5周年!プリコネキャラソン総選挙
開会式
開会宣言
Cygamesが送る超大作アニメRPG「プリコネ」こと「プリンセスコネクト!Re:Dive」は今年で5周年を迎えます。来る2月15日に向けてゲーム内外で祝祭ムードが高まっているのが感じられますね。
しかしアニバーサリーだからと言ってめでたいことばかりではありません。
ノゾミ(リベレイター)が登場した周年ガシャでは久しぶりに課金して天井する羽目になりました。
きっと前回の記事でプリコネだけ辛口気味に書いたのがガシャ神様のお気に召さなかったのでしょう。(オカルト学派)
それはさておき、「プリコネ5周年を祝うためになにかしたい!」と考えてみたところ思いついたのが「キャラソンの布教活動」でした。
プリコネ楽曲は本当にレベルの高いものが揃っており、なんとかして広く聞かれてほしいと日頃から願っていました。
そこで、2023年1月25日時点で音源がリリースされている全66曲から最強の推し曲を決めるべく1曲ずつ採点し、厳選された上位5位までの楽曲を紹介しようというのが今回の企画となります。
また5周年のタイミングでサブスク解禁との報もあり、期せずして皆様にオススメするには絶好の機会となりました。
・対象楽曲収録CD
プリンセスコネクト!Re:Dive Lost Princess ~ようこそ美食殿へ!~
プリンセスコネクト!Re:Dive PRICONNE CHARACTER SONG 01~31
※コラボイベントのエンディングテーマ、リミックスやソロバージョンなどは対象外とします。アニメ版アンチなのでアニメの曲も無しです。
採点方法
では実際の採点方法について、つまりどうやって楽曲を評価したかを説明していきます。
まず各楽曲について4つの大項目を設定します。
そして、それぞれについて小項目を2つずつ設定し、その2つを5段階評価した合計を大項目としての得点(10点満点)とします。
詳細な内訳は以下の通りです。
○歌唱力
・ピッチの正確さ、リズム感の良さ、声量などのいわゆる歌唱力
・歌唱を通してキャラクターの魅力を十分に引き出せているか
○歌詞
・印象的・独創的なフレーズや味わい深い表現があるか
・歌詞としてのテーマ性、歌い手のキャラクター性を表現できているか
○曲
・イントロのインパクトやサビのキャッチーさなどのメロディ部分
・曲構成やリズム・ハーモニー、使用されている音色などの全体的な部分
○総合力
・上記3項目の調和が取れている、ないし相乗効果を生んでいるか
・楽曲を通して個性や心情の表現ができているかといった、キャラクターソングとしての完成度
以上4つの大項目の得点を平均したものを最終的な得点とします。
できるだけ楽曲自体のクオリティとは別ベクトルの「キャラソンとしての良さ」を評価したいという想いがあり、上記のような評価項目としました。
また複数の楽曲が同点となった場合、4つの大項目についてそれぞれ決選投票を行い、それでも優劣が付かなかった場合「総合力」の評価が高い方を上位とします。
採点方法については以上となります。
一見客観的な手法に見えるかもしれませんが評価自体はめちゃくちゃ主観的です。音楽の嗜好は人それぞれということでご容赦ください……。
結果発表
お待たせしました、いよいよ結果発表です。
それぞれ楽曲情報とふわっとした講評を書いていきます。
プリコネのキャラソンはほとんどがイベントのエンディングテーマになっているので、必然的にイベントの文脈で語られることが多くなります。
イベントストーリーを読めるけど読んでいないという方は、併せて味わうとより楽しめるかと思います。
第5位 Knight's Soul
マツリ(CV:下田麻美)、クリスティーナ(CV:たかはし智秋)
作詞:eNu
作・編曲:設楽哲也
ストーリーイベント「トライバルスピリッツ 掲げる剣と誇りの架け橋」エンディングテーマ(2022年10月31日)
PRICONNE CHARACTER SONG 31収録
歌唱力:9 歌詞:8 曲:10 総合力:10 平均点:9.25
激しく疾走感のあるサウンドにクリスティーナおばさんの力強い歌声が合わさり最強に見える!
テーマ曲となったイベントは、獣人族であることを隠してヒューマンとして暮らしているマツリが、獣人族とヒューマンの和平のために奮闘する……というものです。
マツリの成長はもちろんなのですが、本イベントで印象的なのは垣間見えたクリスティーナの価値観や生き様でした。
普段はわがまま放題に見えるクリスですが、それは己の信念を貫いて生きているからであり、そのためには武力に限らないさまざまな「力」が必要だと彼女は言います。
そうしたクリスの真の魅力や、マツリの強さへの渇望といったものから感じられる「熱さ」を詞・曲の両面から存分に表現した楽曲になっています。
ちなみにギターの音色は私が一番好きなタイプのやつです。
ゲームサイズでは間奏がカットされてしまうのが玉に瑕ですね。
第4位 Absolute Secret
キャル(CV:立花理香)
作詞:corochi(Cygames)
作曲:馬渕直純
メインストーリー第1部第8章エンディングテーマ
Lost Princess ~ようこそ美食殿へ!~収録(2019年4月3日)
歌唱力:8 歌詞:10 曲:9 総合力:10 平均点:9.25
キャルの必死の叫びがそのまま歌になったような、キャルがDV被害者だった頃のつらく険しい楽曲です。
要約すると「脳天気なペコリーヌが大嫌い!(大嫌いとは言っていない)」ということなのですが、その裏にある孤独や絶望を想うと未だに胸が締め付けられるような切なさを感じます。
メインストーリー的には第8章は大きな転換点となる場面で、プリコネ初のシリアス展開に突入した瞬間この曲が流れてきて膝から崩れ落ちる……という仕掛けになっています。
変なオタクゆえ楽曲の方を先に知っていたので、「ここでこれが流れるのか~!」とゴロゴロ横転した記憶があります。
これを一番好きな曲に挙げる方も少なくないだろうと思われる、プリコネを代表する最高傑作の一つと言えるでしょう。
第3位 TwinkleStars
ユイ(CV:種田梨沙)、ヒヨリ(CV:東山奈央)、レイ(CV:早見沙織)
作詞:野村イクミ(Cygames)
作曲・編曲:石濱 翔(MONACA)
ストーリーイベント「新春トゥインクルクライシス!」エンディングテーマ(2018年12月31日)
PRICONNE CHARACTER SONG 10収録
歌唱力:9 歌詞:9 曲:10 総合力:10 平均点:9.5
プリコネ屈指の歌ウマギルドこと「トゥインクルウィッシュ」。
そのどれも素晴らしい持ち歌の中でも間違いなく最優の楽曲です。
新年イベントにふさわしい爽やかな曲調にエモーショナルなメロディが乗り、それだけでも圧倒的なオーラなのですがこの曲の真髄はなんと言ってもサビの歌詞にあるのです。
「きらめく願い」は文字通りトゥインクルウィッシュそのものを指しており、聞いた瞬間まるで「最終回のサブタイトルが作品タイトルのアニメ」を観たときのような感動を覚えます。
また、旧作プリコネのヒロインである彼女たちが「失くした絆をもう一度つないでいくために」と歌うのは、作品を背負って立つ気概に加え横綱相撲の貫禄すら感じられます。
まさしくトゥインクルウィッシュの3人のために生み出された、かけがえのない楽曲となっています。
第2位 Asymmetric World
ペコリーヌ(CV:M・A・O)、キャル(CV:立花理香)
作詞:瀬名航
作曲:伊藤翼
4周年ストーリーイベント「Re:member 僕の願いが紡ぐ未来」エンディングテーマ(2022年1月31日)
PRICONNE CHARACTER SONG 26収録
歌唱力:8 歌詞:10 曲:10 総合力:10 平均点:9.5
キャル、2曲目のランクイン。
メインキャラなので曲数が多いというのも当然ありますが、それだけキャルというキャラクターの持つ背景が強固ということでもありますね。
ペコリーヌとキャルの掛け合うようなデュエットが印象的なこの曲は、プリコネの舞台が「物語の世界」であることをメタった表現が非常に効果的に使われています。
また、そんな(困難ばかりの)物語の世界であっても、運命に抗って「残酷な現実」を生きていこうという強い意志に満ちあふれた楽曲です。
やっぱりやっぱりやっぱりやっぱりペコ×キャルなんですよね……プリンセスコネクト!Re:Diveさんに一生着いていきます。
第1位 はつゆきツインアプローチ
ヨリ(CV:原紗友里)、アカリ(CV:浅倉杏美)
作詞:森本練
作・編曲:森本練
ストーリーイベント「ハッピー◇ハプニング 幸せの双子天使と聖夜の贈り物」エンディングテーマ(2022年11月30日)
PRICONNE CHARACTER SONG 31収録
歌唱力:8 歌詞:10 曲:10 総合力:10 平均点:9.5
上位3曲は甲乙付けがたく同点となりましたが、決選投票の結果メインキャラたちを差し置いてあの双子のラブソングが栄えある1位に輝きました。
双子の姉妹であるヨリとアカリは、過去のイベント「ハッピー・チェンジ・エンジェルズ」のエンディングテーマ「ねぇねぇPlease!」も双子で歌っており、これも中毒性の高い名曲なのですが惜しくも今回の入賞はなりませんでした。
「ハッピー◇ハプニング」はイベントストーリー・楽曲ともにそれらの第二章といった位置づけになります。
姉のヨリは人見知りで奥手のツンデレ、妹のアカリは陽キャでコミュ強で積極的と対照的な性格をしています。姉妹はとても仲良しで、ヨリと主人公の恋路をアカリは応援しつつも実は私も主人公クンのことが……という三角関係が二人を語る上でのベースになります。
「ハッピー◇ハプニング」ではそこから一歩進み、二人はお互いにライバルとして認め合いようやく同じラインに立ったところでイベントは終幕を迎えます。
ここからが本題です。
「はつゆきツインアプローチ」にはそこからさらに進んで今にも告白せんとする、ラブコメ作品のクライマックスかのような情景が描かれています。
これが本当にすごいんです。
なぜならソーシャルゲーム、特にプリコネのような作品では決定的な関係性の変化が起こることはまず無く、そこで描写されているのはこの曲の世界でしか実現し得ない場面だからです。
もちろん関係性の変化の無さにもメリットはありますが、この双子のようなケースにおいてはなかなか恋愛関係が進展しないことに対してのじれったさもあるかと思います。
そのジレンマを、キャラソンだからこそできるやり方で解消してくれているのがこの「はつゆきツインアプローチ」なのです。
イベントの延長線上にある、いつかあり得るかもしれない未来の光景を幻視させてくれたことが、この曲を1位に押し上げた最大の要因なのかもしれません。
また単純に楽曲として見ても、季節感のある音使いや詞的モチーフがふんだんに盛り込まれていて素敵なクリスマスソングに仕上がっています。
気の利いた表現も多く、「二色に積もって」いた気持ちが「一色に溶けてく」など双子デュエット曲ならではのフレーズがより完成度を高めています。
いつの世にも、恋のライバルでありながらお互いを想い合う姉妹の絆より尊いものはありません。
これからも双子の女の子にはどんどん同じ人を好きになってほしいですね。
閉会式
石を投げればアイマス声優に当たる時代ではありますが、終わってみれば5曲ともアイマス声優さんの曲になってしまいました。
知らなかったのか……? アイマスからは逃げられない……!
さて、せっかくなので9点以上を獲得した無冠の名曲たちもここでまとめて紹介しちゃいます。あくまでおまけなので簡潔に。
GREEDY LOVE
イオ(CV:伊藤静)、シズル(CV:生天目仁美)、クウカ(CV:長妻樹里)
お色気担当3人の歌声とオシャレでハイセンスな曲調が見事に融合している神曲です。
クウカの異常な声で歌ってもなお上手さを感じさせる長妻樹里さん、本当にもっと評価されるべき声優です。
Peaceful*ちゃんぷるー
マホ(CV:内田真礼)、カオリ(CV:高森奈津美)
京都にいるのか沖縄にいるのかわからなくなるような、独特のオリエンタリズムがクセになります。
本当はこれが一番好きな曲なので、次回までにこの曲が1位になるような採点方法を編み出しておきます。
Ice Wings
シェフィ(CV:近藤玲奈)
デレマスのクール系アイドルの曲にありがちな、AJURIKA先生のいつものやつです。
歌詞がはちゃめちゃに良く、仲間と出会えたシェフィの喜びが躍動感たっぷりに描かれています。
また全曲の各部門ごとの平均点は以下の通りです。
歌唱力:7.2 歌詞:6.8 曲:6.8 総合力:6.9 平均点:6.9
平均点の最低点は4点でした。
これは余談ですが、「Re:member」と名の付くイベント曲に伊藤翼先生を起用したのは完全に「Re:ステージ!」へのリスペクトですよね。
ちなみに「はつゆきツインアプローチ」の森本練先生もリステファミリーです。(もちろん偶然ですが)
閉会宣言
採点するにあたり改めて全曲を聞き直しましたが、歌詞を読みながらじっくり聞き込む時間はとても有意義でした。また、歌詞の検索については歌詞検索サイト「うたてん」さんにお世話になりました。
隠れた名曲への気付きなど、今回の企画を通してさまざまな発見があり、また一段とプリコネキャラへの理解が深まった気がします。
キャラクターソングという文化をこよなく愛する者として、プリコネには今後も期待していきたいと思います。
それでは、皆様にガシャ神様の御加護がありますように……。