ヘティ・クース・エンダン Hetty Koes Endang "Berdiri Bulu Romaku"
「世界の歌姫たち」という我ながらベタな名前だなと思うマガジンを作って、愛している女性シンガーばかりを週1で投稿していこう、と衝動的に始めたが、今回はその第7週目、インドネシアから、ヘティ・クース・エンダン (Hetty Koes Endang)だ。
先週、マレーシアの歌姫、シティ・ヌールハリザを紹介したが、シティ・ヌールハリザの2016年のライブ・アルバムで、ヘティ・クース・エンダンと共演しているのがある。
貫禄たっぷりいけいけお母さんとスマートな娘さんといった風情だ。
念のため、まぁ、間違えることはないと思うが、左側の紫の衣装のお姉さんがシティ・ヌールハリザで、右側の銀色の衣装のお母さんが、ヘティ・クース・エンダンだ。
曲は "Berdiri Bulu Romaku" 「うぶ毛がそそり立つ」という1990年ごろの大ヒット曲だから、観客席との掛け合いも面白い。オリジナルのビデオクリップが、たぶん、当時のTV番組の放送だろうか、YouTubeに上がっていた。
念のため、まぁ、間違えることはないと思うが、黄色いジャケットを着たお姉さんがヘティ・クース・エンダンだ。
1957年生まれというから、来年に65歳になる。20歳前にデビューし、すぐに大スターになったというから、シティ・ヌールハリザとも重なる。1980年代から大ヒットを飛ばしその名声は日本にも届いて私も1990年前後に知り、よく聴いた。手元に残してあるCDがその「うぶ毛がそそり立つ」で、ジャケットの写真も楽しいアルバムだ。
インドネシアというと、青銅の交響曲とも言われるガムラン (Wikipedia) の印象が強いかもしれない。また、クロンチョン(Wikipedia)という伝統歌謡もある。そして、多民族の集まるインドネシア、それぞれの民族ごとに民族音楽があり、それを現代のポップス風に演奏した、ポップなんとか、というのがあり、また、そのポップなんとかで、欧米のヒット曲をカバーするジャンルがあって、それぞれその第一人者がいる、など、まさにポピュラー音楽のルツボといってよい状況だと聴いている。最近の状況は不明なのだが、少なくとも1990年ごろはそう教わった。たぶん、今でもそうであろう。
現地では、レコードやCDではなく、カセットテープで広く流通していた。日本ではカセットテープはすでにマイナーだったし、なかなか日本での入手はしにくかった。一週間のアルバイト給料を握りしめて大阪・神戸まで行って探し回った覚えがある。それだけに、評判の歌手の音源を見つけると嬉しかったものだ。
私は、スンダ地方の音楽、ポップ・スンダを好んでよく聴いた。デティ・クルニアが大好きだが、この人は別の機会に譲ろう。
そういったなかで、インドネシア語で歌うのが、ポップ・インドネシアで、どちらかというとエスニックな感じが失せる方向だが、聴きやすいと思う。
ヘティ・クース・エンダンは、そんな豊かな歌謡シーンの大スターなのだ。
伝統的なクロンチョンから、ポップ・インドネシア、ダンドゥット、ポップ・スンダ、ポップ・ミナンまで幅広く歌いこなす。他に類を見ないペースでアルバムを発表し、その数は150種類以上ともいわれる。
(Wikipedia)
ヘティ・クース・エンダンのクロンチョンはたくさん見つかるが、たとえば、ついこの間リリースされたばかりアルバム、昔の演奏の再リリースかと思うが、一回聴いたら虜になるかもしれない。熱帯の島の透明な遠浅の白い砂浜の海岸で、ゆったりと打ち寄せる波を見ながら木陰でくつろいでいる気分になることであろう。
ポップ・スンダも、たとえば、次のアルバムならどうだろう。サウンドとアレンジは少し好き嫌いが出るかもしれない。
インドネシア歌謡について多くを語れるほど詳しくはなく、ポップ・ミナンはより不案内なのだが、Spotifyでアルバムを聴ける。いい時代になったものだ。
どうだろうか、ヘティ・クース・エンダンは、他にもいろいろありすぎて、とてもじゃないけど紹介しきれない(*1)。
その伸びのある歌声で自由自在の歌いっぷり、ちょっとコミカルなところもあるイケイケの明るい雰囲気はちょっと落ち込んでいるときも気分が明るくなることであろう。どの曲を聴いてもマジックな歌姫だ。
愛しているとしか言いようがない。
■ 注
(*1) 1万字くらい書いて100ほどアルバムを紹介、関連歌手の紹介も含めないと、コアなインドネシア歌謡のファンの人からは怒られるかもしれないが、私の手には余るので勘弁してほしい。。。
基本、この「世界の歌姫たち」は、私が愛する女性シンガーについて、YouTubeやSpotifyリンクがメイン、愛は込めるが書きっぱなし、語るべき言葉も不足、耳もあまりよくないので、基本、「好きだ、愛している」と言うだけだ。
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