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カムイミンタラ2020に参戦するニーナへインタビュー

―――Impuct年間最大のビッグマッチであるカムイミンタラ初日のメインカード、龍造寺彩菜 vs タイガーニーナ JoKer 戦を間近に控え、ニーナ選手にインタビューをさせていただく運びとなりました。

タイガーニーナ JoKer(以下、ニーナ)よ、よろしくお願いします。こういうの超苦手ですけれど……。

―――さて、二日間にわたって行われるこのビッグイベントの初日のメインを任されたわけですが、率直な気持ちは。

ニーナ プロレス界については正直、超うといんです私……。最近は同年代のプロレスファンも多いという話ですけど、プロレスしてることは、ニーナの正体の知り合いにはほぼ内緒なので(笑)、注目されてバレたらとてもマズいです、はい(笑)。

―――なるほど(笑)。ですが、Impuctの先の大会の、JK-1グランプリでは優勝を果たし、リング上では驚きのマイクもありました 

 自分から目立ちにいってるのではないかというくらいですが……。

ニーナ そんな気はないんですよ本当に! ただ、もともと目的もぼんやりしながら、こういう自分になりたいな、このプロレスの道を進んだら近づけるのかな、という理想があって、一歩一歩やってたら、こんなことになってしまって……。

―――そのマイクで指名した戸名紫音選手との試合も、大きいイベントになるよう、KRF側が手を尽くして準備しているという話です。

ニーナ そんなつもりはなかったんですけど、そうですよね、大炎會2019 

 でとても活躍された戸名さん 

 なので、話が大きくなってしまいました……。

―――戸名選手とは、PXFの第一回逸女決定リーグ戦で顔を合わせて以来ですが、お二人とも、その後の活躍が目覚ましいですね。

ニーナ 戸名さんはあの後から本当に素晴らしくて、男女レスラーを合わせてもトップクラスの評価をされているのは、疎い私の耳にも届いていて……あの日はたまたま私が勝てましたが、その後は離される一方で、あの戸名さんの場所に立ったらどんな風景なんだろうって、もうなんかだだの憧れですよね。で、Impuctさんのリングでこういう結果を出させて頂けて、JK-1参加が決まった時から、これに勝てたら、戸名さんの名前を出しても怒られないかなってなんとなく思っていて、運よくそこまでいけたので、勢いで言ってしまいました……。

―――その試合も控えるわけですが、今回の相手は、JK-1トーナメントに同じくエントリしていた龍造寺彩菜選手になります。

ニーナ Impuctさんのエースなのは知っています、というか、私が出場した逸女の次の、第二回大会で優勝されていたのは観ているので、前から知ってるんです。その大会の決勝は、KRFを主戦場にしてる近衛さんとの試合でしたし。


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               近衛チサト


―――そういう意味ではImpuctとKRFは中々因縁が複雑に絡んでるんですね。

ニーナ そうですね、私と同じ逸女に出ていた名波遥花さんとはJK-1の1回戦で闘ってますし、準決勝でも 須崎由佳さんと当たってますね。

近衛さんはプロレスラーのことがみんな嫌いなんですけど、特に私にはあたりが強い気がしていて(苦笑)ちょいちょい闘うんですが、とても強いのを知っているので、龍造寺さんは彼女に勝って、私や戸名さんができなかった逸女優勝を達成した方なので、知らないほうがおかしいというか……。

―――その龍造寺選手から挑発ともラブコールともとれるコメントが送られているのはご存じですか?

ニーナ これ、言われてることの意味が実は全然分からないんです(笑)。

―――うーん、不良の番長が殴り合って分かりあうみたいな話だとは思うのですが。

ニーナ 分からない(笑)。プロレスって痛いじゃないですか、怖いんですよ、試合前は。始まってしまうと、自分ではない誰かが闘ってる感じなので、もうなんだか分かんないんですけど……。というか、マスクを被ると、中身の自分とは別人という意識なので……。でも、中身の私とは違うニーナちゃんも、試合前はすっごい怖がってます。

なので、蹴られて投げられて、終わったら仲良しっていう気持ちは全然わからなくて。戸名さんをはじめ、最近、この人はすごかったな、こうなるまでに沢山努力したんだろうなって、尊敬する気持ちはようやく分かってきたんですけど、それでも、相手と傷つけ合ってるようなこととの矛盾とか、なんで闘ってるんだろうって、全然整理ついてないです。

―――となると、ニーナ選手がプロレスをしている動機は?

ニーナ 闘う人の姿がカッコいいというのは分かるんです。魔法少女とか。でもそれって、基本悪い人を退治しているものなので……。私も最初は実は、悪い人を退治するお手伝いという感じで始めていて……。

―――KRFにも悪い人はいますしね……。

ニーナ そうなんです。ただ、プロレスって悪い人と闘う機会の方が少ないじゃないですか、どっちかというと、で、私はなんのために傷つけあってるんだろうって、よく悩むんですよ。

でも少し分かってきたのは、痛いくらいの、怖いくらいのものに自分を捧げた方が、人は成長するのかなみたいな……。

―――武道は人間形成の手段として子育てに用いられたりもしますしね。

ニーナ そうなんですね! そっか、うん、ああ、うん。でもやっぱり怖いのも痛いのもやだなぁ……。

あと私、プロレス界にお友達はいなくて……。自分の正体が誰なのか、基本的にはプロレス界の人にも内緒なので。

―――完全に公私を分けられてるんですね。

ニーナ お母さんがプロレスするの反対で、まぁいろいろあるんです(遠い目)。

―――とはいえ一般人の私にしても、龍造寺選手のこのコメントは、なんかぶっ飛んだこと言ってんなって感覚はありますよ(笑)。

ニーナ そうですよね!? あーよかった、分かってもらえて。

―――まぁでも、ニーナ選手が戸名選手に感じてるように、触れあった者にしか分からない領域の何かっていうのがあるとは思うので、試合後に、龍造寺選手へもプラスの印象を得るのかもしれないですね。

ニーナ そうなんですかね……。マスクを被って遊びにはいけないし、中身の自分としてお会いするのも無理だし、そういう友達にはなれないのが申し訳ないんですが……。

―――なるほど……。

ニーナ 思いっきり蹴られたり投げられたりしたら、私もやり返さないと次にいけないし、それは多分、ご期待には応えられるのかもしれませんが……。

あと最近、プロレス界全体で、選手の皆さんが自分の個性を追求してる感じがするんですよ。技とか、いろいろ。だから、私の新しい部分を、初めて見ていただける相手になるかもしれません。

―――おお、新技の準備があると。

ニーナ その辺は師匠の千石さんと、特訓を積んでいます。龍造寺さんに全てをぶつけられたらいいかなとは思います。

―――竜虎決戦なんていう言われ方もしていますね。

ニーナ 龍造寺さんは龍っぽいの分かるんですけど、なんかそういう怪獣同士の闘いみたいな雰囲気ありますかね(笑)。

―――お互いの得意技が似てるところはあるんですよね。スープレックス系とか、飛び技とか。ニーナ選手も龍造寺選手も、本来のフィニッシャーをよそに、タイガースープレックス、ドラゴンスープレックスでの決着も多いですね。

ドラゴンスープレックスかぁー、怖いんですよねアレ、首から真っ逆さまじゃないですか! 友達になる前に死んでしまっているかもしれない……。

―――なんにせよ、ビッグマッチのメインです。期待しています。

ニーナ あー緊張するなー、がんばります!

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