地中海の風・2:アナ・モウラ Ana Moura "Leva-me Aos Fados"
ポルトガルの歌謡曲でファドと呼ばれるよいのがあると聞いてはいたが、迂闊なことに、これまでほとんど聴いていなかった。きっかけは忘れたが、今年に入って、たまたま、私のレーダーにファドのシンガー・ソングライラー アナ・モウラ (Ana Moura) がひっかかった。4月末に ”Andrinhas” という曲をリリースしたのが私の心にとまったのだ。ポルトガル語で「つばめ」という意味らしい。
アラブの雰囲気もたっぷりとある哀愁の漂うビデオクリップは、白い建物や強い昼の光と影、夜景とのコントラストもよく美しい。
シンプルで綺麗なジャケ写もいいので、いくらか気に入ってとても気に入った。
続いてもう一曲、”Jacaranda”という曲もリリースされた。
早速、Spotifyでフォローし、以来、よく聴いた。
ガット・ギターと12弦のポルトガルギターを使ったアンサンブルと哀愁のこもったメロディー、そして力強く深い声、それらがポルトガル語の響きとともに、地中海から大西洋を望み、海岸の崖の上からはるかな水平線に夕陽が沈むのを見ているような、そんなエキゾチックな気分に浸ることができる。
まず、2013年リリースの “Desfado” が気に入った。1曲目のタイトル曲はテンポよく軽快、続くAmor Afoitoも明るい雰囲気がいい。 A Case Of You はジョニ・ミッチェルの曲で英語で歌っている。少しハスキーな深い声が曲によくマッチして、しっとりと歌いあげ、聴き惚れる。ギターを中心にした柔らかいアンサンブルもいい。ジャケ写の笑顔も最高だ。
伝統的なファドの枠におさまることなく意欲的に自分の音楽を広げる懐の深さが魅力的だ。
2009年の “Leva-me Aos Fados” もよい。もっと伝統的なファドに近い印象だが、やはりフォーク・ソングやクラシックの要素を取り入れたともいう。(Wikipedia)
他のファド歌手も何人か、聴いてみた(*1)。ここに紹介してみようか、と思ったのだが、まだファドを聴き始めたばかりなのでなかなかそれぞれの魅力を書くこともできない。これからもっと聴き込んでいるうちに、気が熟してくれば、ここに記事にしていくことになるだろう。
自身の名前を冠した 2016年のアルバム ”Moura”、私がつたない言葉で紹介するより、タワーレコードのサイトから引用しておこう。
・・・関係あるところだけの最小限一部の引用だけにとどめようと思ったが全文引用になってしまった。削るところがない。少ない字数のなか、無駄なく、リッチな内容の紹介文だ。さすがにプロの文章は違う。
ファドというと、小さいレストランで歌われるイメージがある。天井に照明器具はなく、各テーブルに蝋燭が灯され、ワイングラスが輝き、きっと白い壁だ。
たとえば、リスボンの「セニョール・ヴィーニョ(Sr. Vinho)」というファド・レストランのインスタにイメージぴったりの写真があった。
もちろん、アナ・モウラのようなスターになると、大きな劇場やホールでのコンサートだ。
観客をあおり、楽しそうに艶めかしく腰をふりながら歌う、アルバムを聴いているだけで受けるイメージとまた違った魅力がある。
アルバム “Desfado” からの一曲、スタジオでのライブをもう一つ。
ますます惚れてしまった。
日本国内でもファドを聴けるポルトガル・レストランがあるようだ。そのうち訪ねてみたいと思っている。
■ 注記
(*1) 関連するミュージシャンもどんどん探していろいろな音楽を気軽に聴けるようになり、いい時代になったものだ。
他にも次にあげるファド歌手をフォローして聴いている。( )の内側はピックアップしたアルバムの名前、リンク先は Spotifyの アルバム・リンクだ。
Cristina Branco (Idealist)
Joana Amendoeira (Na Volta da Mare)
Luisa Sobaral (Camomila)
Sara Correia (+ Do Coracao)
どの歌手も若い。このなかでもサラ・コレイアは1993年生まれ。すでに堂々とした歌いっぷりである。先が楽しみだ。
■ 関連 note 記事
■ 関連 マガジン
1. 好きでよく聴いているミュージシャンを紹介。毎週木曜日に更新中。ギタリスト多め、たまに懐メロ。
2. 愛している女性シンガーに特化したのが、我ながらベタな名前だと思うが「世界の歌姫たち」。こちらはさらに愛している思いのたけのみの記事ばかり、週一、毎週火曜日に新しい記事を書いている。懐メロ多め。
3. いずれも、耳もあまりよくないし、知識も少ない、語彙力もない、なので、基本YouTubeやSpotifyのリンク貼り付けと「好きだー」「愛している」というだけの記事ばかりになっているし、そうなっていく。
私本人が楽しく書いていることだけは間違いない、それだけは伝わるだろう。