青春は「うつ」と「摂食障害」だった。
人生最大の闇歴史のはじまり
高校1年生。
私は、中学校から陸上部に入部しており、毎日毎日、飽きもせず、走っていた。
高校へ行くには、毎朝5時起き。
電車に乗り、1時間かけて高校に行き、朝練に参加していた。
しかし、毎朝5時に起きて朝練に通うことが辛くなり、高校1年生の途中から高校の近くの寮に入寮することが決まった。
実家から離れ、寮での生活が始まった。
その寮は、年は60歳程のご夫婦が経営していた。
寮は1人部屋。
私が入ることになった部屋は、途中から入寮したためか、かなりの広さの部屋だった。
その、だだっ広い部屋には小さなテレビが1台置いてあるだけだった。
寮の中の人間関係は、管理者のおじさん、おばさんを含め、その他数名の住人が住んでおり、時々、挨拶をする程度で、会話をすることはほとんどなかった。
私は人見知りが激しい方だったので、自分から、他の部屋の住人のところに行くことは、まず、あり得なかった。
ポツンと一人、だだっ広い部屋で何をしていたのか思い出せない。
両親から連絡が来ることもなかった。
そういう親だった。
私は一度だけ「帰りたい」と電話したことがあったが、却下された。
高校1年が終わりに近づいて来た頃、身体に異変が起こった。
部屋の障子に無数の虫が見える。
虫はうじゃうじゃとうごめいている。
目をこすったり、払いのけてみても、いなくならない。
「気持ち悪い」
「虫が見える、怖い。」
その頃から、私は、精神状態が不安定になりはじめ、不眠の症状が出始めた。陸上で走り過ぎたせいなのか、疲労骨折にもなり、走れなくなった。
走れない。
眠れない。
学校に行っても、授業中はずっと眠っていた。
授業もわからなくなった。
友達が遠のいて行った。
少しずつ学校に行けなくなって行った。
そして、食事が喉を通らなくなった。
食べない=力が出ない。
私は学校に行くことができなくなり、そして、日中は横になって過ごすようになった。
起きる気力もなかった。
身体が鉛のように重い。
その頃から、奈落の底に落ちていくように落ちていった。
実家に連れ戻されるが、娘が帰ってきて喜ぶどころか、両親はめんどくさそうだった。
ある日、両親が、隣の部屋で私の悪口を言っていたのを聞いてしまった。
「もう、どうしようもない」
「あれは、だめだ」
2人の声が聞こえる。
私は布団をかぶり、耳を塞いだ。
自分でもどうしていいのかわからなかった。
何もする気になれない。
その頃から、刺激になるようなテレビや音楽、本さえも見る事ができなくなった。
その頃から、「早く消えたい、早く死にたい。」
そんな風に考えるようになっていった。