【学び67冊目】競争の戦略
この本では、競争業者並びに業界の分析を行い、最終的に分析の「統合」を行い、統合されたアクションプランへと繋げることを目的としています。渡部氏の「戦略概論」を次に読むと、実践フェーズとのつながりもより見えてくるかと思います。
5つの競争要因
ポーターは、業界において競争を作り上げる要因を5つ挙げています。
1.新規参入業者
2.供給業者
3.競争業者
4.代替品
5.買い手
そして、それら5つの競争要因に対処する場合、他社に打ち勝つための基本戦略として、
1コストのリーダーシップ
2差別化
3集中
戦略は、元々軍事用語で、「敵=競合」の存在があって初めてなりたちます。買い手の視点を取りいれた支店は、近年「マーケットイン」のが叫ばれてることもあり、日系企業の中でもかなり重要視されるようになってきています。日系企業が得意なプロダクトアウトは、新興国での地産地消ビジネスでは通用しません。韓国企業も、少し前までは日本より、日本と同じく、マーケティングが得意でなかったようですが、エンタメ業界の躍進を皮切りに、現地化、マーケティングがどんどん得意になってきており、日本企業は、マーケティングの意味においては、韓国に後れを取っているように、個人的には感じます。
さらに、3C分析でいう、会社、顧客の視点だけを網羅すれば、良い戦略といえるかと聞かれればそうではなく、「競争業者」の視点は常に取り入れていなければなりません。
ニッチな事業だと、その市場に競合は存在しない、という意味で有利になります。コモディティでなく、サービスなだけあり、標準化された部分はあるといえど、営業マンの能力にかかってくる部分はどうしてもでてきてしまいます。
1の参入業者の視点でいうと、参入障壁が今展開している、もしくはしようとしている事業の市場にどれくらい存在するのかということになります。規模の経済が働くメーカーなどの業界は、初期投資がかなり必要で、小さく始められないので、それだけでかなりの参入障壁になります。
会社内ではなく、外部の環境も分析するために、要因を分解してフレームワークで整理し、再度統合させていくために必要な一冊です。また、折に触れて読み直そうと思います。