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娘(私)と母の確執

#創作大賞2024 #エッセイ部門

私は4-5歳の頃から10年程前まで【母が大嫌い】だった。理由は以下の通りだ。


理由その①
日々母から聞かされるのは、父や祖母への不満、ママ友の悪口、私の友達の悪口、友達の両親の不倫の話だったからだ。ママ友と私の友達に関しては悪口だけでなくその人を馬鹿にした内容も多かった。私の友達に関しては「○○ちゃんとは遊ぶな」などとも言われた事もある。これらは少なくとも小学生にする話ではないんじゃないかと個人的に思っている。それを保育園頃から聞かされてきてウンザリしていたし呆れてもいた。

理由その②
彼女は思い込みがとても強く事実と違うことをよく言っていたし、思い込みでものを言ってるから時間が過ぎれば思い込んだ内容も変化し、彼女が同じことに言及しても以前とは違う内容の話となって私の耳に入る。話が二転三転したことは珍しくない。

理由その③
彼女はとても感情的である。そのため感情が変われば言うことが秒で変わった。
一体何が母は言いたいんだ?したいんだ?私はもう知らない!と思った。

理由その④
私を自分の思い通りに動かそうとしていた。例えば小学校の夏休みの自由課題は母が何をするか事細かく決めていた。学校に提出する作文も母が監視しておりアア書けコウ書け指示を出してきた。私に自由は全くなかった。「じゃあお母さんがやれば?!」とブチ切れた事もあった。ある日思い通りに動かない私に「あんたは人間じゃない!青い血の流れる宇宙人や!」と言った事もあった。今となってはそれでも良いけど、小学生だった私はとても傷付いた。

社会的に見て闇かも…と思える理由もあるがキリがないのでこの辺で止めておく。ここまで読むと母は悪い人に見えるかも知れない。母としてはどうかと思うが、良いところもあるし世間的には良い人だと評価されている。


10年以上前に思ったのは【彼女は変わらない(変わる気はない)】と言うこと。変わらないのは彼女だけでなく、私も含めて世の中の人たちの多くが本人が変わろうと思わなければ変わらない。私が彼女にいくら「それは良くないと思う」と言ったところで全く効果はない。

そう言う訳で私はいつだったか「彼女には極力関わらない。彼女に極力無関心でいよう」と決めた。実家に近寄らなくなった。関わったらイライラして人生が勿体無いし、母と私の間に父や妹が入って来て事態が余計ややこしくなる。要は残念だけど私は【母を禁忌扱い】することにした。


本来なら仲良くしたかった。だがいくら努力しても無駄だった。私は当時うつ病を患っていたせいもあって疲労困憊状態だった。

しかし今となってはこれで良いと思っている。前提条件や価値観があからさまに違う相手とは、いくら親であっても上手く付き合っていくのは困難だし、親であるが故にお互いに遠慮がないから悪い状態に向かってどんどん進む。「親であっても合わない人間と無理してまで上手く付き合っていく必要はない、関わらなければ良い」と思えたとき私の気分は軽くなった。メンタルが安定しもうあんなに疲れたりイライラしなくて良いんだと。


この考えの後押しをしてくれた本がある。
【親に壊された心の治し方(「育ちの傷」を癒す方法がわかる本)】藤木美奈子著 である。親の悪口がひたすら書いてある本ではない。自分に役に立ったと思ったのは認知行動療法の部分だ。またこんな本があるのだから世の中で悩んでる子どもが少なくないんだろうなと思った。



最後に…。
ただ世間で仲の良い母と娘を見ると羨ましいと思う。それは間違いない。



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