Shakti 50th Anniversary
シャクティが今年で結成50周年ということで新しいアルバム “This Moment” をリリースしワールドツアーを行っている。メンバーは、私が天上に生きる神と崇めるギタリストのジョン・マクラフリン(John McLaughlin)、そしてタブラ奏者のザキール・フセイン(Zakir Hussain)に加え、ボーカルはシャンカール・マハデヴァン(Shankar Mahadevan)、バイオリンにガネーシュ・ラジャゴパラン(Ganesh Rajagopalan)、パーカッションにセルヴァガネーシュ・ヴィナヤクラン(Selvaganesh Vinayakram) の5人編成だ。
御年81歳のジョン・マクラフリンも、もう71歳になったザキール・フセインも、相変わらず超高速超複雑フレーズを応酬、スリル満点でエキサイティングだ。バイオリンの演奏も溌剌とすばらしく、そして、今回はボーカルを迎えさらに各曲の表情が豊かになったと思う。
ユニゾンのテーマもいいし、ソロも楽しめるし、なんといってもボイスパーカッションのコナッコルの応酬の醍醐味も楽しい。
シャクティ名義では、これまで1976年のデビューアルバムから1977年まで3枚のアルバムしかリリースされていない。だから今回のアルバムが46年ぶりの新作ということになる。
デビューアルバムはバンド名を冠したライブアルバムで、気に入っている一枚だ。このときは、John Mclaughlin (g), Zakir Husssain (tabla), Lakshminarayana Shankar (vn) , Ramnad Raghavan (pc, mridangam.), T.H."Vikku" Vinayakram (pc,ghatam.) の5人編成で、ジョン・マクラフリンは特別誂えの多数の共鳴弦を張ったアコースティックギターを弾いている。
1曲目のjoyからライブならではのスリルあふれる疾走感あふれる演奏だ。2曲目のLotus Feetもいいし、3曲目は29分の長尺だが、リラックスして楽しむことができる。
シャクティは、リリースされたアルバムの数は少ないがライブでは断続的に活動しているし、Remember SHAKTI という名義で数枚のアルバムもリリースされている。
私が手元に持っているCDは1997年のツアーで U.K. でのライブを収録したものだ。
YouTube: Remember Shakti - Live at Jazz a Vienne
メンバーは、コアで創始者のジョン・マクラフリンとザキール・フセインを中心に、そのときどきで予定が合うメンバーで活動していた。時に、サントゥールのシヴクマール・シャルマが加わるなど、サウンドにも若干バリエーションがあって、YouTubeで探すと、いろいろ観ることができる。
そして、2020年に、ジョン・マクラフリンの単独名義で、シャンカール・マハデヴァンにザキール・フセインとともに、"Is That So?"というアルバムをリリースしている。
どちらかというと内省的な作品が多いが、シャクティの新作リリースの準備が整ったということだったのではないだろうか。それが COVID-19のパンデミックに見舞われてしまった。
ロックダウン、インドの苦難、そんな辛い3年間を乗り越えて満を持してリリースされた46枚目の新作 "This Moment" アルバムのタイトルにも万感の思いがこもっているのではないだろうか。
ワールドツアーも終盤、今、米国内を回っている。Facebookにはその様子が公式アカウントから流れてくるので、それを見ているのも楽しい。
[2023/10/11追記] facebook link: https://fb.watch/nBcWY1bY1e/ 11分50秒あまりの曲のライブ演奏を聴ける。
そして、NPRの Tiny Desk Concertも収録したということで公開が楽しみだ。
[2023/11/3 追記]
10月30日に YouTube で公開されたので、さっそく貼っておこう。"Shrini's Dream" "Lotus Feet" "Bending the Rules" の 3曲で20分程度、スリリングで楽しい演奏を視聴できる。
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