イヤープラグさざなみ

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最近の記事

【書評】「サンショウウオの四十九日」/「私とは何か」なんて...【基礎教養部】

ラボメンのあんまんさんから紹介していただいた「サンショウウオの四十九日」を読み、感じたことや考えたことなどを書いていく! あんまんさんの記事には下から飛べます。 ※※以下ネタバレ有りです。※※ 本書を読み始める前は、「体は一つだが、脳が二つある話」と聞いていた。実際読み始めて、なるほどと思った。私はそういう話であると事前に知った状態で読み始めたわけだが、そうではない場合、途中まではそれとはわからないような書かれ方をしている。何も知らないで読み始めていたら、登場人物に杏と

    • 【書評】「インターネット的」/最近の話【基礎教養部】

      時空間を超えて人とつながれるインターネットのおかげで生まれた出会いがいくつもある。インターネットのおかげで僕らは出会えた。あなたに言っていますよ。 自分の生活圏には存在しない人間の、個人的な話を聞くのは面白い。と個人的には思っている。面白い話をしようとしなくても、ただ自分のことを話すだけで、刺さる人には刺さると信じて、いや、誰にも刺さらなくてもいいのだが、書いていこうと思う。こうして無名の私が全世界に向けて発信することは、とてもインターネット的である。 最近あったこと、そ

      • ジェイラボワークショップ第75回『筋肉探求部の始まり』【筋肉探求部】[20240812-0825]

        本記事は、ジェイラボ内で2024年8月12日から8月26日にかけて行なわれた、筋肉探求部主催の第75回ジェイラボワークショップ『筋肉探求部の始まり』のログです。 ★印の見出しはメインの投稿者、◎印はそれに対するリプライヤー、「・」印はそのリプライに対する(主にメインの投稿者の)返答を表します。■印はその他のコメントです。 1日目★イヤープラグさざなみ こんにちは、筋肉探求部部長のイヤープラグさざなみです。 本日より二週間、本部活のWSを行ないます。よろしくお願いします。

        • 芸術を鑑賞する【基礎教養部】

          先月は穂村弘『短歌のガチャポン』をチームで読んで、記事を書いた。 今月は、セオドア・グレイシック『音楽の哲学入門』を読んだ別チームと合流し、これら二冊の本を題材にして記事にしてみようという新たな試みである。短歌と音楽の共通点は、どちらも芸術であるということだろう。 そこで本記事では、芸術を鑑賞するとはどういうことなのかを考えていきたい。上で紹介した二冊の書評を下に貼っておく。 芸術鑑賞がテーマなので、まずは芸術ってそもそも何なのかというところから入っていこう。芸術はこういう

        マガジン

        • J LAB ch0 #ワークショップ
          135本

        記事

          ジェイラボワークショップ第74回『ジェイラボ俳句大会』【俳句部】[20240729-0811]

          本記事は、ジェイラボ内で2024年7月29日から8月11日にかけて行なわれた、俳句部主催の第74回ジェイラボワークショップ『ジェイラボ俳句大会』のログです。 ★印の見出しは俳句発表者、「・」印はそれに対するリプライヤーを表します。■はその他のコメントの発言者です。 1日目■あんまん 俳句部長のあんまんです。今日から2週間俳句部のWSを開催します。よろしくお願いします。 今回のWSはズバリ「ジェイラボ俳句大会」であります。 直前の文化表現研究部のWSで「表現」の要請が議論

          ジェイラボワークショップ第74回『ジェイラボ俳句大会』【俳句部】[20240729-0811]

          【書評】「短歌のガチャポン」/縛り【基礎教養部】

          ラボメンのimadonさんから紹介していただいた「短歌のガチャポン」を読み、感じたことや考えたことなどを書いていく! imadonさんの記事には下から飛べます。 本書は歌人・穂村弘による短歌選集である。ガチャポンというのは、硬貨を入れてハンドルを回すとカプセルが出てくるあれのこと。どんな短歌が出てくるかはページを開いてからのお楽しみというわけです。 私にとってはタイムリーな本であった。ちょうど最近、俳句を始めたのだ。俳句も短歌も、字数制限のある表現である。俳句だったら五七

          【書評】「短歌のガチャポン」/縛り【基礎教養部】

          【書評】「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」/感想と解釈【基礎教養部】

          小説に限らず詩歌、そしてアニメや映画などの映像を含む広義の芸術作品に触れた際に、「面白い・感動した」以上のことが言える人に憧れ、また自分もそうなりたいと思ったのが、私が本書を手にした動機である。 しかし本編を読み進める中で、私はある勘違いをしていたことに気づく。そう、「感想」と「解釈」を同一視していたのである。批評とは解釈の方法論であって、感想の方法論ではない。いや、そもそも感想に方法論などあるのだろうか。 感想とは、小説の場合であればそれを読んだときに自然に生じる「感じ

          【書評】「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」/感想と解釈【基礎教養部】

          【書評】『西洋美術史入門』/美術史的鑑賞【基礎教養部】

          毎月の最終日が書評記事の締切である。そしてこれを書いている今はその締切日、2月29日の夕方である。先月と先々月は、チームのメンバーに紹介してもらった本を読んだ。今月は私の選書ターンである。選んだのは『西洋美術史入門』。美術史とは何か、そして実際の西洋美術の変遷が平易に解説されている。なんとなく絵画鑑賞には興味がある、だけど何から始めればいいのか分からない、という私にとってピッタリの一冊であった。 本書の内容を一言でまとめるなら、「絵画とは、メディアである(あった)」というこ

          【書評】『西洋美術史入門』/美術史的鑑賞【基礎教養部】

          【書評】『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』/書評【基礎教養部】

          上の本を読み、私が感じたことをこれから書く。 (けろたんさんの800字書評、note記事は準備中です。) 実はこれを書いている段階で本書の2割程度しか読み終えていないことをここに告白しておこう。だからこれから書くのは、私がこの本を読み終えて感じたことではなく、途中まで読んで、感じたことである。 いや、この本を読んで感じたことを書くと言ったら少し語弊があるかもしれない。というのも、これからここに書かれることが、純粋に今回の読書体験によるものとは言えないからである。私は本書

          【書評】『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』/書評【基礎教養部】

          【書評】『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』/世界の仕組み【基礎教養部】

          上の本と下の2つの記事を読み終え、私が感じたことをこれから書く。 (ゆーろっぷさんの800字書評、note記事は準備中です。) 本書は因果関係の推定方法について書かれた、計量経済学の入門書である。数式による説明は巻末の付録にまとめられていて本文中に登場することはないし、章末毎に内容のまとめが載っている。とても読みやすかった。計量経済学というワードは本書を紹介してくれたゆーろっぷさんに教えてもらうまで知らなかった。ざっくり言うと、主に統計学を駆使して、実際に社会で起っている

          【書評】『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』/世界の仕組み【基礎教養部】

          【書評】『悲しい曲の何が悲しいのか 音楽美学と心の哲学』/ひとに説明する【基礎教養部】

          上の本と下の2つの記事を読み終え、私が感じたことをこれから書く。 これから書く「書評」は、とあるコミュニティ内で課されている定期的な課題だ。課題ではあるが、私はそれを負担に感じているというよりも、むしろ楽しんでやっている。形式に縛りがなく、自分の好きなことを書けるからである。確かに、紹介された本に関連した内容を書くという制約はあるが、これも実質的には制約ではないのである。 例えば今回の場合、本のタイトルが「悲しい曲の何が悲しいのか」であるから、本に関係した内容というと「悲

          【書評】『悲しい曲の何が悲しいのか 音楽美学と心の哲学』/ひとに説明する【基礎教養部】

          【書評】『世界はなぜ地獄になるのか』/面白い・楽しい【基礎教養部】

          上に挙げた本と、以下に紹介する2つの記事の内容を受けて私が考えたことを書く。 本書の主題は、社会のリベラル化と、それによって生じたキャンセルカルチャーである。キャンセルカルチャーという言葉は初めて聞いたが、要は特定の人物(主に芸能人などの有名人・著名人)に対する糾弾のことであった。もちろん私も過去にツイッターなどでキャンセルカルチャーの現場に遭遇したことはあるが、それはあくまで傍観者としてであって、当事者としてではない。 「『差別』『ステイタスゲーム』が蔓延るこの地獄」と

          【書評】『世界はなぜ地獄になるのか』/面白い・楽しい【基礎教養部】

          【書評】『君は君の人生の主役になれ』/自分語り【基礎教養部】

          「君は君の人生の主役になれ」というタイトルが気に入っている。私が好きなのは「主役」ではなくて「君は君の」の方である。他でもないこの私に言ってくれている気がして、身が締まるからだ。 本書のメッセージは二つあると思う。一つは、自分が「大人」から受ける(受けそうになっている)コントロールに自覚的になれということ。もう一つは、複雑なこの世界をそのまま複雑なものとして受け入れながら、自分独特の人生を切り拓いていけ、というものだ。後者の方が、より本質的である。 複雑なものを複雑なもの

          【書評】『君は君の人生の主役になれ』/自分語り【基礎教養部】

          【書評】『科学はなぜわかりにくいのか 現代科学の方法論を理解する』/科学とは方法論である【基礎教養部】

          上に挙げた本と下に載せる書評を読み、私が感じたことや考えたことをこれから書いていく。 本書の主題は「科学の分かりにくさ」ではなく、科学的方法論である。 まず、データありきだ。データかなければ科学は始まらない。科学者たちは、このデータを元にして、「仮説演繹法」によって議論を展開していく。仮説演繹法ではまず、与えられたデータを説明し得る仮説を考案する。次に、その仮説が正しいと仮定し、そこから出発して論理的な推論を重ねていく。最後に、推論によって得られた帰結と実際のデータを比較し

          【書評】『科学はなぜわかりにくいのか 現代科学の方法論を理解する』/科学とは方法論である【基礎教養部】

          【書評】『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』/考える・悩む【基礎教養部】

          上の本のテーマは「他者とともに考える」ことである。私はそれに対して、「一人で考えること」を考えてここに書こうと思う。上の本で主に書かれていることは、「哲学対話」についてである。自ら抱いた問いをもとに考え始め、その経過や結果を言葉にして他者と共有し合うことで世界を広げていこう、そして、世界が広がるその感覚は、それをやった者にしか分からない。そんな内容であった。私は人と話しながら考えるよりも、一人で考えることの方が多い。一人でいることが多いからである。もちろん人と一緒にいることで

          【書評】『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』/考える・悩む【基礎教養部】

          【書評】『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』/会話と仮説【基礎教養部】

          Amazon.co.jp: 99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書) : 竹内 薫: 本 上に挙げた本と、以下に紹介する2つの記事の内容を受けて私が考えたことを書く。 99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 を読んで報告という行為について考える。|シト (note.com) 99・9%は仮説~思いこみで判断しないための考え方~ | 基礎教|ジェイラボ公式部ログ (j-lectures.org) 人と話したり、本を読んだり、わたした

          【書評】『99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』/会話と仮説【基礎教養部】