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T²-Tourbillon

注意
 当方の製作工程は全く参考になりませんので、その…真似しないでください。(*- -)(*_ _)ペコリ

2022年冬
 新たな時計の製作に着手していました。
 というのも、年明けに成人式や同窓会があり、その際に着けていく腕時計が欲しかったのです。まあ買うというのが一般的な考えなのですが、あまり好みのデザインが無いし、一生に一度のイベントですのでどうせなら、世界に一本、ここでしかお見せできませんという事で、自分の中でのイベントの価値を上げていこうという算段でした。

構想
 完成品の写真でもお分かりだと思いますが、今回は中華製のトゥールビヨンを使用することに致しました。
 いつもは500円のクォーツ時計を改造していますが、今回は機械式です。
 私の過去最高額の作品になってしまいますね…

右は大昔にデザインしたもので、左が今回向けに少々アレンジしたものになる。

材料

  • 腕時計(トゥールビヨン)

  • 真鍮板

  • ステンレス板

  • 蛍光テープ

  • スプレー(黒・紺)

ベースに使う時計

 今回使用する腕時計です。
 フリマにて仕入れてきました。

 一旦バラして、ケースの寸法を測ります。今まで触ってきた時計よりも複雑なうえに、時間的金銭的に一発勝負なので、かなり緊張してました。

設計

 寸法出しが終わったらCADを立ち上げて、文字盤のサイズ、建物の配置などを決めていきます。

 大きめの図と、原寸大サイズを印刷して、原寸大はカッターで切り抜き、ケースにはめ込んで、確認していきます。

部品製作

 部品を金属板から切り抜いていきます。クランプとコルクコースターと廃材を組み合わせて出窓に彫金台を作りました。独立時計師である菊野さんの時計製作工程でも度々見かけた、この糸鋸で切り抜く作業、かねてより憧れていました。

 切り抜き終わったらヤスリで建物の形を出していきます。

切り抜き8割終了時

 キャリッジが入る穴を開けます。

彫金
 …と言っていいのか怪しいですが。建物の輪郭や、窓の表現を出すために彫ります。
 最初はビュランを買ってやろうと思ってみたのですが、

 アートナイフでも意外と行けたので、これで行きます。

塗装・貼り付け

 塗装した後、蛍光テープを切り抜いて貼り付けます。
 先に言っておきます。飛行船失敗しました。

蓄光テープの切り抜き作業 
剝離紙を取って貼り付け

発光時の視認性テスト

発光時の視認性テスト
星空をイメージして、所々塗装を剥がしてみましたが、無い方が良さそうですね。

初蛍光塗料…失敗

 このシリーズは夜光にするデザインと言うのが大前提なのですが、正直カッターで刻んだくらいの幅、深さでは厳しいと私も思いますが。
 とりあえず気持ちだけでも感覚で塗ってみました。

 今回使用した蛍光塗料はnuroで実際腕時計の針などにも使えるとのことで、コチラを選んでみました。

 塗りあがったのが下の写真ですが。やはり厳しかったですね。
 ブラックライトで照らしてあげると、観覧車などが光ってくれます。

金属部品を貼っていきます。全体的なバランスを気にしながら慎重に接着。

組み立て

 ケースの中に入れていきます。この2時間後に実家から迎えが来るので、やや急ぎつつ過去一集中しておりました。

流石に写真を撮ってる暇も御座いませんでした。申し訳。

 30分後…なんとか組みあがり、時計機能も問題なさそうです。

 私の作品を見てくれてる方は分かると思いますが。マークを入れ忘れてしまっています。この工程は実家で行っていましたが、その前に高校のクラスでの飲み会があったのでそっちではマークなしで行ってまいりました。
※2名の携帯の中にはその時の写真が入っております。(笑) 貴重です。

飲み会の翌日にマークを描き込みました。
そして、T²-Tourbillonが完成です。

 なんとか、実用できるレベルに仕上げて式典などに出席することができたので、安心感ととりあえずの達成感がありました。同窓会の際、グループのギルカと一緒にロボコンに誘ってくれた中学技術の先生にも見せる事ができたのは個人的に大きかったです。

 ただこのままMFT等のクリエイター向け展示会で見せる機会でもあればなと思いつつも、それは叶わぬ夢でございましたとさ。

小話


 実は上の話はかなり抜粋し、製作に直結したことを書き連ねておりますが、完成までの間に「なぜ」や「焦った」などの小話も御座います。

そもそも何故トゥールビヨン?

 これに関しては単に「私も他の方も見てて面白い」と言った理由ですね。今回の作品はこれまでの作品とは違い、実際に人に見てもらえる機会があったので、率直に凄い!と言ってもらえるような作品にしたかったというのが御座います。
 実は真面目な話、今も対外ですが就職したら当然時間が取れる訳が無いのは目に見えた話なので、作品作りを辞めること等諸々の考慮したといったやや黒めな話も交えております。そういった意味では、そこそこの出来は一本は残しておきたいと思っており、複雑機構のトゥールビヨンを選ばせて頂いたのですが。これが後に後悔することになります。
 

ムーブメントの変更

 実はムーブメントは本来Esop社の機械を使わせていただく予定だったのですが、導入元がアリエクスプレスなので、届いただけでも凄いですが、開けたらアマゾンで数百円で買えるようなクォーツ時計だったんですね。なので、慌てて仕入れた機械が今回の物です。
 裏側が好きで選んだのに仕様変更せざるを得なくてさすがに落ち込みました。

実は針も作っていた

 本編で掲載した画像でお気づきの方もいらっしゃったと思いますが、実は針も作っていました。ではなぜ使わなかったのか。
 それは、トゥールビヨンのキャリッジと時針の接触によるもので、ハカマが無いと無理なようでして、あいにくハカマが作れる旋盤などは持っていないので、既製品の針に変更したしだいです。
 ただ悔いはありつつも、既製品の方がシュッとした感じで良いなと思ってしまいました。

肝心な部分を切った

 初期案を見られた方は分かると思いますが、トゥールビヨンのキャリッジに人型が描かれており、この時計のテーマに、人型を歩かせたいといった物が御座いました。
 そう今回の作品はMid*NightとTetotchの合せ技も考えていたのです。
 それで、実際、キャリッジに紙を乗っけるとどうなるのか気になったのですが、直前で辞めました。
 自分の時計とは言え、怖い…

…で終わりかと思うのですが、今回の作品はデザイン的に直したい点が幾つかあるので、スモールセコンド版も考えております。
 というのも、やはり時計そのものが大きすぎて普段使いできないんですね。そういった大きさの面と、自作針が使えなかった面、先ほど上手くいかなかった夜景の面、そしてテトさんを動かすといった面ここを克服して、ダウンサイズさせたいと思っております。
限界オタクなのでテトさん要素が無い時計はあまり使わないので、、、

 ただ現在は、糸鋸が使える環境じゃなくなったので、この案はしばらく眠っていてもらいます。
 では、トゥールビヨンは?というと。多分某関東のクロック工房で永久展示されるかと思います。

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