マジック・タッチ・2:Ichika Nito, Yvette Young, 大象體操(Elephant Gym)
2週間前に右手と左手と両手でギターを弾けるギタリストとしてスタンリー・ジョーダンについて書いた。一時代を築いた人だし、また、やはりワン・アンド・オンリーの人であることは多くの人が認めるところだと信じる。そして、私にとっては懐かしさと思い入れもある。しかし、今は、2021年だ。現在のギターの演奏テクニックの地平を見ている人にとっては、奏法そのものは、それほど驚きではないかもしれない。
最近、私が気に入ってよく聴いているマジックタッチのギタリストといえば、この人、Ichika Nitoだ。YouTubeでこまめに動画を配信していて、どれも面白い。面白いと思ったものを全部ここに上げると、Ichika Nitoチャンネルと同じになってしまう。あえて、2曲だけ選んでみよう。
ちょっと音の線が細いのが、物足りない気もするが、そのテクニックと楽曲のオシャレ度は、それを補って余りある。
最近、こういった感じの曲がよく流行っているのか、あるいは、似たような演奏スタイルの人を聴くと似たテイストになるのか、アメリカの若手の女流のマジックタッチの人は、この人、Yvette Young。Covetというバンドのリーダーでもあるらしい。なんで曲名が「渋谷」なのかは知らずにいるが、なかなかいい感じだ。
みな、指の力も強いんだろうなぁ。
台湾の 大象體操 Elephant Gym も似たテイストでよい。ただ、こちらのタッピングの達人はベースでボーカルの女性だ。このバンドもメチャメチャ気に入っていて、何年か前からよく聴いている。きらびやかな音色で歯切れのよいギターも、ドラムスもまとまりよく、かっこいい。
2018年に、ライブの動画をたまたまYouTubeで見つけて、惚れてしまった。
つい最近、こちらの曲もリリースされていて、相変わらずよい。
こういった最近の音楽を聴いていると、瑞々しい感性、インテリジェントな音に高度なテクニック、そして、さらっとしていて商売っ気がないというか、ガツガツしたところがない、というか、そういうところが私は好きだ。
「最近、仕事でそういう人に久しく出会うことがない」という人は、斜陽な業界にいるのかもしれないし、ちょっと活きの悪い若者が集まる会社なのかもしれないので、要注意だ。
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