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vol.212「とかく外には環境のせい、内は自分の価値観を優先したがる話。」
3連休の後半、日曜から月曜にかけて、長崎県佐世保市にある「ハウステンボス」へ1泊2日で行ってきました。
感想と、そこから連想して考えたことを書いてみます。
◆九州の感覚を首都圏に置き換えてみた。
首都圏の感覚で説明すると、福岡市が東京、南西にあり、中華街を擁する長崎市が横浜のような関係です。ただし、距離はもっと離れています。
佐世保は途中で分かれた路線を西に進んだところにあり、米軍基地もあったりして、横須賀のイメージ感じでしょうか。
九州全体の地理感覚を補足すると、北海道ほどの異次元の広さではないけども、九州は東北に次ぐ広さです。首都圏や関西圏のように「快速電車で30分走ったら隣県の県庁所在地に着く」という感覚とは大きく異なります。
例えば、
・福岡(博多)と佐賀市 … 特急で40分(約60km)
・福岡と鹿児島 … 新幹線で約1時間半(約300km)
関東だと、東京~横浜は半分の約30kmです。2都県となりの横浜から千葉まで、新幹線で1時間半かからないですよね。
ハウステンボスの佐世保市は、博多から特急で約2時間。
東京から見た鴨川シーワールド(房総半島の太平洋側)、大阪から見た南紀白浜(和歌山)ぐらいの感覚だと思います。そんな立地です。
◆初めてのハウステンボス訪問
九州出身にもかかわらず、私は今回が初訪問でした。
ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)と比べてアクセスが遠いため、1泊する人も多いようです。
事前に全く予習せずに行ってみたら、驚いたことが2つありました。
1.アトラクションの種類が多い!(想像してたんと違う)
2.雪交じりの冷え込みにもかかわらず、けっこうなにぎわい
正直、「九州の、さらに地方のテーマパーク、さびれた雰囲気なのでは?」と勝手に予想していたのが、覆されました。
なんとなく「オランダ風の風車やチューリップ畑が広がる、のんびりしたメルヘンな世界」を想像してたのだけど、実態は多彩なアトラクション。
・空中を300m滑空するアスレチック
・宙づりでジェットコースターのように走るアトラクション
・エリア内の運河を移動するクルーザー(隅田川の船の小規模版みたい)
・3階建てのメリーゴーランド
・さまざまなシアターやショップ
恐竜の実物大オブジェ、シューティングゲーム、アスレチックエリア―、と"何でもあり"で、建物群も豪華。「こ、こんな感じだったのか!」と驚かされました。
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帰宅後に調べてみると、「ハウステンボス株式会社」は少なくとも直近4年、毎年黒字経営です。年間利益は1億円規模の年もあれば、30億円の黒字を出している年もあります。(資産売却などの特別損益の可能性はあるけどが、少なくとも赤字ではない。)
ディズニー(オリエンタルランド)やユニバーサルスタジオジャパンと比べると規模は小さいけど、佐世保市という地方都市にありながら黒字を続けているのはすごいと思う。
◆冬の花火。
今回の旅行で特にラッキーだったのが、宿泊したホテルから花火を間近で見られたこと。
家族が「花火が見たい」と言い出し、「この時期にある?」と思いながら調べたところ、ハウステンボスでこの土日限定でイベント的に開催すると判明。
会場最寄りのホテルを検索→急きょ予約取れた!→会場(港)と反対側の部屋→夕食が第2部(17時と19時の2クール)しか空いてなかった、と一喜一憂したすえに、レストランで「食事が終わった後、そのまま室内から花火を見ていいですよ」と教えてもらう、と紆余曲折しながら、間近で観ることができました。
有料の席を予約した人たちは寒空の下での観賞。私たちはそのすぐ背後の、暖房の効いた室内から観覧。ラッキーでした。(※花火が終わった瞬間に室内で拍手が起きたから、リピートのお客さんも多かったのだと思います)
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◆「世界観の統一」は自称「玄人」の幻想。
今回の旅で感じたことが2つあります。
1.黒字経営を続けていること
売上の規模は100億円~クラス。そこから20億円、30億円の利益を出していることになる。非常に高い利益率だと思います。「地方=経営が難しいだろうな」という想像は失礼だったなと反省。
2.「世界観の統一」よりも「楽しめる」
「オランダ」で統一された施設を想像していたら、実際にはアスレチックや恐竜、アクションなど様々でした。家族連れで来たとき、それぞれがどれか楽しめるようになっている。
かつてUSJが、一時は来場者が減り、経営が傾きかけました。森岡毅さんが改革を行って立て直したことで有名ですが、同様のエピソードが残っています。海賊船などのの塗装をリアルなものから、よりわかりやすいデザインに変更させた。映画コンテンツだけでなく、ニンテンドーなどの人気コンテンツを導入。「玄人の統一感」よりも「多様な層が楽しめる空間」を優先した結果、USJは復活を遂げ、今や国内有数の人気テーマパークになった―。
◆自分に置き換えられるか?
これって、自分自身にも当てはまることがあるなと感じました。
・置かれた環境のせいにしない
ハウステンボスは「地方だから厳しい」と言い訳せずに(いや取材したわけではないですが)経営努力を続けている。
やれ「noteの記事が読まれないのは環境のせい」「いいこと書いてるのに」と言い訳するのはやめるべき。
・「世界観がさぁ」、などと考えない。
「世界観を統一しなければ」と考えすぎると、かえってつまらないものになる。色々な試行錯誤をして「読んでもらえるnote」「声をかけてもらるキャクター」を目指すべきなのだと理解した。
◆まとめ
今回、初めてハウステンボスを訪れましたが、予想以上に楽しい旅でした。
そして、テーマパークの経営方針から、自分自身の考え方整理にも応用できることがあると感じました。
「外的要因を言い訳にせず、創意工夫を続けること」
「『世界観の統一』より、多様な価値を提供すること」
仕事や自主的勉強にも生かせる考え方だと思います。
話があちこち飛びましたが、今回は以上です。
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未来予想が外れた話につづいて、訪れる先についての予想が外れた話でした。年に2回か3回か、そのぐらいはどこかすこし遠出して、今回のように小さくても新鮮な衝撃を受けるようにしたい。
最後までお読みくださりありがとうございます。
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(ご参考)「ご案内:個人事業で提供するメニューと、提供できる価値(2024.1版)」