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明暗分かれ波乱の大会の予感~2022カタールW杯GL 1回戦を終えて

カタール時間の11月24日の試合で、本戦出場の全32チームが、1回戦を終えた。

好調な欧州勢

最も好調なのは、コスタリカを7-0と一蹴したスペイン。
何でも、この試合でスペインは、前半だけでティキタカとパスを537本成功させたらしい。恐るべし。
あまりにコンディションが良さそうなので、7試合戦う(ことになるんです決勝まで行くと)にはピークが早く来てしまう懸念もあり、優勝は難しいと思うけど、若手が伸び伸びプレーする魅力的なチームをルイス・エンリケ監督が作っていることは間違いない。

余談ながら、ドイツも日本に敗れたため、E組は今、一番ホットなグループとして注目されている(と思う)。

(準)地元であるイランをチンチンにやっつけたイングランドも、好調。
中盤で面白いようにダイレクトパスがまわり、これまでのイングランドの芸風にスペインフレイバーを加えた感じが、いかにも今後活躍しそうな雰囲気だ。

あと、オーストラリアに先制されても「怒涛の逆転劇」を演じたフランス。
(これまた余談ながら、2006年の日本1-4ブラジルを思い出してしまった。
スコアも同じだし。)

カンテ、ポグバといった中盤の要や、絶対的エースのベンゼマが怪我で招集できず、開幕前には連続優勝を訝しむ声も聞かれた。
ところが蓋を開けてみると、スピードとテクニックに優れたムバッペ、デンベレの両ウィングの破壊力が、凄まじい。
また、グリーズマンの円熟のゲームメイクも素晴らしく、ベンゼマの「代役」ジルーも絶好調で、これはひょっとしたらひょっとするかもしれない。

振るわない南米勢

一方振るわないのは、南米の国々だ。

アルゼンチンは、やっぱり(準)地元サウジアラビアに、痛恨の逆転負け。
メッシの状態はいいものの、チームとしては苦しいスタートになってしまった。

また、下馬評ではブッチギリの優勝候補と目されていたブラジルは、チームこそ2-0と危なげなく勝利したが、ネイマールが怪我で途中退場。
ビニシウスとリシャルリソンが絶好調だし、ディフェンスも安定しているので、グループリーグは危なげなく勝ち上がるだろうが、優勝候補かと言えば、先行き暗雲が立ち込めている感じ。

意外な伏兵たち

意外といいところまで行きそうなのが、A組のオランダ。
アフリカの雄セネガルを終了間際に突き放し、2-0の快勝。
往年の、絶対的点取り屋や快足ウィンガーが派手に点を決めるイメージは全くなく、昔のドイツのように「地味ながら強いチーム」で、ダークホースになりそうな雰囲気がある。

他の気になるチームは、1点先行したアメリカに追いつく「しぶとさ」を見せたウェールズ。
クラブではパッとしないが(失礼!)、ナショナルチームでは魂のプレーでチームを引っ張るベイルは、個人的に大好きな選手である。
欧州選手権では、2016年ベスト4、2020年ベスト16と好成績を収めているが、W杯は意外にも64年ぶりの出場。
イングランドも同居するB組で、存分に暴れて欲しい!

また、アフリカ勢が元気ない中、ひとり気を吐くチュニジアも面白い。
欧州の好チームであるデンマークとスコアレスで引分け、D組の2位争いが俄然面白くなった。

7大会連続でグループリーグを突破しているメキシコも、勝ちきれないアルゼンチンに代わってC組を牽引するチームになりそうだ。
もしかしたら、したたかにベスト8まで勝ち進むことになるかもしれない。

2回戦に期待

1回戦は、0-0の試合が4試合もあり、「つまらない大会になりそうだぞ」との声も聞く。
今晩から、2回戦。
グループリーグ突破のためには多少リスクを冒しても点を獲りに行く姿勢が出てくるので、よりオープンな試合が多くなることに期待したい!

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