火曜日しばらく雑記帳・15:論理パズルとジェイムズ・ウェッブ望遠鏡
火曜日の雑記帳、たまにすべって水曜日になっているが、そこは雑記帳、おおらかに考えよう。
今回すべったのは、火曜日の晩に友人との会食があったこと、それはわかっていたのに何も手をうたなかったこと、それからもう一つ、よくコメントをいただける吉隠ゆきさんの記事が気になってあれこれ考えていたためだ。
頭が固いのは私の悩みの種で、なかなか柔軟な発想ができないので、うまく解くことができなかったが、限定的ではあるが、答えを見つけることができた。他の方々のコメントなど見ているとなかなか参考になったし、頭の体操になってよかった。正解は上の投稿の次(論理パズルの解答)に投稿されていて、吉隠さんの見事な解答のほか、他の方の解答もコメント欄にあるので、興味あるかたは、うんうんうなってみてほしい。
ただ、嘘をつくつきかたに制限を与えないと(定義しないと)、正解といえる解答を作れないのでそこは注意が必要だ。頭をやわらかくして、三つ子への質問の仕方や回答のさせかたなどを広く考えると、様々な解答が考えられる。とはいえ、正解はただ一つであってほしい、と願う人には、もう少しいろいろ条件を加えてほしかったと考えてモヤっとするかもしれない。
実際には正解は出題者が定義するものなので、あまり気にしないほうがよい。正解がたくさんある問題は、選抜試験問題としては悪問としかいいようがないが、頭の体操にはよい。
普通に私たちが直面するほとんどの問題は、正解がない。
■ 昨日、James Web 望遠鏡の取得したイメージがNASAからリリースされた。
イメージはNASAのサイトからダウンロードできるので、リンクを貼っておこう。また、それぞれの画像に説明もついていて興味しんしんだ。
目に見えない赤外線のイメージなので、このような色で見えているわけではない。赤外線のフィルタに応じて色をマッピングして色をつけたものだという。
一般の人にわかりやすくするために、視覚イメージで印象的に訴える方法は科学の成果を広く知らしめるためには必要なことではある。研究者としては世間にセンセーションを起こすことで、より大きな予算を確保したいし、さらに多くの優秀な人的リソースも集めたい。しかし、そのイメージが独り歩きして完全な誤解をされたまま、メディアやSNSで広がってしまうこともままあり、大きな問題もはらんでいる。
また、像を結ぶための鏡のキャリブレーションや信号のノイズ処理や様々な信号処理技術によっているわけだが、こうあるはずである、こう見えるはずっである、ということが満たされるように作られていることは仕方がない。つまり、ある意味「理論に基づいて画像を作り、理論通りのものが見えました」という部分はどうしても避けられないと思う。
科学の成果が一部の専門家のみに専有されるようなことになるのは、科学自身の発展にとって弊害がいろいろあるし、せっかくの成果を社会へ応用展開するのに障害となるので、悩ましいところである。
やはり、うまいプレゼンにのせられて「よし、これで一儲けしてやろう」という人が出てこないとなかなか進むものも進まない、という面はあると思う。
■ 6月12日の雑記帳 12 でも中近東風ピラフ(あくまで「風」だ)を載せたが、やはりピラフ:炊きこみご飯ですな、は簡単にして美味しい。ついおとといに作ったのは、地中海風チキンライス。(あくまで「風」だ、パエリア風と言っても許されるかもしれない。)
写真の一皿の分量でレシピはつぎの感じだ。
1.鶏の骨付きモモ肉を油をひかずに皮目から焼き、いい焦げ色がついたらひっくり返して、ダイス切りのトマト1個と薄切りの玉ねぎ半個を入れてさらにローストする。火を完全に通す必要はない。
2.オリーブオイルに、みじん切りのニンニク1かけとクミンシードとコリアンダーシードを一つまみずつ入れて加熱し、しっかり香りを出してから、米 1/2合を炒める。
3.1のトマトと玉ねぎ、鶏の骨付きモモ肉を、2の上に順番に載せて、塩、プロヴァンスハーブミックスを適量、水を入れて蓋をして中火で炊く。沸騰してから 7-10分、様子をよく見て必要そうなら水を足す。炊きあがれば火を止めて15分ほど蒸らす。
3で炊くときに、ブイヨンを入れて炊いてもいいが、ブイヨンの味に染まるので良し悪しだ。私は、素材だけでしっかりと旨味が出るので、何もいれずにハーブと塩だけで調味するのが好みだ。緑の野菜も欲しかったが香菜も生のイタリアンパセリもなかったので、茹でたブロッコリを細かくして散らした。
しまった、見映えと味のためにレモンを、と思っていたのに忘れていた。あっという間に食べてしまったので、後の祭り。
■ 先週に気になった音楽をいくつか紹介しておこう。
1.すばらしいミュージシャンを発見してしまった。フランスの女性のドラマー、Anne Paceo (アンヌ・パセオ)。フランス出身でコートジボワールで幼少の時を過ごしたという。力強く重厚なドラムスとパーカッションのリズム、そしてボーカルが絶妙にマッチして、キーボードやサックスも含めてドラマティックなアンサンブル、これまで聞いたことがないような不思議な楽曲がいい。
今年2022年リリースの "S.H.A.M.A.N.E.S"、ライブとオフィシャルビデオのビデオクリップ、そして、アルバムへの Spotify リンクを貼っておこう。必聴だ。
もう、完全にノックアウトされてしまった。彼女のことは、いずれ、たぶん2-3週間後の木曜日に取り上げる。
2.前から気になっていたイスラエル出身のギターの Gilad Hekselman (ギラッド・ヘクセルマン)。こちらはクセのある楽曲ぞろいだ。
2022年リリースの "Far Star"
口笛のメロディから始まる1曲目、どこかで聞いたことのあるようで違うメロディライン、ちょっと不安を感じさせるアンサンブルと音作りと構成、道に迷って日が暮れて深いオレンジ色に西の空が染まって、誰もいない公園のわきの道にポツンと残される感じだろうか。
続く、"Fast Moving Century" もどこかで聞いたことのあるリフやメロディでありながら混沌として不安な感じが悪くない。
全体的に構成も複雑で、なかなか捉えにくいが、面白い。ただし、少し薄い印象だ。ただ、聴くほどにますます好きになっていきそうだ。
3.イスラエルのフルート奏者 Mattan Klein (マッタン・クレイン)は、これまで知らなかったのだが、なかなか良い。2021年のアルバム "The Long Run" は、ローズのキーボードも、まとまっていて丸いトーンのギターもなんとなく懐かしく落ち着いて聴いていられる。ブラジルのテイストもあり、初期の Return To Forever を思わせるサウンドで流しで聴いていても邪魔にならない。
フルートのジャズといえば、ハービー・マンを昔よく聴いた。やっぱり、メンフィス・アンダーグランドはいつ聴いてもいい。
4.U.K.ジャズの Ishmael Ensemble (イシュマエル・アンサンブル)もここのところ、よく耳にひっかかってくる。
エレクトリックな音やボーカルをうまく交え、神秘的な音作りとリズムが心地よい。とはいえ、名前に惹かれてというところもあり、あまりしっかりと聞きこめていない。もう少しじっくりといろいろ聴いてみようと思う。U.K. のジャズシーンを追いかけている人には有名だろう。
U.K, といえば、サックスのヌビア・ガルシア。この人はいい。
■ 昨日の朝、ミンミンゼミが鳴いているのを、この夏、初めて聞いた。今年は「梅雨が明けたでしょう宣言」が6月末には出て、それ以来カンカン照りで暑い日が続いていたが、セミの鳴き声が聞こえない不思議な感覚の日々ではあった。
そして今週は天気はぐずついてかなり気温が下がったので少しはマシになった。京都は祇園祭りで、明日14日から16日が宵山、17日が巡行、たいてい、このころざっと大雨が降って、梅雨が明けて夏になる。
今週末は北九州から娘と婿に孫娘の一家が東京に遊びにくる。大変な週末になりそうだ。