアソン分布は単純な予想モデルのため、たくさんの要因を考慮できない。
クラブの状況、ゲームステータスなどの状況的要因および移籍期間中の各チームの変化に対する主観的な評価は完全に無視されている。
参考資料