門前仲町「たにたや」さんと、季節のお弁当を考える。(その5 春分)
3月20日(土)春分の日。
雷が稲光り雷声が轟き始める時季でもあります。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、
寒さは和らぎ過ごしやすい季節になります。
桜の開花情報が聞かれるのもこの頃からです。
すっかり、オフィスの近所の桜も、咲き始めました。
ちなみに、卒業式、歓送迎会のシーズンですが、
春分、秋分に最も近い戊(つちのえ/いぬ)のことを、
「社日(しゃにち)」といい、
「社」は生まれた土地の神様(産土神・うぶすながみ)のこと、
そして社日は、産土神を参り、春には五穀豊穣を祈り、
秋には収穫の感謝する日でもあります。
さて、今日のお弁当。
緊急事態宣言が解除されたとともに、食材にも「豊かさ」がともなってくる。まず「鱵(さより)」、細めの白身魚だが、すこし山椒が、忍ばせられていて、香ばしい。そして「ホタルイカ」がいよいよ富山で水揚げ、ニラと桜海老の卵焼きは、だし巻きにしてあるので、白米の隣がピッタリ。
また冬を土の中で越え、ようやく土から顔を出した新じゃがの「肉じゃが」は、滋賀は新保吉伸さんの「サカエヤ」の牛肉。肉脂が諄くなく、ジャガイモの美味しさを際立たせている。
社日を超えると、毎年どんな夏、秋を迎えることになるか気になる。
今年は三寒四温が続いているが、すこし温度差にギャップがある。
暑い日もあれば、寒い日も、ままある。
そんな温度差も、お弁当にしっかり詰まると、豊かになる。
なるほど、五穀豊穣とは、お弁当の中に潜んでいたんだ。
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