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犬を飼うのが夢でした16

私は若いころから自意識過剰な人間で、相手が自分のことをどのように思っているのかを異常に気にする性格でした。

そのうえ、非常に欲張りな人間でもありました。
結婚したい、子どもも産みたい、仕事はやめたくない、一人前の大人として認められたいという欲が根底にあったのです。

私が就職した頃は男女雇用機会均等法が施行されて数年がたち、女性も男性同様に働くことが推奨されるような風潮がありました。

小学生の時に父が倒れ、経済的に苦しい環境で育った経験から、貧乏な生活はしたくない思いが強く、私は男性と同じように働くことができ、かつ給与体系も男女格差のない公務員になりました。

しかし、実際フルタイムで家事も育児もという生活は、自分のキャパシティを遥かに上回っており、慢心していた自分の浅はかさを思い知らされました。

家事は食事の支度と洗濯以外はほぼ手付かずで、育児も最低限のことしか行えず、理想とは程遠い全く余裕のない生活が続きました。

今思えば、子どもを第一優先にすべきだったのですが、その時の私は仕事を辞めることなど考えたこともないほど、子どもと家庭を後回しにしていたのです。

朝早く出勤し夕方帰宅する日々は、一日があっという間で、時間の余裕も心の余裕もなく、帰宅するともう何もしたくない、煩わしいことは考えたくないというエネルギーが枯渇しきった状態でした。

更に、自意識過剰という無駄としか思えない負の性格が、益々自分を窮屈にさせ、身体的にも悪影響を及ぼしていました。

中でも食事に関しては、今考えると深刻な状態だったのだと思い返されます。見た目を気にして、太らないようにと偏った食事をしていたのです。

上の記事にも書かせていただいたとおり、頭を正常に働かせるためには何と言っても食事が大切です。

しかし、当時の私は見た目優先の考え方に固執し、その結果、絶対的な食事量の少なさが塩分や糖分、肉類や油脂などの不足を招き、脳の正常な働きを妨げていたのです。

私は身長が170㎝以上あって女性としては高いほうなので、その分食事量を増やさなければいけなかったのですが、体型を維持するために食べることを控えていました。

慢性的な栄養不足の状態では、脳が正常に働くはずもなく、その結果、仕事だけは何とか続けられたものの、その他の煩わしいことは後回し、考えたくもないという状態だったのです。

知識を得ようと本を読むこともなく、世の中の情報も興味のあること以外は関心がなく、子育て仲間との交流などもなく、体力的にも精神的にもいつも疲れを感じていたのだと思います。

続きます。


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