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「未知なる生物界への扉!階段に現れる虫たちの謎解き」20 ”ツマキシャチホコの仲間”

あなたの住まいの階段を使って新たな冒険に出発しませんか?

私は健康のために階段を使っていますが、階段で目を凝らすと、ふと動く小さな虫がいることに気が付きます。そして昨日いた虫は何処かへ行き、別の虫が現れ、入れ替わっていくのです。

実はこの無機質な階段には驚くべき生命の多様性があります。

本記事では、私たちの日常生活に潜む小さな虫を探索し、階段に毎日現れる虫の正体に迫りたいと思います。

前回出現した虫はクマゼミでした。
圧倒的な声量で夏の暑さを演出してくれる立役者です。

今回はどのようなムシに出会うのか。

いつものように階段を下りていくと、足元に粉っぽい蛾が見えます。

翅の先端が薄黄色っぽい

階段に少し色合いは似ていますが、止まっている位置が目立ちます。

特徴的だが、言語化できない色合い

うーん、蛾には違いないのでとりあえずgoogle先生に相談します。

候補としてツマキシャチホコ、ムクツマキシャチホコタカサゴツマキシャチホコ、クロツマキシャチホコという蛾が候補として上がってきました。

4つもあると同定は難しそうです。まずは名前の由来から見ていくこととします。

名前の由来について

名前が「ツマキシャチホコ」のように特徴的なので少し調べてみると、ツマキシャチホコの名前の由来は、江戸褄模様という褄(つま)の部分が黄色をなしている着物が流行ったそうで、ツマキシャチホコは翅の褄がその模様に似ている事からこの名が付けられたそうです。

シャチホコの名前の由来は、幼虫がシャチホコみたいに頭と尾をふりあげるポーズが得意だから、この名前が付いたという話もあります

シャチホコガ Stauropus fagi をはじめとする本科の一部の幼虫は特異な形態を有し、さらに静止時には頭部を背側に反らせる特徴的な姿勢をとることが知られる。「鯱」の名はこれらの特徴に由来するとされる[9]。また、威嚇の姿勢がクモへの擬態となり、捕食者に対する防御として機能するという説もある[11]

ウィ久ペディアより引用 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%81%E3%83%9B%E3%82%B3%E3%82%AC%E7%A7%91

幼虫のシャチホコのポーズはお城の鯱を、成虫の翅模様は江戸褄模様(ツマキ)を表し、日本の歴史を代弁するような、オシャレなネーミングです。

蝶の和名にもこの着物の褄模様をなぞらえて命名されたような名前の蝶もたくさんおり、

例えば、ツマグロキチョウなどはまさに褄黒黄蝶と書き、蝶や蛾の名前は着物の袖をなぞらえて命名されていることがわかります。


話を戻し、ツマキシャチホコ類の同定にチャレンジします。

候補が複数挙がってしまいましたが、

成虫の褄の模様の記述には以下のようにあります。
ムクツマキシャチホコ、タカサゴツマキシャチホコ
 大きな黄白色紋の内縁が黒色
ツマキシャチホコ、クロツマキシャチホコ
 大きな黄白色紋の内縁が赤褐色
タカサゴツマキシャチホコ
 前翅中央付近にある小さな白色紋が不明瞭。

この情報を考慮すると、黄白色紋の内縁が黒色なのは写真から明らかなので
ムクツマキシャチホコ、タカサゴツマキシャチホコ
のどちらかになります。

ムクツマキシャチホコとタカサゴツマキシャチホコの成虫を見分けるポイントは以下の通りですが、果たして見分けがつくか。

  1. 前翅中央付近の白斑(腎状紋):

    • ムクツマキシャチホコ: 白斑が明瞭で、はっきりと白い。

    • タカサゴツマキシャチホコ: 白斑が不明瞭で、はっきりしない。

  2. 前翅内縁の黒斑:

    • ムクツマキシャチホコ: 二つの黒斑がある。

    • タカサゴツマキシャチホコ: 一つだけ黒斑がある。

  3. 前翅頂の黄褐色斑:

    • ムクツマキシャチホコ: 黒く縁どられ、形状は丸みを帯びており、大きな勾玉状。

    • タカサゴツマキシャチホコ:黒く縁どられ、形状は丸みを帯びており、形状は細い

うーん、成虫について3つの見分け方の特徴から写真を見てみましたが、黄褐色半は勾玉上には見えないので、タカサゴツマキではないかと思いましたが、前翅内縁の黒斑が一つかどうか明確ではなかったので、結局わからずじまい。また、近くは街路樹がおおいのでケヤキなどあり、寄主植物はどちらかというとケヤキなどが多くムクツマキシャチホコかもしれません。

なので、無難にPhalera属の一種とします。

幼虫だと違いがあるため幼虫の情報があると同定できたかもしれません。

いずれにしても昆虫の同定は難しいですね。。。。

Phalera属の一種

シャチホコガ科、ツマキシャチホコ亜科、Phalera属

ムクツマキシャチホコ (Phalera angustipennis)

チョウ目 シャチホコガ科  トビモンシャチホコ亜科

発生時期 8-10月(年1化)

寄主植物 ムクノキ(アサ科)、アキニレ・ケヤキなど(ニレ科)

分布 本州・四国・九州

タカサゴツマキシャチホコ(Phalera takasagoensis)

発生時期 8-11月(年1化)

寄主植物 クヌギ・コナラ・シラカシなど(ブナ科)

分布 本州・四国・九州

生態
シャチホコガ Stauropus fagi 幼虫
本科の幼虫は基本的に木本植物の葉を餌とし、草本植物を食草とする種は少ない[3]
シャチホコガ Stauropus fagi をはじめとする本科の一部の幼虫は特異な形態を有し、さらに静止時には頭部を背側に反らせる特徴的な姿勢をとることが知られる。「鯱」の名はこれらの特徴に由来するとされる[9]。また、威嚇の姿勢がクモへの擬態となり、捕食者に対する防御として機能するという説もある[11]
マツノギョウレツケムシガ Thaumetopoea pityocampa 幼虫の集団, ギリシャ

人との関係
幼虫が樹木の葉を食害するため害虫として扱われる種もある。日本では、大発生してブナ林を大規模に食害するブナアオシャチホコ Syntypistis punctatella森林害虫として特に有名で、大発生の原因となるさまざまな要因や発生の周期性に関する研究がよくなされている[12][13]

ギョウレツシャチホコ亜科のマツノギョウレツケムシガ[14][15] Thaumetopoea pityocampa針葉樹の大害虫として有名であり、アンリ・ファーブルも幼虫の生態を研究したことが知られる[16]。本種はマツ属ヒマラヤスギ属ヨーロッパカラマツなどを食害し、地中海周辺地域に広く分布するが[17][18]地球温暖化に起因するさらなる分布の拡大も危惧されている[19]。和名および英名の"processionary"が示すとおり、本種は幼虫が集団で一列に並んで移動する生態で有名であり、この「行列」は道標フェロモンによって形成されることが知られている[18]。また、3以降の幼虫が有毒の刺毛を有することも本種の有名さに寄与している[17][18]

ウィキペディアより引用https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%81%E3%83%9B%E3%82%B3%E3%82%AC%E7%A7%91

幼虫は基本、木などを食害する害虫としてとり扱われることが多いようです。

擬態

ツマキシャチホコの仲間も体が木の枝によく似ていて擬態するガの仲間です。以下のサイトがとても分かりやすく、面白いです。 折れた枝にしか見えません。

撮影した写真は、背景が階段ですので色合いは多少似ていますが、流石に隠れてない、、、。

今回の来訪者はツマキシャチホコの仲間でした。本来は細かく各部位を確認する必要があるのですが、写真からのみ同定を試みるという一種の制約のようなものがあるので、同定がむつかしいところです。

結果的にPhalera属の一種としていますので、詳しい方がいらっしゃたらコメントいただけると幸いです。

次はどんな虫に出会うのでしょうか。
どんなふうにワクワクさせてくれるのか
次の来訪者に期待したいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

※虫の同定(自然科学で、分類上の所属を決定すること。)は本来難しいので、間違っていたらご指摘頂けますと修正しますのでコメント頂けますと嬉しいです。

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