The Promとtick,tick...BOOM!
1つ前の記録、
「映画館で観るミュージカル」のほぼ続きです。
Netflix会員ではない私ですが、
Netflix(日本はわかりません)の制作するドラマ、映画のクオリティが高いことは認識していまして、
(字幕も良いんですよね)
映画館で公開して下さい!と強く願っているタイプです。
その中でも、ミニシアターで限定上映してくれた2作を幸運にも観ることが出来ましたが
どちらも素晴らしかったです。
まずは「The Prom」。
学生時代にHIGH SCHOOL MUSICALに出会えて良かったのと同じくらい、
大人になってから「The Prom」に出会えたことに乾杯!です。
1秒も退屈することなく132分が過ぎる作品です。
こちらは本来私があまり好きではない"舞台作品を映画化したもの"なのですが
こんなにも映画作品として楽しめることある?!
と驚きました。
キャスティングと演出の勝利です。
学生時代に見ていたら感情移入する先が違ったかもしれませんが、
30代目線で見るとMeryl Streepを筆頭としたミドルエイジ4人組が愛おしい。
James Corden、Nicole Kidman、Andrew Rannellsと、とにかく豪華メンバーです。
自分達の保身第一でLGBTQアクティビストとなった4人。
全員自分が大事でしょうがないところに共感していたら
とんでもなくクオリティの高いパフォーマンスで魅せてくれる。
超一流の芸達者キャストだからこそです。
皆様ご本人の持ち味とキャラクターを見事にマッチさせていてとっても魅力的だったのですが
Meryl StreepのAllenは
ハスキーボイスに赤っぽい色味のショートヘアー、
派手な原色ファッションが似合って最高です。
It 's Not About Meもまるで最強ヴィランズのような格好良さ。
HSMでSharpayが好きだったように高慢キャラ大好きです。
そしてヲタク目線で見逃せないのが校長先生。
We Look To Youは
舞台好きにとって共感の涙の1曲でした……。
辛いことがあっても劇場にいけば現実を忘れて夢を見れるのは勿論、
自由に歌い踊る、そこにルールや常識なんかない。
それが良いし好き!なのです。
校長先生の立場に立つと夢のような話ですよね。
日々仕事に追われ、舞台を観るのが生き甲斐の毎日を送っていたら
ある時突然推しが目の前に現れて歌い踊り出すなんて。
成功したオタク過ぎます。
あとは、これぞミュージカル!というサウンド満載です。
CHICAGOオマージュはわかりやすい例ですが、
HSMのプロムに誘う時のような曲もあったり、
Book of Mormonのオリジナルキャストがそれっぽい曲を歌ったり、
Dance with You も旋律がめちゃくちゃWicked。
ミュージカル好きならわくわくしてしまう曲だらけです。
当然ながらキャスト陣の歌声も素晴らしい。
全体的に元気が出るような曲が多いと思いますが、
Tonight Belongs To Youの多幸感もすごかった。
"One thing's universal. Live's no dress rehearsal."
の韻の踏み方も好きです。
そこからのあの悲しい場面という落差が秀逸です。
田舎の価値観、世代間ギャップなどは埋めるのが難しい溝だと現実世界でも思いますが
この作品の救いは、
価値観が古いはずのミドルエイジ達が味方についてくれることなんですよね。
はじめは深く考えず始めたアクティビストとしての行動も
いつの間にか価値観をアップデートする一端を担っている。
見せ方が重過ぎず軽過ぎず押し付けがましくもなく
心地良い塩梅です。
あとBroadway版にはないと思われる
エンディングのWear Your Crownがめちゃくちゃ良くて
見終わった後すぐ配信を買いました。
ここまでで既にかなり長くなってしまいましたが、
もう1作品、「tick,tick...BOOM!」。
前置きとしまして、私はRentHeadと自称するほどではありませんが
RENTがめちゃくちゃに好きです。
アメリカのカンパニーで2度、日本で観劇しました。
映画のOSTも何度も何度も聴いています。
ストーリーも好きですが、圧倒的楽曲の良さ。
楽曲だけで心を鷲掴みにされてしまう。
それもこれも生みの親であるJonathan Larsonの力です。
そんなJonathanの人生を描いた作品が作られると知った瞬間から
何が何でも見るぞと意気込んでおりました。
tick,tickもまずもって、楽曲がはちゃめちゃに良い。
Jonathanのコンポーザーとしての才能に驚きます。
端々にRENTを感じるのですが、
RENT以前のJonathanの曲をこうして聴けるだけでも泣けます。
映画化を考えて、形にしてくださったすべての方に感謝です。
彼の楽曲はロックテイストの印象も強いですが、
メロディが美しい上にコーラスも美しくて
心が洗われるゴスペルを聴いているような気持ちになる曲も多いです。
Seasons of Loveが代表格ですが、
「tick,tick」にもそういった楽曲があります。
輪唱がとても綺麗に重なっていく曲も印象的です。
個人的には作中に出てきましたSuperbiaも是非とも全編観たいです…。
前衛的なSF作品という設定も気になります。
夭折でなければ、
RENTのヒットの波に乗って2作目になっていたかもしれないと思うと切ないです。
個人的ついでにもう1つ。
大好きなHSMファミリーであるVanessaがこうしてまた
大好きな作品に出ていることにも感動しました。
ずっと可愛いですねあなた…。
(The Greatest ShowmanにもZacが出ていて嬉しかったですが
作品としては好きじゃないです)
長々と書いてしまいましたが、
Netflix会員になったらええやんというツッコミは置いといて
この2作を円盤化して欲しいです!
オタクは配信という形のないものではなく
円盤という確固たる物を手元に置きたい生き物なのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?