火曜日しばらく雑記帳・26:プラネタリー・ディフェンス 小惑星衝突から地球を守る
私たちは自由な行動において自分の全存在を凝縮して前方に投げようとするとき、動機や動力を多少とも明晰に意識している。厳密にいえば動機や動力が組織されて行為になる過程までも意識する。
ベルクソン「創造的進化」p.282
■さきほど、ネットでニュースをザッピングしていたら次の記事が見つかった。
"DART"は、"Double-Asteroid Rediretion Test" の略で、直径約160m の小さい小惑星「ディモルフォス」に、重さ500kg のDART探査機を秒速 6km/s で衝突させて、その軌道変化を調べる探査計画だ。このディモルフォスはより大きな直径約780mの小惑星「ディディモス」の周りを公転している。つまり、ディディモスが地球のように太陽の周りを公転し、ターゲットのディモルフォスは地球にとっても月のようにディディモスの周りを回っているということだ。
衝突によって軌道が変化しても変化量も小さいので、大きく弧を描きながら飛んでいく天体にぶつけても、変化を観測することが難しい。しかし小さい半径で公転している天体ならば、軌道・周期の変化を観測しやすいというわけだ。
そして、この先、Hera という探査計画があって、こちらは打ち上げが2024年10月、現地到着が2027年1月が予定されていて、DART衝突後の様子を詳細観測する予定になっている。
このような探査の意義や位置づけや実際については、今年の7月2日に行われたイベント「アステロイドデー2022スペシャルトーク」で第二部「小惑星衝突を回避せよ!」で紹介されている。
[2022/7/2 YouTube] Asteroid Day 2022:アステロイドデー スペシャルトーク
前半の吉川先生の話(1:06:00くらいから) も流れるようなプレゼンで全体像がわかりやすく、DARTについてはとくに後半のアメリカのオーバーン大学の平林氏の講演(1:20:58くらいから) でが懇切丁寧で盛沢山、とても詳しく紹介されている。興味のあるかたは是非みていただきたい。
プレゼンの魅力を伝えるために、2枚ほどキャプチャしたスライドを貼っておこう。
このイベントをオンライン聴講した記事については、以前に、火曜日しばらく雑記帳・14で記しておいた。
プラネタリー・ディフェンス、天体がもし地球に向かってくるとすると人間のできることは限られている。しかし人間ならば一歩一歩努力する。たとえそれが無限小に思えるほど小さい一歩で時間のかかる一歩であっても。
楽してすぐに役に立つこと、タダ、ポイント、裏技、そんなことばかりもてはやされる世の中だし、根拠のない万能感を持つ向きも多いようだけども、宇宙の中で人間はいかに小さいものであるのか、にもかかわらず、こういう活動が地道に進められていることを知ることは大事なのではないかと思う。
■汁おかずは簡単に料理できるので、忙しいときにもよく作る。「ニシンとなすびの炊いたの」は京都では夏のお惣菜だ。家のおばんざいなので、気取らずに鍋にたっぷり炊いて食べるのが普通だと思う。身欠きニシンをいったん茹でこぼしてから、鍋でコトコト炊く。ニシンだけで最初の30分ほど、短冊にした茄子と切れ目を入れたしし唐(今日は山科唐辛子、伏見甘長でも美味しい)を投入し、かつおとこぶ出汁でじっくり炊く。味付けはお酒と醤油だけでよいだろう。
カボチャもおいしい。
シルバーウイークの火・水・木は京都の自宅からリモートワークで仕事していたけれども、気が急く平日の昼食は、段取り次第で時間が定まらない。会議の合間の空いた時間を見つけて食べる、という具合だし、25分で料理して5分で食べる、という具合で妻へのプレッシャーがきついので、私の昼食は私が調理して食べることにしていた。まぁ、いつものメニューだ。
■先週にひっかかった音楽を何曲か。
1.先週にリリースされたポーランドの凄腕ギタリストのヤコブ・ジデツキのシングル、"Heart"、彼らしい世界観の幻想的でノイジーな音作りが相変わらずいい感じだ。
YouTube で目についた2017年のビデオクリップもよかった。スウィープピッキングを効果的に使った独特のフレーズを堪能できる。
以前に記事に書いたことがあるので、気になるかたはそちらもどうぞ。
2.U.K.のジャズシーンで活躍しているというギタリスト、マンスール・ブラウン。先週リリースされたシングルは "No Way."
パーカッションとギターのアルペジオが繰り返す単純な構成のバックに、シンセやギターの音を淡く重ねるように作られている。強い主張のあるメロディはなく、絶え間なく降る雨をバックに風景が浮き上がるようだ。
2018年のアルバム "Shiroi" (日本語の「白い」からとったらしい)、がデビュー・アルバムだという若手で、この人も、ディストーションとディレイを深く効かせた幻想的な音で鳴らしている。
2020年のEPは "Testo" (「テスト」らしい)、2021年のアルバムは "Heiwa" (「平和」だろう) なかなかの日本かぶれでもあるようだ。
特徴となるわかりやすいテクニックを見せつけるわけではないし、元気のいいいメロディでノリノリ、というのにはほど遠いが、ぼんやり聴いているとなかなかじわじわとしみてくる。
3.ブラジル出身のジャズ・ピアニスト、イリアーヌ・イリアスのシングルが先々週と先週 "Você e Eu (You and I)"、1曲づつリリースされた。新しいアルバムがそのうち出ることだろう。
いい感じのボサ・ノヴァで歌も軽やか、軽く聴ける仕上がりだ。
そして去年リリースされたチック・コリアやチューチョ・バルデースとのピアノデュオのアルバム "Mirror Mirror" が2022年の Latin Grammy にノミネートされたということだ。
一曲目がチック・コリアの "My Spanish Heart" の "Amando's Rhumba"だ。
他にチック・コリアとは、"Blue Bossa"、"Mirror Mirror"、"There Will Never Be Another You"といったスタンダートの曲を計4曲、リラックスした演奏を聴かせる。チック・コリアとの録音は2018年、「イリアーヌは本作のミックスダウン中にチック・コリアの訃報に接した」ということだ。
キューバのピアニスト、チューチョ・バルデースとは3曲、私にはなじみが曲ばかりだが、いずれもスペイン語の名曲ばかりということだ。
詳しい解説が次のサイトにあったので参考までに。
4.こちらも新作のアルバムが待ち遠しい、シチリアはパレルモの凄腕ギタリスト、マッテオ・マンクーゾ。
オリジナル曲の "Silkroad"のギターソロ、YouTubeでは先々週にあがったばかりだが、2月に撮ったものらしい。「アップロードするのを忘れてた」ということだ。素晴らしいソロで惚れる。
■土曜日の京都は台風の影響はほとんどなく、雲がきれて晴れ間がのぞくまぁまぁの天気。湿度が高いが、気温はちょうどいいくらい、いつものコースを 15.2km、 楽に走ることができた。
昨日、”GTD Getting Things Done"、と題して仕事への取り組み方についてコツというか考え方というか、そんなことを書いてみたら調子に乗ってしまい、約6700文字、今日の火曜日の雑記帳はスキップしようかなと思いつつ、やはり少し力が入ってしまった。
偉そうに書いたものの、最近、英語の勉強が滞りがちだし、読書も思うように進まない。
いつの間にか今年も残すところ3か月となってしまった。最後のクオーターに突入する。時間の使い方を見直して、ちょっと心を入れ替えなければならない。
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