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【韓国留学生の休暇】暮秋の大田紀行 - 『聖心堂文化院』、独立書店『다다르다』

聖心堂文化院

流石に食べ歩きは品がない。というかそろそろ歩き疲れたぞ。ということで、どこか座れる場所を探していた矢先、성심당문화원(聖心堂文化院)』なるものの案内が目に留まった。

🐻‍❄️「地下1階から3階まで、自由にご利用ください!」

「聖心堂 ”文化院”とは何ぞや。」
文化院なんて、駐日韓国文化院以外聞いたことがない。「文化院」とは何を指す概念なのか。
ということで、Chat GPT先生に訊いてみた。

**文化院(ぶんかいん)**とは、特定の国の文化を海外に広め、理解を深めてもらうことを目的とした機関である。文化院は、その国の文化や芸術、言語の普及・振興を図り、交流や教育活動を行うことで国際的な理解を促進する役割を担っている。

らしい。
つまるところ、聖心堂文化院とは、聖心堂の文化を韓国全国ひいては世界に広め、理解を深めてもらうことを目的とした機関ということだ。

聖心堂文化院は、聖心堂本店付近の廃고시원(コシウォン=簡易宿泊施設)の建物をリモデリングし、2022年にオープンした。地上5階、地下1階の総6フロアからなり、3階から地下1階までをカフェスペースとして開放している。
カフェスペースは、聖心堂で購入したパンの持ち込みが可能なのは勿論、ドリンクも注文できる。

私たちもアイスアメリカーノで一息つくことに。

「「「映えない」」」

1階と2階には、聖心堂マーチや地元企業とのコラボグッズなど、様々なアイテムを購入できる메아리상점(メアリ商店)』が併設されている。

率直に「진짜 별게 다 있네(本当に何でもあるな)」と思うほど、何から何までグッズ化されていた。
例えば、聖心堂の看板商品・튀김소보로(ティギムソボロ)の石鹼。

「あんぱん+ドーナツ+そぼろ(クランブル)=ティギムソボロ」という式が。

こちらは公式キャラクター・곰식이(コムシギ)のぬいぐるみストラップ。

「곰(コム)」は熊のことだけど、「식(シク)」はどこから来たの…?

更には聖心堂の伝記(?)まで。

『私たちが愛したパン屋・聖心堂』

フロア中に아기자기한(こまごまとして可愛い)ものがたくさんで、目がとても幸せだった。
後で写真もっとアップしたいな。


独立書店『다다르다』

聖心堂文化院を後にし、気になっていた書店へ。

다다르다(タダルダ)とは、「すべて(다)異なる(다르다)」という意味。

大田の聖心堂付近の、旅行者にインスピレーションを与える旅行書店兼カフェ。書店は2階にあり、1階は『都市旅行者』というカフェとして運営。展示やブックトーク、深夜書店イベントを定期的に開催している。店主は、この空間で人生の多様な方向性を提案したいと考えている。

다다르다公式ホームページ「소개」より引用

「独立書店」というワードが正直あまりピンとこなかったのだが、店内を見て回るうちに、日本でいうところの「街の本屋」的なものなのだと理解した。
実際、独立書店とは、大手チェーンや出版社の傘下に属さず、個人や小規模な事業者によって運営される書店を指すという。これらの書店は、オーナーの個性や理念が色濃く反映された独自の品揃えや空間が特徴で、一般の大型書店では見つけにくい希少な本や地域に密着した書籍などを扱うことが多い。欧米の ”independent bookstore” にあたる。

個人経営の書店ならではの、自由な空間の使い方が心地よかった。

どこか懐かしさすら憶える、絶妙なラフさ。
『とにかく、走る』今の私に必要な姿勢だな、と。
壁に貼られた大きなレシート。よーく見ると、書店の日常を綴った「日記」だった。

韓国の交通の要所として知られる大田だが、これは日本の植民地時代に鉄道やインフラが整備されたことに由来し、当時の影響が今でも建物や文化に残っている。

「6. 大田、この都市のアイデンティティとは何だろうか。日本の歴史、つらい過去を抱いながら生きる都市。移住民たちが集い暮らす都市。人生は旅のようなものであり、長い旅路に出る彼らが集まった都市。だからこそ、私たちは互いに寛容に生きている。慣れない旅先で受けた思いやりのように、見知らぬ旅行者をもてなすように。今日もロマンティック大田。」

大田に限った話ではなく、韓国で生活していると、都市や生活の中に溶け込んだ「日本」を感じることが多い。その度に複雑な気持ちになるわけだが、韓国生活3年半となる今でも、向き合い方の正解を探し続けている。

店内のどこを切り取っても可愛くて困っちゃう。

今回はスケジュールの都合で長く居られなかったが、また次回、ゆっくりできるときに訪れて、今度は本を購入して独立書店の存続に貢献したい。


東京やソウルの都市部しか知らない私は、無機質で拠り所を持たない「チェーン店」が当然だと思っていたが、今回訪れた2ヶ所のように、地元を感じさせる「地域密着型」企業の温かみも好ましく感じられた。

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