vol.024「得意なこと、苦手なこと、嫌いなこと、好きなこと:基本的には強みを伸ばす、でいいと思ってる~迷ったら希少性の高いほうを選ぶ」
ここ最近、自分を構成する要素の棚卸(おろ)しみたいなことを考える機会が多く、すきま時間に考えたり、書きとめたりしています。
(1) 個人で「強みを伸ばすか弱みを補うか」と問われたら、「強みを伸ばす」ことにコストを費やすのがいいと思っている、
(2) なにが弱みまたは苦手なのか、それはなぜなのかを棚おろししておくことは、たぶんとても重要なことだとわかってきた、
みたいな話を書きます。(注:書き上げてみるとちょっとずれた。後で整理します)
◆置かれた環境は、意外に能力と整合している
しばらく前に、友人とこんな話をした。
友人は、世にまだ無いものを創出する仕事をしている。新しいプラスの値を探し出す、増やすのに向いている。ビジネス創出の能力が高い。そもそも、クリエイティブな才能がある。
私は、すでにあるものを活かす仕事をしている。または、発生したマイナスの値を収束させるのに向いている。トラブル解決の能力が高い。裏返しで、クリエイティブな才能がない。
友人のミッションでは、理解者(スポンサー、PTA、応援団)を増やすのは、アナロジー(類推)、メタファー(隠喩)である。明日からの未来のこと。いま無いものの説得力を提示するのだから、想像力(創造力)を使う/使わせることになる。
私のミッションでは、理解者(スポンサー、PTA、応援団)を増やすのは、データ(実績値・数字)、ファクト(事実)である。過去から今日までのこと。いまあるものの説明を行うのだから、事実、または異論の出ない計算を用いることになる。
友人も、私も、めぐりめぐって、自分の資質と親和性のたかい仕事(世界)に就いているのだと気づかされた。
◆なにが「得意」か
私自身は、クリエイティブな才能が、ほぼ無い。新しいものを創出するセンスに乏しい。持っている人間、知人、友人たちを見ると、うらやましく思うことがある。
かわりに、「気がつく」「真似する」「分解する」「組み合わせる」ことが得意だ。
特異点を発見すること。違和感を抱くこと。部分に狭く絞り込んで、焦点を当てて複製すること。真似すること。
複製したものを、分解すること。別の複製パーツと組み合わせること。試して、改良すること。
人からもらって、加工すること。人に渡して、転用方法を考えてもらうこと。
誤字脱字を見つけるのが平均より早い。教わったことをなぞるのが得意。
先生や上司の特徴を見つけるのが早い。かいつまんで紹介するのが得意。
「創造」が苦手で、「模倣」が得意。
だから、例えば研修で新しいことをやらされるとき、1回目、コツを教わる前(Before)が、20点くらいのグダグダになる。
代わりに教わったあとの2回目(After)で70点か、80点くらいのそこそこになる。
「2回めで習得するなんてすごいですね」と言われたことがあるけど、事の本質は「1回めがグダグダになること」にあらわれている。
そして2回めの現象、「補助線を引いてもらうと、急に精度があがる」と自分の特徴を自分でわかってる。
だからなにかのテーマに取りかかるとき、検索するか、本を何冊か読むか、その道の先生を探すかして、「考えるための補助線(候補)を仕入れる」ことに注力する。
◆どんなことが「嫌い」か
弱みを補うより、強みを伸ばすほうが、生産性が高い。苦手を克服するより、得意を発揮するほうが、効率が良い。強みを伸ばし、得意を発揮して、苦手なことは助けてもらうのがいい。
じゃあ、苦手なこと、嫌いなことってどんなこと?
過去のメモを検索してみた。
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(メモその1)
嫌いなことのひとつに「自分より若い人、目下の人をけなす」というのがある。真剣にやっている人を茶化す。からかう。目下の人間の陰口を言う。多勢で一人の悪口を言う。自動的にマイナスポイントがつく。
仮に、後輩や部下を茶化して+先輩や上司が大勢で+陰口を言う、だと3アウトだから、トリプルプレーでチェンジ、という感覚でいる。
指導なり苦言を呈したいなら、本人に直接、真摯な態度で言ったほうがいいし、言えないなら黙っておけばいい。
・・・と考えて、言うは易しだけども、なるべく気をつけている。
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(メモその2)
読書メモ『共鳴・共感されない人の特徴』
①自慢話をし続ける(例:「あいつは俺が育てた」「俺はモテた」)
②すごい人扱いされないと激怒(例:「紹介のされ方が気にくわない」)
③共通の知人の悪口:(例「あの人はズルい」「最近調子に乗っている」)
いずれも納得感がある。ちょっとずれるけど、③の変化形、消息話をする人が苦手だ。(例:「引っ越したんだって」「家族とうまく行ってないらしい」「すっかり出世したよね/辞めたんだって」)
「へぇ~」と流せばよいようなものだけど、無口になってしまう。きっと、楽しくなさが顔に出ているだろう(攻略)。
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ちなみに、紀元前はるか昔の記録に「近頃の若い者は」と書かれている、という話は、根拠(史料)のない俗説だと聞く。
もしそうだとすると、「新しい世代のことを理解しようとせず、自分の価値観でくさすことの不合理さ」を考えた誰かが、過去の利害関係のない逸話(つくり話)に託して発信した。それに多くの人々に共感して、広く流布したのだろう、と想像している。
ほかにも似たようなメモが残っていて、それらに共通するのは、
「本人がいたら、面と向かって言えないような陰口を言っている」
「責任を取る気のない他人様の人生のことに時間を費やしている」
ことへの嫌悪感だ。磁石のような強い反発だ。
なんでこんなに嫌なのかと考えて、「自身も陥りがちなことで、そうなった自分を見ているようでイヤだから」ではないかと思いあたった。
自責、自戒の念はさておき、前述のような言動を取る人とは、疎遠になる。たとえそれまで友だち付き合いをしていても、交流するのをやめている。
追記:もう一つには、「それを言ってる/聞かされてる瞬間の、生産性の低さ」が嫌いなのだと考えている。
◆なにが「苦手」か
「苦手なこと」は大きく2つに分けられる。
・創りだすこと、0から1を生むこと
前出のとおり、クリエイティブな才能がほぼ無い。新しいものを創出するセンスに乏しい。
絵や彫刻、音楽、歌、書道、文学、などの芸術分野、仕事のうえでのアイデア出し、料理や家事全般、釣りなどの趣味にいたるまで、「ほかにないものを創出」「お金が取れるほどの新規さ」にたどり着かない。
たぶん、十代のころに気づいたと記憶している。
あくまで、観察・複製・分解・再組み立て(組合せを変える)の能力が"主な成分"だ。
・正確性、繰り返し、面倒なこと
財務や経理、法律など専門性の高い分野、プログラミングまで行かずともAccessやVBなど正確な知識(単語と文法)が必要なもの全般が苦手だ。日々、週、月などで繰り返す、ルーチン型の作業が苦手だ。
前者は「やってもできない」とあきらめているもの、後者は、「やればできるとわかっている」がやりたくないもの。こらえ性がない、飽きっぽいと言える。
必要性をわかったうえで(何様だというのを承知で)あえて的確に表現すると、「生産性の低さ(流動性の低さ)」が意欲の上がらなさにつながっている。「嫌いなこと」の原因と共有している。
といって、創出することも苦手と言ってるから、ストライクゾーンが狭い。かなり偏った、扱いづらい人材、と言えそうだ。(※いまさらの棚おろし)
◆「好きなこと」はなにか
かわりに、「希少性が高くて価値の高いこと(※)」、「他者または所属するコミュニティへの貢献度が高いこと」が好きだ。一文で言い直すと「自分の希少性を発揮して、貢献している実感があること」だ。
仕事でいうと、いちばん向いてると思えて、かつ苦にならなかったひとつが、クレーム案件の交渉だった。
それなりの規模の企業の、優秀な構成員で、「顧客の前面に立つのが大好き」「怒られることが平気」という人は多くない。いわゆる交渉技術、話し方や態度、視線・立ち方・声の出し方などの技術知識を、私費を投じて勉強している物好きはもっと少ない。
この2つの要素を掛け算すると、希少性がかなり高くなる。
※希少性(珍しさ)と価値は別の要素だ。もちろん「希少性が値段の高さ」になることは多い。
考えてみると、プライベート(ライフ、趣味)も同じ。
ライフ・・・ほかの会社員サラリーマン男性がやってなさそうな範囲、量の家事をやる。家事の内容は、パートナーが苦手なことで、自分が得意な分野に特に集中して引き受ける。
趣味・・・料理なら、本とYoutubeで正統派のレシピを予習したうえでアレンジ(簡略化)する。すこし本格的な道具を、ただし安価で見つけて使う。釣りなら、「リーズナブルな道具、公共交通機関でいける範囲で、コスト対釣果の 東京湾・アマチュア1位を目指す」みたいなことだ。
ライフとワークの中間にある、「勉強」もそうだ。
いま現在、またこの10年ほどで勉強した分野も、掛け算することで希少性が高くなりそうなものを探して選んできている。「その時点の自身の立ち位置から、一定の距離のあるもの」を定期的に混ぜるのが、コツといえばコツだと思う。
「迷ったら困難な道を選びなさい」「道に迷ったら面白いほうへ」などの言い方があって、なぞらえると、「迷ったら希少性の高いほうを選ぶ」を行動原理の根底に置いている。
うーん。今回も、ちょっとまとまりのない終わり方だけど、いったん投稿します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
(つづく)