ブラジルの若手天才ギタリスト:ペドロ・マルティンス
現代の若者は、センスよく高度なテクニックも持ちながら、より自由でしなやか、そんなふうに感じる人を多くみかけるような気がする。もちろん、テクノロジーの進化もあれば、かっこ悪くても、ジャズだ、ロックだ、いやジャズロックだ、などなど粋がっていた先輩たちの歴史があって、今がある。
ブラジルのペドロ・マルティンスを最初聞いたのは、現代ジャズギターの皇帝と一部で言われている、カート・ローゼンウィンクルのアルバム・CAIPIだ。
なんとしなやかな感性だろうか。それまでのカートのアルバムとは異なる宇宙から漂ってくるようなしかも暖かい、浮遊感のあるボーカルにギターとアレンジ、リズム。ちょっと調べて、1993年生まれだというから驚いた。私の娘と同年代だ。
見た目は痩せぎすで、どこにでもいそうな控えめで気どりのない青年だ。超絶テクニックを誇るわけではなく、音色にしろなんにしろ強烈な自己主張はない。
ブラジルには、1996年生まれという若手で凄腕のベーシストのミシェル・ピポキーニャもいる。二人のデュオのライブ音源はYouTubeでもある。これは聴きごたえあり、何度聴いても、どこから聴いても飽きない。
2020年に、二人の名義でアルバムを出している。
個性は「私の個性はこれである」と自ら言ったり行動したりするものではなく、自分が自然とそうあるようにしかない、そのありようが個性なのだ、と思いおこさせる。
・・・もっとも、そのようにして強烈な個性を持つ人もいるのだけれど。
とにかくこの先がとても楽しみなミュージシャンだ。
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