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トニー・ウィリアムス:Tony Williams "Angel Street"

最近、イタリアのジャズ・ドラマー、アレッサンドロ・ナポリターノの シングル、"Uplifting" を聴いて、トニー・ウイリアムスを思い出した。1988年の "Angel Street" が、どの曲もご機嫌で元気の出るアルバム、よく聴いた。一曲目のタイトルソングがとにかくいい。

どんより気分が落ちているときでも、さわやかな休日の朝でも、どんなシーンでも合う。とにかくトニー・ウイリアムスのドラムスが歌っている。派手なシンバルやフィルインもいい。フロントのソロを邪魔せず彩る。

ウォレス・ルーニー(tp)、ビル・ピアース(ts)、マルグリュー・ミラー(p)、チャーネット・モフェット(b)、トニー・ウィリアムス(ds) の布陣で、3曲(2、4、8)の短いドラムソロをスパイスに、どの曲もストレートで元気のいい楽曲と演奏だ。

ジャケットの写真も美しい。

トニー・ウイリアムスは、1963年から1969年の間、ハービー・ハンコック、ウエイン・ショーター、ロン・カーターとともに、マイルスの黄金のクインテットでドラムスを務めた。このクインテットで一番好きなのはネフェルティティ。


マイルス・バンドを離れたあと、ジョン・マクラフリンやアラン・ホールズワースなどと、エレクトリックでプログレッシブなグループを作っては解散したし、マイルスバンドの再現のようなハービーハンコックらとのV.S.O.P.もよかったが、やはり、1980年代後半の自身のクインテットが素晴らしい。


1985年に "Foreign Intrigue" をリリースした。このアルバムは、当時に話題だったエレクトリックのドラムス「シモンズ」を使っているところなど、少し意気込みが前のめり気味な感じもするが、こちらも、テンポよくわかりやすいいい楽曲が揃っていて元気がよく楽しめる。

ヴァイブの音もよくなじんでいるし、どの楽器もよく歌っている。どの曲もいいが、やはりここは "Sister Cheryl" を聴いていただきたい。


いろいろ冒険を繰り返した後に、ついに自分自身のやりたい音楽を、若い腕利きのミュージシャンとともに作れるようになった、という感じかもしれない。

1997年に、52歳という若さで惜しくも天国に旅立ってしまったが、生きていたら、もっとゴージャズでストレートでかつ新しい音、そんな音楽を創ってくれたのではなかったか、と思う。

私は、ドラムスはあまり詳しくはないが、トニー・ウイリアムスのドラムスは大好きで、派手だけど端正で綺麗、という感想だ。

一流のドラマーが語った記事があるので貼っておこう。私の駄文を読むよりこちらを読むべし。

ドラムキットの専門的かつ簡潔でわかりやすい解説も交え、素人でもわかった気になれる。


まだまだ、トニー・ウイリアムスへの愛を語り足りない気もするがまぁ、いいだろう、今回はこのくらいにしておく。


■関連 note 記事

イタリアのアレッサンドロ・ナポリターノ、ついこの間リリースされたシングルは"Uplifting" 、こちらも元気の出るドラムス。

最近リリースされたアルバム "Everything Is Changing"からのシングルだ。


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