【学び70冊目】ドロくさいけど必ず結果が出る! 経営計画のつくり方
【経営計画書を作るにあたっての前提】
誰のためにそもそも作るのか?
経営は誰にあるのでしょうか。経営計画書は誰のために作るのでしょうか。顧客を満足させるため、でしょうか。実は少し違います。CS(顧客満足)を追求しなければいけないのは、組織を構成する個々の構成員(従業員)です。従業員が、ES(従業員満足)志向では、自分のことばかり考える集団になってしまい、会社としては成り立ちません。かといって、従業員が全く満足できない会社だと、結局人が離れていってしまいます。
顧客への価値提供としての前輪がCS、それを最大化させるための後輪がES、その自転車に乗っているのが正に、経営者です。前輪と後輪はつながっているのです。
好ましくない状態として、従業員自信がES志向になってしまっていることに加え、経営者が直接CSをやってしまっていることも多々あります。経営者が直接体を動かして、忙しい状態とも換言出来ます。前輪は社員に任せ、前輪をいかにしてスムーズに回せるかを考えることに、徹しなければいけません。自分が前輪になることを、やめる意思決定をしなければいけません。
また、本書には載っていませんでしたが、ESとエンゲージメントは別に考えなければいけません。人事用語のエンゲージメントは、マーケティングのエンゲージメントとは意味が違く、「社員の自発的な貢献」を計る指標です。ESは、社員が受け取るものにフォーカスした考え方ですが、エンゲージメントは社員から外側に発信されるものです。この自転車でいうと、CSにも重なる所はありますが、顧客だけでなく、組織に対しての積極的なコミットメントもエンゲージメントに含まれます。エンゲージメントの総和を上げるための一つではありますが、経営者視点から見て、ESにだけ全力を注いでいればエンゲージメントも比例して上がるかといえばそうではありません。社員が必ずしも快く思わないことも含めて、企画していかなければいけません。構造として、シンプル化されたこの自転車の説明は非常に分かりやすいですが、この点は留意しておく必要があると思いました。