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【雑記】言いわけいろいろ

遅刻の言いわけも人により千差万別。電車が遅れた……などとありきたりな手は使わずに、ここは是非とも個性を光らせたい。

そんな風に余計なことを考えて、学生時代にアルバイト先に「電車賃がなくてバイトに行けません」と電話して職場の先輩にさんざん怒られたことがある。

電車賃を稼ぐにはアルバイトをしなければならないが、アルバイトに行くには電車賃がいる。というパラドックスを表現したつもりだったが、先輩には通じなかったらしい。

これは言いわけの失敗例だ。

一方、就職して間もないころ、とある先輩が会社に「か、金縛りで出社できません」と息も絶え絶えに電話してきたことがあり、これは見事な成功例だと、ぼくとしては感服せざるをえなかった。

電話を受けた当時の上長は「それならおまえは一体どうやって電話しているんだ」と即座につっこんでいた。言いわけする側とされる側の完璧なコンビネーションの一例がここにある。

だからどうだということではないのだが、JRもこれだけ横浜線が遅れるのなら、人身事故などという憂うつな言いわけじゃなく、もっと明るいネタを持ってきてもらえないだろうか。

待ち時間に余計な文章を書くハメになったじゃないか。

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後日譚

数日後、朝の通勤時間のまっただ中にまたもや横浜線が三十分近く停止した。

また人身事故かと思いきや、構内放送で流れたのは、「送電線に風船が引っかかっており、これがアルミ製なため、専門の職員が駆けつけているところです」というなんとものどかな説明。

ホームのあちらこちらで小さな笑いがもれ、通勤ラッシュ時間の殺伐とした空気がしばし和らいだ。

あっぱれJR。言いわけも日々進化している。

(2015/9/14 記、2023/12/15 改稿)

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