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入院中「現在進行形の思い」〜第3日目: 全人的な健康への願い

(写真は入院中手首につけられるIDリストバンド:2022年1月23日撮影)

健(たけし)です。顔面神経麻痺のステロイド治療で入院しています。

入院中もお仕事ですか?と看護師たちに声をかけられながら、入院中の「思い」を書いております。

ハイパフォーマンス・コンサルタントとして、お一人ひとりの成長にお役に立つようにとの意図は一旦棚上げして、「たけし」という一人のおじさんとして退院するまで、しばらくは書くことにしました。

医療ケアを施すための情報

前回、入院生活の日常で書きましたが、入院患者についての様々なデータが毎日入院患者から取得されます。

体温、血圧、排尿排泄回数などを基本として、私の場合、血糖値、症状、気分などについてもラップトップの端末で、計測やヒアリングをしながら、看護師が入力します。

シャワーの希望時間や、白米を150gから120gにしてもらうなど食事についての要望などもこの時にお話しするわけです。

看護師さんからも質問があって、私の場合顔面神経麻痺ですので、顔の麻痺が酷くなってきているのか、快方に向かっているのか、目視して情報を入力していきます。

医療事故を防ぐため、入院患者にはID番号が宛がわれ、バーコードと一緒にリストバンドに印刷されます。(上の写真がそれです)

このリストバンドのバーコードを読み取って、点滴などの投薬を行うときにも確認が成されるわけです。

アレルギー対応食や私の場合減塩食など一人ひとり異なりますので食事についても、名札がトレーに置いてありますし、受け取る度に氏名を名乗って再度確認します。

また、私のように顔面マッサージなどのリハビリについても、理学療法士の施術の後、情報がシステムの中に取り入れられていきます。

このように収集された情報を基に医師も治療判断を行い、相応しい医療ケアが成されていきます。

心のケアを施すための情報

入院患者は気分がすぐれないことが多いでしょう。

そもそも、体調がすぐれないわけで、痛みもあれば苦しいわけです。

大部屋ではカーテンで仕切られているとはいえ、個室であってもプライベートな空間がないに等しいですから、リラックスしずらいこともあるでしょう。

加えていつ良くないって退院できるのか、手術や治療そのものに対する不安などもあるでしょう。

病気のことだけではありません。仕事を休んで入院している人は、仕事や生活への不安もあるでしょう。

入院患者の多くは高齢者です。介護を必要とする方がほとんどです。

入浴や排泄はもちろん、食事のヘルプも必要な方がいらっしゃいます。

これまでの入院で必ず耳にするのが、高齢者のうめき声です。夜に多いのですが認知症の方なのでしょう。何かを伝えたい心の動きが、うめき声や奇声を上げさせているのでしょうか。

このような心のケアを必要とするのも、入院生活だと思います。

検査機器や数値だけでは、捉えることのできない心のケアのための情報について思いが行きます。

言葉にして伝えることが難しいこともあるでしょう。カウンセラーやコーチが聞き出してくれるわけでもありません。

「医療=科学」という考えであれば、心のケアは不必要ですね。

しかし、身体の回復には心の有り様が影響するのも事実です。

全人的な健康

身体の不調で入院する人がほとんどだと思いますが、身体だけ健康であっても、それで健康とはいえないわけです。

2003年に「健康増進法」が施行されてから、20年近く経とうとしています。一昨年の喫煙に関する改訂で話題に上りましたが、「健康増進法」は喫煙や受動喫煙のことについてではありません。

この法律では、私たちの「健康」は国民である私たちの責任であると定めています。

健康な生活習慣の重要性に対し関心と理解を深め、生涯にわたり、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努める。

健康増進法第2条①国民

そして、国民の責務のために、国、自治体、医療機関などに「協力義務」を与えたものです。

「健康な生活習慣の重要性」とありますが、栄養のバランスの取れた適量な食事、適度な運動、十分な休養などをとって「健康の増進に努める」ことが求められているわけです。

直接的には定められていませんが、近年の脳科学の発達を待たなくとも、「病は気から」と言われているとおり、「心のあり方」が健康に大きな影響があるわけです。

心も身体も全人的な健康の増進に、それも「生涯にわた」って、私たち国民が責務として取り組まなければならないとは!

というよりこれは誰もが願うことですよね。わざわざ言われなくても。

AI時代のケア

AI時代には様々な情報によって人工知能が判断し最適なケアがなされるように益々なっていくと思われます。

医学も益々発展していくことと思われます。

AIに仕事が奪われてしまうのではないか、そんな不安を煽る発言もありますが、AIが得意でないことを思うのです。

その一つが「おもてなし」などの気遣いです。

病院で入院中の患者一人ひとりの不安や苦しみを、身体のデータにあわせてくみ取り、全人的な健康のためにケアを施す。

そんな技能が「人」に求められているのだと思います。

ビジネスでも「共感」がキーワードの一つです。

人の困りごと、悩み事に「共感」して、解決策としてのサービスの提供が求められています。

今回も長くなってしまいました。この辺で終わりにいたします。

最後までお付き合い頂きありがとうございます。


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